東京オリンピックやめろ 安倍と小池の反動性が凝縮

週刊『前進』04頁(2851号03面03)(2017/06/12)


東京オリンピックやめろ
 安倍と小池の反動性が凝縮

(写真 東京オリンピック開催のために福島の怒りを圧殺し、労働者を解雇する小池知事と都庁議事堂レストランに抗議【6月7日 都庁前】)


 腐敗をきわめながら戦争・改憲へと突き進む安倍政権への怒りが、全社会に渦巻いている。崖っぷちの危機にある安倍と小池都知事が、自らの命運をかけて成功させようとしているのが2020年東京オリンピックだ。ここに、安倍と小池のあらゆる腐敗と反動性が凝縮されている。
■戦争と利権
 オリンピックは「平和の祭典」でもなんでもない。帝国主義のもとで一貫して、「挙国一致」=階級融和の演出をはかり、「国威発揚」などというむき出しの愛国主義を労働者人民に押し付けてきた。実際に、ヒトラーのもとで行われた1936年のベルリンオリンピックは第2次世界大戦の地ならしとなった。
 さらにオリンピックは、今回の東京オリンピック招致をめぐる巨額な裏金問題や、安倍政権と電通との癒着からも明らかなように、利権にまみれたイベントだ。大資本が巨大な利権に群がり、そのしわ寄せは生活と社会そのものの破壊となって労働者人民に襲いかかる。戦争とカネもうけこそオリンピックの本質だ。
■改憲・共謀罪
 安倍は5月3日、日本会議系の極右団体「美しい日本の憲法をつくる会」などによる集会にビデオメッセージを寄せ「20年を新しい憲法が施行される年にしたい」と呼びかけた。同日の読売新聞に掲載されたインタビューでも「半世紀ぶりに日本で五輪が開催される2020年を、未来を見据えながら日本が新しく生まれ変わる大きなきっかけにすべきだ」として「20年新憲法施行」を訴え、東京オリンピックを最大限に利用して改憲と戦争国家化を進める意図を明らかにした。
 共謀罪についても同じだ。安倍はこの間、オリンピックへの「テロ対策」と称して、〝組織犯罪処罰法改正案を成立させ、国際組織犯罪防止条約を早期に締結する必要がある〟と強弁し、共謀罪の制定を正当化しようと必死になってきた。国際的にも非難の声が上がる中、階級闘争の圧殺と戦争のために参議院での採決を強行しようとしている。
■福島圧殺
 2020年東京オリンピックは、11年の福島第一原発事故によってすさまじい危機にたたきこまれた日帝が、強引に招致に乗り出して決定されたものだ。その狙いは、原発事故を「なかったこと」にすることにある。安倍は13年にブエノスアイレスで行われた国際オリンピック委員会総会での招致演説で「(福島原発事故について)状況はコントロールされている」「健康問題については、今までも現在も将来も、まったく問題ない」などと主張した。とんでもない虚構と福島切り捨てが、東京オリンピックの出発点だ。
 「復興五輪」というスローガンの陰で行われていることは何か? ゼネコンをはじめとした大企業に巨額のオリンピックマネーを投げ与える一方で、原発事故によって家も故郷も奪われた人びとへの住宅支援は打ち切り、被曝と帰還を強制しているのが日帝だ。今村前復興相は記者会見で「自主避難者」に対する国の責任を問われ、「それは本人の責任」と言い放った。これが安倍政権の本音だ。
 さらに都庁議事堂レストランでは、「被曝と帰還の強制反対」署名を集めたことを理由に女性労働者を不当解雇した。福島第一原発事故はいまだ収束していないばかりか、事故から丸6年を超えて健康被害が深刻さを増している。福島の人びとの怒りとオリンピックは、けっして相いれない。
■丸ごと民営化
 小池は自民党を批判するようなポーズをとりながら安倍とまったく同じ立場に立ち、オリンピックをとことん利用しようともくろんでいる。「コンパクトなオリンピック」を掲げて巨額の予算計上をやめるかのように言いながら、結局は最大3兆円にも上ると言われる予算を受け入れようとしている。
 その一方で「東京大改革」の名による東京都の丸ごと民営化を狙い、「国家戦略特区」の制定をその突破口としようとしている。これは加計学園事件が示すように、政権と癒着した資本家連中が労働者人民から搾り取ったカネで私腹を肥やすための制度だ。
 しかし、労働組合が先頭に立ってオリンピックの反動的な本質を暴いて闘うならば、必ずあらゆる怒りと結びつくことができる。北島くにひこさんとともに都議選決戦を闘い、戦争・改憲と福島圧殺、民営化の東京オリンピックを粉砕しよう。

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