公立潰し・民営化やめろ 次々暴かれる急増保育所の不正
週刊『前進』04頁(2837号02面02)(2017/04/17)
公立潰し・民営化やめろ
次々暴かれる急増保育所の不正
安倍政権と小池都政が「待機児解消」の大宣伝で保育所設置・保育士配置基準を破壊し、公立保育所の廃止と民営化・非正規職化をどんどん進めようとしている。その結果、急増する民間保育施設で不正・不法行為が次々と明るみに出ている。民営化は労働組合破壊であり、朝鮮戦争・共謀罪攻撃と一体である。絶対に粉砕しよう。
認可得るため偽装工作まで
兵庫県姫路市の認定こども園「わんずまざー保育園」では定員46人のところに最大80人を押し込み、幼児のおかずはスプーン1杯、0歳児10人を保育士1人で見させ「裏の雇用契約書」までつくってただ働きを強いてきた実態が暴かれ、認定取り消しとなった。(本紙2834号で報道)昨年4月、東京都品川区の区有地に、品川区初の公設民営ひろまち保育園が開園した。社会福祉法人「夢工房」は、常勤看護師がいないまま給与分を含む運営費を受給していたことが明らかになり、1年で契約解除となった。夢工房は理事長親族の給料などを不正受給していたことも発覚した。(同2781号)
そして、ここ1~2年で事業を急拡大して業界4位となり100近い事業所を運営する社会福祉法人どろんこ会(東京都渋谷区)が、昨年4月に開設した西東京市の「武蔵野どろんこ保育園」で都の認可を得るために「偽装工作」を行っていたことが暴露された。薬品箱が設置されていない、2階廊下に転落防止の柵(さく)が取り付けられていないなど設備の不備の是正が求められたことに対し、備品をほかの施設から一時的に持ち込んで認可を得たのち、撤去していたことが分かった。都は3月、保育園への立ち入り調査を行った。さらに系列の保育所での保育事故の隠蔽(いんぺい)や「自己都合退職」の強要が繰り返されている。
「金がすべて」で保育を破壊
大阪市の認可保育所・高等森友学園保育園でも虐待や保育士数の水増しが暴かれ、「うちも似ています。賃金減額、補助金横領当たり前」という怒りの声が全国の保育施設で上がっている。「金がすべて」の新自由主義の結果だ。2015年4月から始まった子ども・子育て支援新制度と、「保育園落ちた、日本死ね」の叫びとして爆発した労働者の怒りを逆手に取った16年4月からの「待機児童解消緊急対策」による保育基準撤廃・民営化攻撃がもたらしたのであり、主犯は国と自治体当局だ。小池百合子都知事は戦略特区での規制撤廃・株式会社参入による「保育定員7万人増」をぶち上げ、各区で激突が始まっている。
国鉄闘争を先頭に労働者が団結してストライキで闘えば、戦争と民営化を止め社会を変えることができる。絶対反対で闘う労働組合をつくり職場と地域の労働者の団結で公的保育を取り戻そう。安倍・小池打倒の都議選決戦に立ち上がろう。