本格的な分社化に踏み込むJR 6・11国鉄集会で反撃しよう

週刊『前進』04頁(2845号02面01)(2017/05/22)


本格的な分社化に踏み込むJR
 6・11国鉄集会で反撃しよう


 国鉄闘争全国運動が呼びかける6・11全国集会への大結集を実現しよう。
 この集会には韓国鉄道労組ソウル地方本部の仲間が参加する。6・11集会は、日韓労働者の国際連帯で、トランプや安倍がたくらむ朝鮮半島での戦争を阻止する闘いだ。そして、戦争遂行のための共謀罪と改憲攻撃を粉砕する闘いだ。
 安倍政権は「働き方改革」を叫んで、8時間労働制をはじめとする労働法制を解体し、社会を丸ごと民営化して労働者を総非正規職にする攻撃を強めている。その先頭に立っているのが、鉄道業務の全面的な分社化とローカル線の廃止に着手したJR資本だ。6・11集会は、JRによる第2の分割・民営化攻撃を打ち砕く闘いだ。
 そして、戦後最大の労働組合破壊攻撃だった国鉄分割・民営化を許さず、国鉄1047名解雇撤回・JR復帰を軸に階級的労働運動の復権をかちとる闘いだ。動労総連合青年部を建設して総連合をさらに拡大し、JR総連カクマルを打倒することが、その鍵をなす。
 6・11集会を大成功させ、都業務の丸ごと民営化を狙う小池都知事と全面対決する都議選決戦の勝利へ進もう。
 JR各社が発表した16年度決算は、国鉄分割・民営化の破産をあらためて突き出した。

「多能工化」叫び

 JR北海道が過去最大の赤字に陥る一方、JR東日本とJR東海は過去最大の収益を上げ、株主配当の増加を決めた。昨年10月に株式上場を強行したJR九州も、上場に伴う経営安定基金の取り崩しなどの会計操作で、過去最高の収益をひねり出した。
 国鉄分割・民営化で鉄道は金もうけの道具とされた。もうけた金はすべて株主=金融資本と経営陣の手中に入る。もうからなくても住民の生活にとって必要な鉄道を維持するためには一円も使われない。民営化の結果は地方の破壊だ。
 JR東日本の「過去最大の収益」も、外注会社の労働者を生活もままならない低賃金で酷使することによって生み出されたものだ。
 JR東日本は、株主や投資家を相手に開いた決算説明会で、鉄道業務の全面的な分社化に踏み込むことを表明した。これまでは関連事業に位置づけられていた清掃やビルメンテナンスを、運輸(鉄道本体)業務に区分し直し、東日本環境アクセスなどの外注会社を、鉄道業務の主力を担う存在のひとつに押し上げるというのだ。これは運転士や車掌を含む鉄道業務の全面的な分社化への布石だ。
 JRはまた「業務の効率性・生産性の向上」のため、「清掃回数・作業時分の見直し、多能工化」を推進するという。
 動労総連合が検修部門の外注化とそれに伴う強制出向を阻止するために起こした裁判で、JR東日本の運輸車両部担当部長・池田裕彦は「グループ会社のプロパー(直雇い)社員に清掃も検修も構内業務も行わせれば、1人あたりの労働密度が上がりコストダウンになる」と言い放った。JRは、この方策に本格的に乗り出してきたのだ。
 安倍政権の「働き方改革」のもとで、分社化・転籍は資本が延命するための基本手段として、あらためて位置づけ直されている。

東芝も転籍攻撃

 アメリカでの原発事業に失敗し1兆円を超える損失を出した東芝は、主要事業をすべて分社化し、約1千人を削減した上、約2万人を転籍させる方針を打ち出した。赤字を口実に労働条件の徹底した切り下げが狙われている。債務超過に陥った本体から主要事業を分社化で切り離すというやり方も、国鉄赤字の大半を国鉄清算事業団に背負わせ、「新会社」としてJRを発足させた国鉄分割・民営化の手法とまったく同じだ。
 JRの第2の分割・民営化攻撃を打ち砕いてこそ、分社化・転籍攻撃の全社会への拡大を阻止できる。6・11国鉄集会に大結集し、民営化粉砕のゼネスト実現の展望を押し開こう。
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