「都庁ふくしま署名解雇を許さない会」結成 小池は非正規使い捨てやめろ ゼネストで反撃を決意

週刊『前進』04頁(2851号02面01)(2017/06/12)


「都庁ふくしま署名解雇を許さない会」結成
 小池は非正規使い捨てやめろ
 ゼネストで反撃を決意

(写真 会場を埋めた130人が安倍と小池を打ち倒す決意を込め都庁議事堂レストラン解雇と闘う「許さない会」を結成【6月6日 杉並区】)


 6月6日、「都庁ふくしま署名解雇を許さない会」が発足した。会場を埋める参加者130人の熱気と感動の中で、安倍政権と小池都知事による戦争と民営化の攻撃と一体のものとしてかけられた解雇に対し、「許さない会」の結成が宣言された。翌日の都議会最終日には、最初の行動として議事堂レストラン前座り込みが取り組まれ、大反響を呼んだ。

不当解雇明らか

 結成集会の冒頭、「4・1常磐線浪江延伸反対闘争」の映像が上映された。映像には小池都知事による原発避難者の住宅追い出しを許さない3月31日の都庁包囲デモも入っている。被曝と帰還の強制に反対する連日の闘いに柿沼庸子さんも参加し、職場で「被曝と帰還の強制反対署名」を集め、労働組合をつくろうとした。これを口実に解雇されたのだ。6分間の映像に、解雇の犯罪性と闘いの正義性は完全に明らかだ。
 発起人あいさつに続き経過報告を事務局長に就任したNAZEN東京代表で江戸川区職の佐藤賢一さんが行った(別掲)。佐藤さんは、柿沼さんがシングルマザーの非正規職労働者として、3・11福島原発事故以降、子どもの健康を心配して原発に反対し、必死に生き行動してきた「歴史」を紹介した。そして、「柿沼さんの闘いを全国の労働者の前に登場させることには計り知れない意義がある」と強調し、「これは戦争反対の闘いであり、労働運動を変えるまったく新しい闘いだ。都議選で北島くにひこさんに日本のハンサンギュン(韓国・民主労総委員長)になってもらい、新しい労働者の政党をつくろう」と呼びかけた。

当該が熱く訴え

 万雷の拍手の中、柿沼さんが発言した(別掲)。柿沼さんは第2回団交を、動労水戸のTシャツと動労千葉の田中康宏委員長から贈られた国鉄時代のナッパ服(作業服)、「怒 福島」の法被(はっぴ)を着て行ったことを勝利感をもって報告した。そして、「この闘いは非正規職の問題であり安倍や小池による被曝の隠蔽(いんぺい)、戦争との闘いです。若い人たちはみな同じ環境に置かれているから話しやすいので、水路を広げ、地元でゼネスト情勢をつくり出してほしい」と訴えた。
 動労東京の吉野元久委員長が国鉄1047名解雇撤回闘争当該の成田昭雄さんのメールを読み上げ、「君が代」不起立被処分元教員の根津公子さん、動労福島の橋本光一委員長とNAZENフクシマの椎名千恵子さん、ふくしま共同診療所の布施幸彦院長、鈴コン闘争支援・連帯共闘会議呼びかけ人代表の花輪不二男さん、東京西部ユニオン鈴木コンクリート工業分会分会長、東京西部ユニオンの吉本伸幸委員長が発言した。

都議選の勝利へ

 解雇撤回署名と労働委員会闘争など「当面の方針」が青年労働者から提起され確認された。子を持つ女性労働者をはじめ東交、全学連や多くの呼びかけ人、労働者が発言した。動労千葉の田中委員長はこの闘争を国鉄闘争と一体で闘うことを訴えた。まとめと団結ガンバローを北島くにひこさんが行った(別掲)。
 労働者の怒りを結集し動労東京、東交・都労連の闘いとともに都庁レストラン闘争を闘おう。共謀罪弾圧を粉砕し、安倍・小池打倒の都議選に勝利しよう。

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結成集会の発言から

地元で闘い広げゼネスト情勢を
 解雇当該 柿沼庸子さん

 結集されたみなさん、ありがとうございます。
 今日は2時半から第2回の団交があったんですけど、動労水戸Tシャツを着て、田中委員長に頂いたナッパ服を着て、福島におねだりした「怒 福島」の法被(はっぴ)を着て、それを着たまま団交に行ってきました。
 団体交渉の中身は1回目と変わらず、人間性を奪われているなと思いました。社員の人の話を聞いても、自分の意思とか感情とかはなくされている。弁護士は金で雇われているだけで、なんの正当性もない。
 今後私がやっていきたいことは非正規の問題であるし、安倍や小池がやろうとしていることは被曝の隠蔽(いんぺい)であり、結局そのまま戦争に向かおうとしていることが露骨でわかりやすいと思うんです。若い人たちは同じ環境に置かれているので、話もしやすいと思います。ぜひみなさん、地元に持ち返っていただいて、この闘いをとっかかりに水路をどんどん広げて、ゼネスト情勢にしていただきたいと思います。
 韓国に負けじと、声のウェーブをやるぐらいにしていきたいと思いますので、今後ともよろしくお願いします。

〝福島は戦場だ〟の怒りを共有し
 都庁ふくしま署名解雇を許さない会事務局長/NAZEN東京代表/江戸川区職 佐藤賢一さん

 柿沼さんの「歴史」を紹介します。柿沼さんはシングルマザーです。そして非正規職でした。2011年3月11日の後、小学生の子どもの健康を守るために、必死に日本の原発政策に反対してきました。懸命に生きてきて解雇され、福島の避難者と同じ立場となっています。都庁レストランで署名を集め、正規職2人、非正規職40人のブラックな職場に組合をつくろうと考えていました。
 署名を理由に解雇されたこの人を、安倍政治に怒る全国の労働者の前に登場させることの意義は計り知れません。
 4・1浪江の現場で見たものは、低い値しか出さないモニタリングポスト、さびて点滅するだけの信号、津波で破壊され廃虚となった街、その家ひとつずつに家族の団らんがあったはずだという思いです。折しも朝鮮半島周辺では米日韓の大演習中でした。彼女はこれが戦争の現場だと思ったのです。
 4月3日の解雇から西部ユニオンの反撃が始まり、その日に団体交渉を申し入れています。戦争現場を見た彼女の視点は180度変わります。自分の子どもだけでいいのか、全国の労働者の、全国のシングルマザーの問題ではないか。帰還強制反対署名での解雇は福島との絆を断ち切れということ。安倍の「アンダーコントロール」の大うそを強制し、オリンピックを理由に福島を抹殺するものではないか。動労水戸の被曝労働反対を踏みにじるものだ。それはまた非正規職労働者の使い捨て、安倍の「働き方改革」そのものだ。労働者を何だと思っているのか。あとは死ねということか。議事堂レストランは小池知事の委託を受け、ブラック企業として非正規製造工場と化している。闘いは戦争反対そのものです。
 都議選で西部ユニオン副委員長の北島さんにハンサンギュンになってもらい、新しい党をつくるしかない。それが国際連帯でありゼネストの道です。丸ごと民営化に反対し小池都知事と対決する。まったく新しい闘いに入った。歴史を切り開く闘い、一人の女性労働者が日本のあり方そのものを変える時代が始まったということで、ともに頑張っていきたいと思います。

安倍と小池倒す拠点ができた!
 東京西部ユニオン副委員長 北島くにひこさん

 許さない会が結成されて自分たちの武器ができた。闘いの現場で安倍・小池を倒す拠点をつくろうとみんなが思う、そういう集会でした。都庁レストラン闘争の核心がここにあります。
 都はレストランを何のために外注化しているのか。直営だったら労働組合の支部ができるに決まっている。そうさせないために外注化している。だから彼女の首を切った。「はなまる」という企業は、小池の意向でこれをやった。ここに小池との対決がある。
 小池の一番の弱点は何か。小池は「働き方改革」と言っていますが、労働組合と闘う迫力なんてない。だから逆にここに小池を引きずり出す。その闘いが都庁レストラン闘争です。
 ゼネスト情勢が生まれています。柿沼さんを先頭に都庁で街頭宣伝をやったり、都労連傘下の組合を回ったりして、今までにない反応が出ています。小池・安倍にみなが怒っていることが如実に現れています。
 朝、「私も都庁で派遣労働者として働いてます」と声をかけてくる。「話してるのを見られているだけでも困る」と言いながらビラを受け取っていく人たちが、思い切って私たちに声をかけてくる。そういう状況だし、都庁の労働組合に資料を持って行ったら、「もっとくれ」と言われて、予定した数を回れなかったという反応になっている。ゼネスト情勢が渦巻いていると思います。
 第2、第3の柿沼さんが自分たちの隣にいる、まだ黙っているけど世の中に満ちている。その中でこの闘争を全力で闘いましょう。
 明日、都庁で座り込みをします。広島弾圧の「再逮捕」弾劾行動、動労総連合の出向裁判もあります。都議選の勝利はそういう闘いの爆発の中にある。都議選闘争の真ん中に都庁議事堂レストラン闘争をすえて、共謀罪粉砕、小池・安倍を倒すためにすべての労働者は団結してガンバロー。

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