新しい労働者の政党を 戦争に反対した小林多喜二 その精神を今、受け継ぐのはもはや日本共産党ではない 唯一、北島くにひこ候補だ 弁護士  高山俊吉さん

週刊『前進』02頁(2856号01面02)(2017/06/29)


新しい労働者の政党を
 戦争に反対した小林多喜二
 その精神を今、受け継ぐのはもはや日本共産党ではない
 唯一、北島くにひこ候補だ
 弁護士  高山俊吉さん

 労働者がこの社会を根底から変えるという信念のもとに小林多喜二は天皇制権力と対峙し、そして虐殺されました。1933年です。この国の大陸侵略政策に反対して闘っていた私の父はその少し前に治安維持法違反で逮捕・投獄され、私の母も都内あちこちの留置場をたらいまわしにされていました。
 安保法制の成立、改憲の動き、共謀罪を考えると、日本共産党に期待をかける都民は少なくないと思います。その一方で、最近の党の姿勢に疑問を感じている共産党員や支持者が多いことも私は知っています。
 共産党は、「個人の尊厳」を理由に天皇退位特例法案に賛成しました。天皇制の存在こそ個人の尊厳の最大の蹂躙(じゅうりん)ではないか。「お気持ちを理解、共感する」という特例法に結局賛成した姿を、多喜二が知ったら何と言うだろう。
 共産党は、小池百合子都知事が初めて編成した東京都の一般会計予算案に39年ぶりに賛成しました。39年前といえば美濃部都知事の時代です。美濃部知事と小池知事を同列に扱う姿勢を私たちはどう見ればよいのか。

日本共産党は小池都政賛美

 小池百合子は、「核武装の選択肢は十分ありうる」と言った(『Voice』03年3月号)。福島第一原発爆発の直後に原発の運転継続に賛成した。安倍晋三を特別顧問とし、稲田朋美や萩生田光一などを会員とする「日本会議国会議員懇談会」に属し、一時は副会長を務めてもいた。小池は安倍の別動隊です。共産党都議会議員団の大山とも子幹事長は、小池知事の政策に「是々非々」の立場で臨むと言ったが、いったいこの人の政策のどこに「是」があるのか。
 6月20日、小池知事の豊洲・築地並列方針について発表された大山幹事長談話は、豊洲移転方針には問題があると言うだけで、正面から小池新方針に反対するものではありませんでした。一方、共産党関係者の中では「豊洲移転に小池が転換したとしても裏切りなどとはけっして言わない。よくがんばっている」とのほめ言葉まで、ネット上で流されています。
 共産党は多くの党員の反対を押し切って裁判員制度に賛成し、共謀罪の国会審議にも拒絶することなく応じました。
 共産党支持者の皆さんに訴えます。都民の立場に本当に立つということは、裏切らず真剣に闘うということです。右や左の顔色をうかがいながら言う政策は、結局のところ権力の奴隷の政策に堕します。
 「共謀罪・改憲反対、豊洲移転白紙撤回、保育・都営交通の民営化反対、東京オリンピックは返上」。多喜二の精神を継ぎ、いのちをかけて闘う北島くにひこ候補への絶大なご支持を心から訴えます。

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