共謀罪絶対阻止を 朝鮮戦争のための弾圧法 労働組合先頭に立ち上がろう
共謀罪絶対阻止を
朝鮮戦争のための弾圧法
労働組合先頭に立ち上がろう
米トランプ政権がシリア爆撃を強行し、朝鮮侵略戦争が切迫している。安倍政権は4月6日、衆院本会議で共謀罪法案(組織犯罪処罰法改正案)の審議に入った。朝鮮戦争参戦と改憲のための治安弾圧・団結破壊を狙った攻撃である。4〜6月の総決起で絶対に成立を阻止しよう。
五輪を口実に成立狙う安倍
共謀罪法案は3度にわたり労働者人民の闘いで廃案に追い込まれてきた。安倍は、その反動的な本質を隠そうと「オリンピックのためのテロ対策」を振りかざし、6月18日会期末の今国会で成立させようとしている。
米日帝の朝鮮侵略戦争が切迫しているからだ。米韓軍は3月1日以来、北朝鮮キムジョンウン(金正恩)政権を転覆する戦争を想定し史上最大規模の軍事演習を行っている。4月7日に米国が行ったシリアへの巡航ミサイルによる攻撃は「宣戦布告」なき戦争突入であり、朝鮮戦争の発動に向けたものだ。安倍は直ちに支持を表明し、朝鮮戦争参戦への日帝の意志を示した。
民主労総を先頭とする韓国の労働者民衆はパククネを罷免させ逮捕させた。さらに、米軍の高高度迎撃ミサイルシステム(サード)の搬入に反対し、戦争発動に立ち向かっている。米日支配階級は戦争で韓国革命を圧殺しようとしている。辺野古新基地建設で海上工事を着工したのも朝鮮戦争に向けた攻撃だ。この中で、安倍は森友疑獄などでボロボロになりながらも、共謀罪で危機を突破しようとしている。
治安維持法と同じ思想弾圧
共謀罪の狙いは、朝鮮戦争・改憲に反対する闘いを圧殺し、戦争体制を構築することである。階級的労働組合と革命党が最大のターゲットだ。
刑法学者の内田博文氏(神戸学院大学教授)が指摘しているように、共謀罪と戦前の治安維持法は侵略戦争遂行のための共謀罪であるという点で類似している。(本紙2834号2面参照)
治安維持法は1925年に制定され、戦争拡大とともに改悪が重ねられた。28年の改悪で死刑・無期懲役が導入され、国を内外から転覆させる思想を処罰するという位置づけが与えられ、目的遂行罪が新設された。一切の協力者、関係者が対象となり、出版物やビラの所有だけで処罰された。話し合いや勉強会、サークル活動など人が集まることすべてがターゲットとされた。
政府が言う「組織的犯罪集団である団体に限る」とか「準備」などの要件は「絞り」にはならない。共謀には「業務を妨害した」「強要した」などの「結果」は必要なく、取締官や捜査官が判断する。人びとの連帯、つながりそのものを処罰し、「話し合い」「準備」など日常行為が取り締まりの対象となる。13年成立の特定秘密保護法、16年成立の盗聴・司法取引の拡大をはじめとする新捜査手法導入(刑事訴訟法・盗聴法など司法大改悪)とも一体だ。
労働組合や大衆団体、革命党などあらゆる自主的な組織が日常的に国家権力による監視・盗聴の対象とされる。
277の対象犯罪から特別公務員暴行陵虐罪など為政者・国家権力が対象となる犯罪はすべて除かれている。「着手する前に自首した者は、その刑を軽減し、又は免除する」という自首減免規定は、デッチあげに加担するスパイ行為の奨励だ。
完黙・非転向と団結拡大こそ
だが、共謀罪を先取りする国家権力の弾圧はすべて打ち破られている。反原発運動をつぶすための埼玉での「白タク営業」デッチあげ、障害者作業所と労組をつぶすための横浜での「詐欺」デッチあげ、大学で反戦ストライキを闘う全学連への「公務執行妨害」デッチあげなどは、人びとの怒りの火に油を注ぎ、闘いが前進している。
完全黙秘・非転向の闘いと団結の拡大で弾圧は必ず打ち破れる! 危機を深める安倍政権もろとも共謀罪は粉砕できる。労働組合を先頭に職場から立ち上がり、共謀罪成立を絶対に阻もう。
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組織犯罪処罰法に「共謀罪」
第六条の二
次の各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団(略)の団体の活動として、当該行為を実行するための組織により行われるものの遂行を二人以上で計画した者は、その計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に定める刑に処する。(以下略)
2 前項各号に掲げる罪に当たる行為で、テロリズム集団その他の組織的犯罪集団に不正権益を得させ、又はテロリズム集団その他の組織的犯罪集団の不正権益を維持し、若(も)しくは拡大する目的で行われるものの遂行を二人以上で計画した者も、(以下略)