大学から朝鮮戦争阻止を 4・28法大包囲デモへ 田中優子総長体制を倒そう
週刊『前進』04頁(2837号03面01)(2017/04/17)
大学から朝鮮戦争阻止を
4・28法大包囲デモへ
田中優子総長体制を倒そう
(写真 法大正門前で4・28デモ参加を訴える斎藤郁真全学連委員長【4月12日 千代田区】)
朝鮮戦争が切迫する重大情勢の中、闘う米韓の労働者・学生と連帯し、日本の地から「戦争絶対反対!」の行動に立ち上がることが決定的だ。「法大闘争11年」は一貫して、日本帝国主義の戦争・改憲攻撃との激突でもあった。4・28沖縄デーに、法政大学を包囲するデモに立とう。
団結で勝ちぬいた11年間
2006年3月14日、法大当局が「ビラまきなど表現活動の検閲(事実上の禁圧)」を強行しようとしたことに対し、法大生5人を含む29人の学生が抗議行動に立った。キャンパスからデモに出発し、デモを終えて学内に帰ってきたところ、「建造物侵入」「威力業務妨害」として200人の公安警察が襲いかかり、全員を逮捕。学内外から抗議の声が殺到し、29人全員が12日間で不起訴釈放をかちとったにもかかわらず、文学部生3人に「退学処分」、法学部生2人に「無期停学処分」が下された。この処分撤回を求めて始まったのが「法大闘争」だ。当時の法大総務部長が後の法大裁判で述べたとおり、この弾圧は「警察と数カ月の打ち合わせを重ね……大学の意志を示すために行った」ものであり、法大当局―国家権力が一体となった国策級の学生運動弾圧だった。
当時の小泉政権―第一次安倍政権のもと、アフガニスタン・イラク侵略戦争への自衛隊参戦や教育基本法改悪が進められていた。キャンパスでも戦争への態度が実践的に問われていた。反戦運動つぶしのための処分という狙いは明らかだった。
闘う法大生を先頭に全学連は一歩も引かず、「この処分と闘えないなら全学連運動は存在する意味はない」と、組織の総力をかけた闘いを決断した。多くの法大生もそれぞれの立場から闘いを開始する。
法大当局は公安警察に全面的に協力して逮捕・処分を乱発。「危険団体」のデマキャンペーンに必死になり、闘いの圧殺にすべてをかけ、同時に学生の権利を徹底的に破壊してきた。その激突の中で08年、サークル自治組織の一つであった「法大文化連盟」が決起。「一人の仲間も見捨てない。これ以上の大学の暴挙を許さない」と訴え闘いに立ち上がった。「左派リベラル」教授が無視、あるいは弾圧に加担する中、学生の団結と可能性に依拠して闘われてきたのが法大闘争だ。
法大闘争は、延べ126人が逮捕、34人が起訴、13人が退学・無期停学などの重処分を受けながらも不屈に闘われ、その地平・教訓の上に全国大学に強力な学生活動家を生み出してきた。15年10月27日の京大反戦バリケードストライキは、この歴史の上に実現した。
学生の貧困生み出す大学
法大闘争の中に今の社会が凝縮されている。法大・田中優子総長は4月7日付東京新聞で原発事故後の差別問題に触れ「人権侵害の当事者や、当事者の声に耳を傾けようとする人の存在が、現代のような排除の時代には不可欠」と述べた。警察権力と癒着しキャンパスでの一切の政治活動を圧殺する「人権侵害」と「排除」の総責任者の言うことか! また、昨年の卒業式では軽井沢バス事故に触れ〝値段が安いものには理由がある。物やシステムを価格ではなく質で見よ〟と述べた。学費は上がり続け、私立大で初年度納入金が130万円を超える。奨学金は事業民営化で金融ビジネスとなり、多くの学生を苦しめている。しかし、当事者の学生から声が上がらないのはなぜか? 学生が値段の安い夜行バスを使うのはなぜか? その学生の姿は田中優子には見えないし聞こえない。「学生の貧困」を生み出す張本人が田中優子であり法大当局だからだ。田中優子が誇る「法政大学憲章」とは「自由を生き抜く実践知」だが、「学生を処分する自由」「当局に不都合な団体を排除する自由」をふりかざす法大当局により、どれほどの学生が「自由」を実践できなくなったか! 田中優子の「自由」は結局、資本主義の「弱肉強食の原理」の肯定にすぎない!
労働者と共に革命やろう
学生にとって、最も身近なブラック企業は大学だ。04年の国立大法人化以降、大学の運営費交付金削減で多くの大学人が貧困にたたき込まれた。任期付き(非正規)教員は激増した。大学職員へのコストカット策動は、東北大の非正規職員3243人解雇問題や北海道大の教授換算205人分の人件費削減問題で社会的に明らかとなった。教授会権限の弱体化で、教職員への圧迫も学生同様に強化されている。学問をビジネスとして扱う大学が行き着いた腐敗こそ、70年ぶりの「大学の軍事研究」だ。学生の花見すら禁止する法大の現状と、大学の退廃はつながっている。切迫する朝鮮戦争と自衛隊参戦の危機に声を上げるどころか学生運動弾圧に奔走する大学当局に教育を語る資格はない。
人類の努力が継承・発展を繰り返して得られた学問の地平は、本質的に労働者民衆のものだ。それは支配階級の利益のため、戦争の道具として民衆同士を国境で分断して殺し合わせるためのものでは断じてない。法大闘争勝利は、労働者による革命と一体の課題だ。マル学同法大支部は、全国大学の仲間たち、労働者民衆とともに必ず勝利する。ともに闘おう!
4・28沖縄デー闘争に集まり、法大から戦争絶対反対の声を上げよう!
〔マル学同中核派・法大支部〕