シリア・朝鮮戦争とめろ 労働組合の飛躍と団結で世界を変える国際連帯を
シリア・朝鮮戦争とめろ
労働組合の飛躍と団結で世界を変える国際連帯を
米トランプ政権は6日(シリア時間7日未明)、シリア政府軍の空軍基地に突然の軍事攻撃を行った。「化学兵器を使ったアサド政権への対抗措置」と称して、地中海に展開する駆逐艦から巡航ミサイル59発を撃ち込んだ。これはトランプ政権の対中東政策の転換を示す重大な戦争行為であると同時に、何よりも北朝鮮への先制攻撃と金正恩(キムジョンウン)政権転覆の全面戦争を狙う、トランプの凶暴な戦争意志を示すものである。安倍政権はこのトランプの「決意」を即座に支持すると表明した。絶対に許せない。世界戦争の放火者=トランプと安倍を徹底弾劾し、今すぐ打倒しよう。
違法・無法極まるシリア攻撃
トランプによるシリア軍への攻撃は、世界情勢を完全に一変させた。
今回トランプは、4日にシリア北西部で起きたとされる化学兵器を使った攻撃をアサド政権の犯行と断定し、その2日後という異常な早さで攻撃に踏み切った。しかもそれを国連安保理や米議会にも図らず、大統領権限だけで実行した。シリア軍が化学兵器を使ったという「証拠」も、武力行使に踏み切る国際法上の根拠も何ひとつ示さず、違法・無法極まる軍事行動を強行したのだ。
「フセインの大量破壊兵器保有」をデッチあげて開戦に踏み切った03年のイラク侵略戦争と同じ、いやそれよりもはるかにエスカレートしたやり方だ。アメリカ帝国主義の利害と延命のためならどんな理由でもデッチあげて戦争をやり、世界戦争を引き起こすことも辞さない----これがトランプの掲げる「アメリカ第一」の正体だ。
重大なことは、今回のシリア攻撃が中東にさらなる戦火を放つ許しがたい戦争行為であるばかりでなく、何よりも北朝鮮への先制攻撃を念頭に置いた朝鮮戦争策動として強行されたことである。トランプはすでに、中東に続いて朝鮮半島でも戦争を起こす意図をあらわにしている。シリア攻撃と同時刻に行われた中国・習近平との首脳会談の場でも、トランプは「中国が北朝鮮に有効な手立てを打てないなら、米国は単独で行動する」と突きつけた。
また同じ日、米国家安全保障会議(NSC)は北朝鮮への対抗措置として在韓米軍に核兵器を再配備する案をトランプに提出し、併せて北朝鮮の金正恩政権を転覆して別の体制に転換する新たな計画も提案した。米帝はすでに朝鮮戦争を「決断」している。
トランプは今回のシリア攻撃を「アサド政権が化学兵器で罪のない市民を殺した」ことへの対抗措置だとし、日帝・安倍は「米国政府の決意を支持する」「世界の平和のための強い関与を高く評価する」などと応じた。 だが、シリアで市民を虐殺してきたのはアサド政権やロシア軍だけでなく、米軍を主力とする有志連合も同じだ。先月にも米軍がイラク・シリアに行った3件の空爆で民間人300人近くが虐殺されたことが明らかになっている。しかもトランプ政権の国防長官マティスや大統領補佐官マクマスターは、アフガニスタン戦争、イラク戦争に指揮官として参戦し、劣化ウラン弾や白リン爆弾などの非人道的兵器を使用して人民を大量虐殺した張本人だ。何が「世界平和への関与」か!
戦争絶対反対で決起しよう
だがトランプは今、やることなすことすべてが破産している。米国内外では闘う労働組合を先頭に反トランプ闘争が激しく闘われ、政権支持率は急落、目玉政策として掲げた移民・難民の排斥もオバマケア改廃案も頓挫した。こうした中でトランプは、共和党内からも反発の強いロシアとの協調政策を転換すると同時に、戦争によって自らの支配力・求心力を再建しようと狙い、シリア攻撃に踏み切った。
破綻にあえぐ米日支配階級は、最後の延命策として朝鮮戦争を狙っている。それは韓国で始まった革命が日本やアメリカに波及するのを恐れ、それを圧殺するための戦争だ。安倍政権が急ピッチで進める「敵基地攻撃能力」の保有や自衛隊訓練の激化などは、すべて朝鮮戦争への参戦を想定したものである。「現代の治安維持法」=新共謀罪の導入が今国会で狙われているのもそのためだ。
民主労総のゼネストを中心とする韓国労働者階級の闘いは、パククネを打倒し、「新しい社会をつくろう」とさらに闘いを継続している。この闘いと固く連帯し、今こそ日本の労働者・労働組合が戦争絶対反対で立ち上がる時だ。日韓そして全世界の労働者の団結した闘いで、朝鮮戦争を狙うトランプと安倍を今すぐ打倒しよう!