第10回全国機関紙担当者会議の報告 機関紙拡大闘争を軸に据え1千万人と結合する挑戦を 前進経営局
第10回全国機関紙担当者会議の報告
機関紙拡大闘争を軸に据え1千万人と結合する挑戦を
前進経営局
4月、第10回全国機関紙担当者会議が開かれた。会議は、半年間の機関紙闘争を集約し、機関紙を軸に1千万労働者階級と結合する新たな闘いに打って出ることを確認した。朝鮮侵略戦争が急切迫する情勢下での都議選決戦は、労働者階級の政党をつくり出す歴史的な挑戦だ。機関紙を武器に拠点を建設し、戦争を阻み革命を切り開く決戦に立とう。
爆発的増勢へ向けての扉を開いた16年後半戦
2016年は冒頭から、『前進』の週2回発行化と新印刷工場の建設を闘いとり、参院選に打って出た。後期は、朝鮮戦争の切迫と韓国革命・世界革命の波の中で、動労総連合建設と1千万労働者人民との結合を目指して宣伝紙が積極的に活用された。拠点職場・産別を機関紙で組織する活動が基本になった。機関紙活動が活性化し、地区党の正面課題になった。
この過程は、国家権力中枢による数波の弾圧が仕掛けられ、これとの闘いをはじめ体制内勢力との党派闘争・党内闘争を通して党は一層鍛えられた。機関紙は一直線に増加したのではない。増部もあり減部もあった。弾圧に怒って決起した労働者が粘り強い討論を通して機関紙担当者の責任を引き受けるなど、各地区での必死の努力で全体としての増部を実現した。
機関紙担当者会議では、天田三紀夫書記長の基調報告を柱に、経営局から読者の拡大と機関紙財政、書店拡大への提起が行われた。編集局は「労働者同志の訴えには宝がある。宝をみがき、読みたいと思ってもらえる紙面、力になる紙面づくりを行う」と決意を語り、字を大きくする準備をしていると表明した。
週2回発行は党活動と機関紙活動の大変革を促した。「党活動の6割は配布に割かれる」ようになった。地区で機関紙担当者会議を開催し、この課題に立ち向かった地区党は確実に前進した。9部拡大した、あるいは月に1部拡大した組織は、毎月または2カ月に1回の担当者会議を粘り強く行っている。
国家権力の弾圧が繰り返されたが、日本共産党のような「弾圧は暗黒」というとらえ方はまったく間違っている。むしろ弾圧を受けると「この人は信用できる」となる。弾圧を逆バネに機関紙を伸ばすことができる。
最大の課題は、動労総連合建設・拠点建設と宣伝紙の活用である。いかに大変でもこれに勝ち抜かなければならない。すべての組織が挑戦し、重要な突破口がこじ開けられつつある。これを拒否した解党派は地区党の革命で打倒された。
次の課題は1千万人と結合することである。雲をつかむようなテーマに見えるが、星野闘争で突破口が見え始めてきた。『前進』こそ最良の武器である。そのためにも、良い紙面をつくり、活用しぬくことである。
革命情勢が問う課題を天田書記長が全面提起
機関紙担当者会議で天田書記長は以下のように基調を提起した。
2011年3・11大震災―福島第一原発事故後の2012年9月に第1回機関紙担当者会議を開催して以来、この会議は10回を数えるに至った。2016年後期の機関紙拡大闘争は、1千万労働者人民と結びつく新たな段階に突入した。
これを可能にしたのは、韓国での民主労総80万人を軸とする決起であり、日本では現代のナチス・カクマルと徹底的に闘い、これに軍事的・政治的に勝利したことである。爆発的な増勢にはならなかったが、全国の仲間の頑張りで2期連続の増勢を実現し、重要な前進をかちとった。徹底した総括討論を行い、教訓を導き出したい。
第一に、全国の同志が絶対反対論と階級的団結論で闘った。ゼネストを実現し革命を切り開こうと、労働組合に拠点を打ち立てる闘いに決起した。体制内労働運動とはまったく違う新しい労働運動をつくり出す実践であった。動労総連合の同志はその先頭で闘った。
第二は、「朝鮮戦争絶対反対、始まる前に戦争を止めよう」の闘いを開始した。ゼネストに向けて労働組合に拠点を打ち立てる闘い、日韓GSOMIA(軍事情報包括保護協定)や韓国へのサード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備、3〜4月の米韓軍事演習に対して全力で闘った。沖縄では3月19日、国際連帯・共同行動沖縄が結成された。全島ゼネストを実現し革命を切り開く、「オール沖縄」をのりこえる本格的な闘いが始まった。この立場に立たないと、今起きていることの激しさ、厳しさは理解できない。押せ押せだけではいかない。革命に向けての根本的・本質的な闘いが問われる。
第三に、国鉄決戦を基軸に闘った。JR北海道問題の爆発や館山などの地方の切り捨てを含め、国鉄分割・民営化は30年を経て大破産した。カクマルは崩壊的な危機にある。カクマルが白色テロルで組合を支配する時代は終わった。労働組合の現場で勝敗を決する情勢が来た。労働運動の現場で不屈に貫かれているすばらしい闘いの意義をはっきりさせていく。
第四は、京大をはじめ全学連への激しい弾圧、埼玉「白タク」弾圧、障害者作業所弾圧などの大弾圧を、完全黙秘・非転向の闘いで粉砕した。この闘いを通して、全学連運動がひとつの政治勢力として登場した。
「3重の変革」へ大挑戦を始める
階級闘争の大地が動き出した。労働者階級の怒りの決起が開始されていることを肌で感じて機関紙闘争を闘った。労働組合が解体され、分断・団結破壊が進み、労働者は非正規職に突き落とされて生きることも結婚することもできない現実を強いられている。この労働者が「生きさせろ」の叫びを上げて決起する時代が来た。労働者階級人民の怒りは満ち満ち、根本的な決起を求めている。
星野闘争が大きな伝幡(でんぱ)力となって全国を席巻している。われわれは2010年代中期階級決戦の高揚を感じて闘った。JRの第2の分割・民営化攻撃に対する決戦が開始された。
この情勢の中で1千万人と結合するために「3重の変革」を提起した。
「3重の変革」とは、時代認識を確立し、世界革命を引き寄せる路線である。現今の階級闘争が求めている路線的飛躍性を見据え、労働者階級の置かれている現実の中に絶望ではなく未来の希望を見る。だからこそ党と労働組合を一体的に建設する。これが第一の飛躍である。
第二に、国鉄決戦を前提としないことだ。第2の分割・民営化攻撃と対決する国鉄決戦に展望を見る。動労総連合青年部の結成は歴史的な闘いだ。さらに東京交通労組における闘いを突破口に全産別で党を建設する。
第三に、1千万労働者階級との結合を常に自覚して闘う。メーデーのビラまきもそのためにやる。いろんな党派、いろんな人がいるが、強調したいのは、プロレタリア革命は普通の労働者がやるということだ。われわれの隣で仕事をしている人、隣に住んでいる人が革命の主体であるととらえ、ともに革命に決起することが求められる。
「労働の奪還論」を確立した地平
路線的には「労働の奪還論」を基軸に据えて機関紙活動に挑戦した。「労働の奪還論」の確立は、「疎外された労働論」からの発展であり新たな挑戦だ。革共同は「疎外された労働論」をもって60〜70年代、自らをつくって来た。これを発展させた「労働の奪還論」は、被曝労働拒否闘争をはじめとする階級的労働運動の実践の中で、労働者の存在と再生産過程を労働過程として統一的にとらえ、革命の主体としてのプロレタリアートの歴史的位置を鮮明にさせた。それは、一言で言えばプロレタリア革命論そのものだ。
機関紙が地区党の正面課題に
第1回全国機関紙担当者会議以来、機関紙の完読運動が展開され、配布・集金活動や編集局への投稿が、労働者指導部の決起として貫徹されてきた。機関紙担当者が労働者の指導部によって形成されている。
東北大学の闘いが典型的だが、『前進』で情勢をつくる実践が行われた。3243人非正規職の雇い止めに対して、『前進』で勝負する。全国でそういう闘いが始まっている。機関紙活動が地区党の総括軸に据えられたことによって、これが可能になった。
本格的な職場細胞建設の闘いが開始された。現状は大半が合同支部だ。職場で3人、5人と組織し、職場細胞を建設する。合同支部を職場細胞、工場細胞に転換する課題に挑戦する。
そして、1千万労働者人民との結合をなんとしても実現する。労働者階級の一人ひとりの中には、党に結集する人、党には結集しないが全面的に協力する人などがいる。ぜひともこの人には『前進』を読ませたいという人、何が何でも党に結集させたいという人がいる。1千万労働者階級の政党を建設するのは並大抵のことではないが、これをなんとしても実現しようというのが、闘う者の合言葉になった。
都労連をめぐる情勢を考えても、闘う労働者の政党をつくる以外に打開できない。機関紙活動が新段階に入っていることが、ここからも言える。
印刷局の闘いが革共同の闘いをぐいぐいと牽引(けんいん)している。
2016年後期の機関紙闘争は、機関紙読者が爆発的に拡大する発展期の扉を開いた。
マルクス主義での武装を基礎に
マルクス主義での武装がやはり重要だ。これが基礎中の基礎をなす。マルクス主義の基本文献をまず1冊読む。『共産党宣言』や『国家と革命』など、まず1冊をしっかり身につける。現代革命ライブラリーを発行し、『国際労働運動』にマルクス主義学習シリーズを連載する。われわれがぶつかっている壁を突破し、1千万人との結合をかちとる実践的立場で、マルクス主義の学習を猛然と推し進めたい。
都議選を全力で闘って拠点と職場細胞建設へ
この提起を受けて、活発な討論が交わされた。「早稲田大学の入学式に登場して新入生と合流した」という学生戦線を先頭に、途切れることなく発言が続いた。成功より失敗の方が多い苦闘の連続であったが、それを共有しバネにしようと、熱の入った討論になった。
『前進』新年号を武器に解党派と闘って新生地区党を建設し、地区委員会の団結で新たな同志を獲得した経験、地区での機関紙担当者会議の開催が増部に結びついたこと、自分が党員であることを職場で公然と表明し、それが仲間の信頼をかちえて労働組合の結成に至ったこと、『前進』を決戦的な闘争の組織化の武器として活用しぬいたことなど、重要な経験と教訓が語られた。
これらの発言を受け、天田書記長が次のように討論をまとめた。
小池と対決する労働者の政党を
一つ目に、これから半年間、何が起こるかわからない。機関紙闘争を軸に据えないと情勢に押し流されてしまう。全地区党が担当者会議を毎月行い、この半年間を戦闘的・攻撃的に闘いぬき、情勢に対応できるような組織に変わらなければいけない。若い世代が決起する時代に突入した。だから、機関紙で組織することを徹底的にやる。
二つ目に、拠点建設にこだわり闘う。合同労組をはじめ全産別で拠点を建設する。国鉄労働運動の現状を見れば、これからの半年、労働者階級が組合を求め、拠点を求め、闘いを求めて動き始めることは明らかだ。それに見合うような闘いを開始する。
三つ目に、1千万人との結合を自覚的・目的意識的に行う。一生懸命頑張っている読者に、党の側の条件で会えなくなり切り離してしまうようなことは、何としても改める。そうしないと、日本共産党を超えることはできない。
70年代〜80年代に、党を一生懸命支えてくれた膨大な人びとがいる。党に結集する人、党に限りなく信頼を置いている人、『前進』を活用するんだったら協力するという人、こういう人びとにもっと近づいていくことが重要だ。
四つ目に、都議選決戦に向けて全政党が動き出しているが、今回の都議選は1989年の消費税導入時以来の歴史的な決戦だ。ここで勝って労働者党になっていく。日本共産党も含む全党派が小池の「都民ファースト」に屈服しているが、杉並にはわれわれがいる。5~6月を全力で闘う。
これらを確認し、機関紙担当者会議は圧倒的に成功した。