治安維持法の再来=共謀罪粉砕を 5・19大集会に集まろう

週刊『前進』04頁(2839号03面01)(2017/04/24)


治安維持法の再来=共謀罪粉砕を
 5・19大集会に集まろう

 5月19日、東京・霞が関の弁護士会館で「戦争と共謀罪に反対する大集会」が開催されます。主催3団体(憲法と人権の日弁連をめざす会/裁判員制度はいらない!大運動/現代の治安維持法と闘う会)からのアピールを紹介します。 (編集局)

●権力者の腐敗打ち破れ
 5・19集会講師の荻野富士夫・小樽商科大学教授は述べています。
 「『蟹工船』の小林多喜二は、『み国のための戦争に国民の総力を』という〝からくり〟を暴いた」
 安倍内閣の閣僚による人びとをなめきった発言が相次いでいます。
 安倍首相「妻の行動は私人としてだ」をはじめ森友学園のゴマカシ発言は無数。
 稲田防衛相「『戦闘』と言うと憲法9条に関係するので『衝突』という」
 今村復興相「自主避難者は自己責任。裁判でもなんでもやればいい」
 山本地方創生相「一番がんなのは学芸員。観光マインドがまったくない」
 権力者の傲慢(ごうまん)・腐敗・ゴマカシを、怒りの行動で打ち破りましょう!
●参戦に踏み切った安倍
 去る2月10日のトランプ・安倍共同声明が、現在急ピッチで展開される朝鮮戦争の出発点でした。「核兵器の使用」を明言した上で「米国は地域におけるプレゼンスを強化し、日本は同盟におけるより大きな役割および責任を果たす」と、東アジアにおける歴史を画する軍事同盟強化を宣言しました。
 そして、3月16日のティラーソン米国務長官と安倍首相との会談が決定的でした。軍事的手段を含めた「あらゆる選択肢がテーブルの上にある」と言明する米国務長官に、安倍首相は同意したのです。
 「軍事的手段」の内容は伏せられましたが、一部マスコミでは「北に対する限定爆撃」「キムジョンウン(金正恩)の斬首作戦」などと報じられました。いま私たちの眼前で進む朝鮮戦争の具体的内容と、日本の参戦がここで決定されたと見られます。
 事実、4月7日のシリアへのミサイル攻撃直後に安倍首相は記者への発言で、わざわざ「東アジアでも」として「トランプ大統領の強いコミットメントを日本は高く評価する」と言明しているのです。ほとんどのマスコミが「米国政府の決意を支持する」という文言だけを伝え、「軍事行動は支持していない」と強調したのはミスリードです。
 そして、シンガポールから北上する原子力空母カール・ビンソンに、自衛隊艦船がバシー海峡の北から九州西海上まで伴走し、他方、首相や官房長官は「韓国に在留する日本人の保護・輸送に自衛隊活用」などと言い放っています。
 これら一連の戦争政治を、私たちは絶対に認めません。この戦争の狙いは、何よりも大統領罷免(ひめん)を実現し根本的社会変革に突き進む韓国人民の闘いをつぶすことにあると考えます。国境を越えた人びとの連帯にかけて、私たちは戦争を阻みます。
●関係ない人などいない
 4月14日から「共謀罪」が衆院法務委員会で審議入りしています。
 安倍内閣は「一般人が適用されることはない」と繰り返していた舌の根も乾かないうちに、「団体の性格が一変すれば適用される」と言い切っています。その「一変」を判断するのは公安警察です。「計画」段階で逮捕・捜索差し押さえができるのですから、盗聴・尾行・密告者など戦前の「特高」同様に、公安警察が横行します。
 とりわけ、その矛先は当然、団体で行動する労働運動や市民運動に向けられています。
 逮捕監禁、強要、信用毀損・威力業務妨害、恐喝、詐欺、建造物損壊、偽証、著作権侵害などの罪名を見てください。原発公害企業を批判するビラ、労働組合の団体交渉・ストライキ、経営者に対する謝罪要求、そして偽証容疑で、弁護団会議も対象になります。
 「『私には関係ない』ということはありえない」(内田博文教授)----この超悪法を、朝鮮戦争への参戦に踏み切った安倍政権がごり押ししていることが重大です。
●裁判員制度も廃止へ
 40・3→38・3→33・5→30・7→28・5→26・7→24・5→23・7。
 なんの数字か、想像できますか? 最高裁が発表した裁判員候補者出頭率(%)の、制度開始(09年)から昨年までの推移です。
 候補者に選定された国民のうち選任手続きの当日に実際に出頭した人の割合は、制度開始直後の4割から毎年低下し続け昨年とうとう2割余りに下がりました。そして、今年1月の出頭率は20・9%です。私たちの運動は、制度を崩壊寸前にまで追い込んでいます。戦争絶対反対・共謀罪成立阻止・裁判員制度廃止へ団結し勝利しましょう。

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戦争と共謀罪に反対する大集会
 5月19日(金)午後6時30分
 弁護士会館2階講堂クレオ(東京・霞が関 日比谷公園霞門向かい)
■講演 荻野富士夫さん(小樽商科大学教授)
  「共謀罪―治安維持法多喜二の時代から見えてくるもの」
■基調発言 高山俊吉弁護士
 「戦争への治安司法を打ち砕け」
■報告 朝鮮戦争最前線の島・沖縄
 主催 憲法と人権の日弁連をめざす会
    裁判員制度はいらない!大運動
    現代の治安維持法と闘う会

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