団結ひろば 投稿コーナー

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週刊『前進』04頁(2839号04面04)(2017/04/24)


団結ひろば 投稿コーナー

最高裁判決異議あり新リーフ活用しよう
 三里塚現闘 神部俊夫

 3月26日の三里塚全国集会での呼びかけから半月、請求異議裁判勝利への署名が全国各地から届き始めている。
 三里塚現地でも4月15日の周辺一斉行動で本格的に署名活動を開始した。手にはできたての三里塚反対同盟のカラーリーフレット。今回、この作成に加わった。
 だいたい「請求異議って何だ?」「最高裁で判決が出たのに、まだ裁判で闘えるのか」など、わかっているつもりでもいざ説明しようと思うとむずかしい。論議をしながら作成して、いいリーフに仕上がった。
 ただ集めるだけではなく、署名を通して農地強奪の問題を話し込み、反対同盟の闘いを訴え、決戦本部に来てもらってスクラムを組む人を増やせる署名にしたい、そういう思いを込めた。
 米日帝国主義による朝鮮侵略戦争が超切迫している。トランプがシリア攻撃を強行し、安倍は共謀罪制定に踏み込んできた。一斉行動では、戦争への危機感があちこちで出た。「あんたら、なんとか安倍を倒せないのか」----怒りを共有するだけでなく、最高裁で判決が出てなお、敢然と闘う市東孝雄さんと反対同盟への期待は大きい。
 裁判がどうあれ、市東さんも反対同盟も「来るなら来い」と体を張って闘う腹を固めている。でも「最高裁判決に異議あり」の反撃ができるなら、とことんやろう。市東さんとの団結にかけて署名を集めよう。成田空港会社を追いつめ、反戦の砦(とりで)・三里塚で勝利して、安倍政権の戦争政治を粉砕しよう。

低賃金で職場去る人と残る人、思いは一つ
 関東 本荘恵一

 昨夜来降り続いた桜雨もやみ、午後には雲が切れ始めた。紙を扱う仕事なので気分はよい。印刷会社の駐車場兼出庫口で納品の荷を車に積み、伝票を事務所に取りに行って戻ったわずかな時間に車と車、建物の間が人で埋まっていた。集ったのは経営関係者以外の従業員。駐車場に面した道路に立つ女性に向い、車があるため放射線状に整列しているように見える。
 彼女は2月に職場を辞めた。突然だったので挨拶(あいさつ)もできなかった。聞き伝えでは「時給が安いから」という。さらに続けて2人辞めた。1人は猛烈なパワーハラスメントを受けた。誰もが最低賃金すれすれの時給に苦しみ、怒り、辞めるきっかけを待っている。
 手続きで職場を訪れ誰かと挨拶をしたところに、皆が集まってきたらしい。立ったままでの送別会が始まった。
 めいめいが挨拶し、彼女が返礼する。最前列の女性が「もう胸がいっぱいだよ」と下がり、後ろの人が入れ替わり言葉をかける。私は近くに寄れないと思い、「元気そうだね。暗い顔で来るかと思ったら明るくて良かった」と大声で言った。こちらを向いた彼女に晴れ間からの光が降り注ぎ、笑顔が輝いた。皆、別れを惜しみ引き留める。「またいつでも来なよ」。同じ言葉が合唱のように繰り返された。
 同志とともに闘う年月、刺激的な感動や心を揺さぶる経験はいくつかあったけれど、さざ波のように胸をつく今日の感動は生涯忘れない。唇をかんで職場を去った人の思いと、踏みとどまっている者の思いは一つになれるし団結の種がある。「今日には間に合わなかったけれど、明日は必ずこの種を力に変えよう」と、春爛漫(らんまん)の街に車を走らせた。

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