〝強制執行を許さない〟 請求異議裁判 弁護団が陳述
〝強制執行を許さない〟
請求異議裁判 弁護団が陳述
5月25日、千葉地裁民事第5部(高瀬順久裁判長)で天神峰・市東孝雄さんの農地をめぐる請求異議裁判の第2回弁論が開かれた。三里塚芝山連合空港反対同盟と顧問弁護団、労農学市民100人は、農地強奪の強制執行を許さない固い決意で闘いに臨んだ。
開廷に先立ち、小雨の中を午前9時に千葉市中央公園に結集し、太郎良陽一さんの司会で決起集会を開いた。反対同盟事務局を代表して萩原富夫さんは、住民生活破壊に突き進む成田空港を断罪し、「農地死守」を訴えた。動労千葉の川崎昌浩書記長などの連帯発言を受けデモに出発。婦人行動隊の宮本麻子さんが宣伝カーから「強制執行阻止」のアピールを響かせた。
デモ後、参加者は地裁正門に再結集し、強制執行反対署名6395筆の提出へ向かう反対同盟と葉山岳夫弁護士を盛大な拍手で送り出した。(写真下)
午前10時30分に開廷。弁護団は被告・成田空港会社(NAA)の答弁書を粉砕する準備書面を陳述した。
①NAAは、この請求異議訴訟について「農地法裁判で審理が尽くされたから意味がない」と言うが、誤りだ。かつての空港公団(NAAの前身)の「平行滑走路の用地取得のために強制的手段をとらない」との公言は、農地取り上げの執行が実際に問題になる今の時点でこそ、NAAが遵守すべき鉄則として重大な意味を持つ。NAAはこの裁判で初めて「強制執行できる」とあからさまに主張し始めた。公約破りだ!
②県知事が下した賃貸借契約の解除許可には、条件として「離作補償料の給付」が明記されている。NAAが今もって支払いも供託もしてない以上、解約申し入れは無効だ。
③NAAが強制執行を求めることは、裁判所の執行部隊と機動隊の暴力による流血沙汰をもって市東さんの畑を奪うことだ。NAAは「部分執行もありうる」とうそぶくが、部分と言えど営農と生活全体を破壊する。絶対に許されない!
さらに弁護団は、「空港機能強化案」として出されている①第3滑走路建設、②B滑走路の1千㍍延伸、③夜間飛行時間の延長の計画が、周辺住民の不安と怒りをかき立てていると指摘。計画推進の根拠について、釈明を強く求めた。
弁護団の1時間の堂々たる陳述が法廷を圧した。「確定判決」だけを頼りに強制執行をもくろむNAA代理人は、顔色を失いうつむくばかり。次回期日を8月10日として閉廷した。
千葉県弁護士会館で報告集会が開かれた。市東さんがあいさつに立ち、「NAAはつごうが悪い時は沈黙する。許さない。徹底的に追及を!」と訴えた。
続いて弁護団全員が勝利感をたたえて法廷を振り返った。敵の早期打ち切り策動を打ち破り、この裁判闘争はNAAを窮地に追いつめている。
「市東さんの農地を守る会・福島」を代表して連帯の発言に立った動労福島・橋本光一委員長は、国鉄決戦勝利の決意を表した。
最後に司会の伊藤信晴さんが、6・26耕作権裁判(千葉地裁)と7・9現地闘争への結集を呼びかけ、全員が熱い拍手で応えた。
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三里塚裁判日程
◎団結街道裁判
6月9日(金)
午前10時30分 千葉地裁