土地取得は違法・無効 新やぐら裁判 3人退廷を弾劾

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週刊『前進』04頁(2847号03面04)(2017/05/29)


土地取得は違法・無効
 新やぐら裁判 3人退廷を弾劾

(写真 報告集会で発言する萩原富夫さん)


 5月22日、千葉地裁民事第2部(内田博久裁判長)で新やぐら裁判の弁論が開かれた。この裁判は、市東孝雄さんの天神峰の畑の一角に立つやぐら・立て看板などの四つの物件について、成田空港会社(NAA)が三里塚芝山連合空港反対同盟に対して撤去を求めて起こしたものである。
 この日は陪席裁判官の交代に伴う更新手続きとして弁護団が意見陳述を行い、NAAが市東さんの農地を「取得した」こと自体が、違法・無効であることをあらためて明らかにした。
 NAAの前身である空港公団は、1988年に市東家の耕作地を地主から買収したと言うが、具体的転用計画もなく、小作権者である市東東市さん(孝雄さんの父・故人)の同意も得ずに行われた売買だった。明白な農地法違反であり、耕作権は確固として市東さんにある。
 また弁護団は、農地賃貸借契約解約が実質上の公用収用であること、成田空港の公共性の虚偽、離作補償などの重要な論点でNAAが釈明を拒否していることを弾劾した。裁判所はNAAに釈明を促す責任がある。ところが内田裁判長は、「原告は答えないと言っている。それを前提に被告は主張を全部出せ」と反対同盟側に求めてきた。傍聴席からは一斉に「裁判長はNAAの手先か!」との怒りの声が上がり法廷は騒然となった。この中で、反対同盟の萩原富夫さん、太郎良陽一さんら3人が暴力的に退廷させられた。許せない! 弁護団は強権的な訴訟指揮を強く弾劾した。
 裁判長はなおも「次回で被告の主張を出し切ってほしい」と求めてきたが、弁護団はこれをはねつけた。
 次回期日を7月24日として閉廷した。
 近くの会場で、伊藤信晴さんの司会で報告集会が開かれた。最初に萩原さんが退廷への怒りをかき立て、「内田裁判長は耕作権裁判も担当している。思い通りにはさせない。市東さんの農地を守ろう」と訴えた。
 続いて各弁護士が発言に立ち、国家権力の意を体し裁判の進行を速めようとする裁判長の言動・行動を鋭く批判した。弁護団事務局長の葉山岳夫弁護士は「このやぐら・看板問題の決着がつかないと、天神峰農地の強制執行ができない関係をつくり出している」と述べ、拙速裁判を阻止して闘う決意を明らかにした。
 動労千葉が連帯発言で、館山の地において内房線切り捨て・地域破壊の攻撃に対する住民の闘いが進んでいることを報告した。
 最後に伊藤さんが、前日の「天神峰カフェ」などの報告と、5月25日の請求異議裁判、署名提出行動への参加を訴えた。
 強制執行反対の署名は現在6千筆を超えて、全国から集まっている。この日も集会終了後、反対同盟と支援連は千葉市の繁華街で声をからして署名を訴えた。

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三里塚裁判日程
◎団結街道裁判
 6月9日(金)
 午前10時30分 千葉地裁

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