岡山大 メディカルセンター4月強行を阻止 非正規職雇い止め打ち破る
週刊『前進』04頁(2835号02面02)(2017/04/10)
岡山大
メディカルセンター4月強行を阻止
非正規職雇い止め打ち破る
(写真 「メディカルセンターを阻止したぞ!」と意気高く病院からデモに出発【3月31日 岡山市】)
3月31日正午から、岡山大学病院・医学部構内において「メディカルセンター構想撤回! 民営化・外注化絶対反対! 非正規職制度をなくせ! 3・31集会・デモ」を闘いました。
あいにくの雨でしたが、学内からと、動労西日本、自治労倉敷など地域でともに闘う仲間、中四国、関西からも総勢35人が岡山大学医学部記念会館前に集まりました。冒頭、主催者として私がメディカルセンター4月強行を阻止した闘いの経過と今後の方針を提起しました。
2014年3月、産業競争力会議(議長・安倍晋三)で岡山大学長が提案したメディカルセンター構想は、大学病院を大学本体から分離し持ち株会社組織を設立、日赤など5病院と経営統合し、その傘下に市中の医療機関、介護・福祉事業所を引き入れようというものでした。秘密裏に準備を進めようとした学長らに対して、私たちはこの攻撃が崩壊する新自由主義ののりきり策として医療・福祉を「命よりカネ」の姿につくり変えるものであり、そのために全員解雇・総非正規職化が狙われていることを暴露し、絶対反対の立場で3年間闘ってきました。
そしてこの3月、学長は私たちの公開質問状に対して「6病院統合は現時点では想定していない」と公式に回答せざるを得ないまでに追いつめられたのです。医師派遣を通じて影響力を行使できる大学病院を先兵に基幹病院を統合し、そのもとで病院、介護・福祉事業所を再編・淘汰(とうた)する攻撃の突破口であった「岡山大学方式」を、出発点で破綻させたのです。国家総がかりで準備を進めてきたものが頓挫させられた学長は、「設立手続きが間に合わなかった」などと言い訳するしかできない有り様です。
さらに、岡山大学役員会は労働契約法による18年3月の「5年上限」の満期到来を1年後に控えて、「5年超えの雇用延長を認める」という方針を出しました。
医学部・病院職場だけで千数百人に達する非正規職に対する一斉解雇を絶対に許さない闘いに追いつめられた敗北宣言です。しかし、これは体制内執行部が手放しで賞賛するようなものではなく、非正規職の永久固定化そのものであり、正規職を非正規職に置き換える攻撃にほかなりません。民営化絶対反対、非正規職制度撤廃の闘いをさらに強化していかなければなりません。
基調報告を通じてこれらを確認し、非正規職の仲間、病院外郭団体で働く仲間、そして支援の仲間が次々にマイクを握り、民営化絶対反対、非正規職撤廃、ストライキで闘おうと訴えました。そして構内を練り歩き、岡山市役所前から商店街を経由して再び大学病院正門までのデモ行進をやり抜きました。
3年間の闘いを通じて、私たちは絶対反対と階級的団結こそが敵の攻撃にほころびをつくり、力関係を転換できることを確信しました。昨年3月に非正規職に対する解雇通告を撤回させた力は、今年は私たちがメディカルセンターに関する公開質問状を提出した翌日に当局から雇用延長を通知してくるような地平を築いてきました。
労組の体制内執行部が沈黙する中で、私たちはさしあたっては少数でも本質的には圧倒的多数派であることを確信し、私たちこそが執行部だと宣言して闘ってきたのです。集会に参加した医学部の非正規職の仲間によると、集会に出くわした現執行部の1人は私たちが「勝手に」掲げている職員組合ののぼり旗を直視することもできず、うつむきながら食堂に駆け込んだまま姿を見せなかったそうです。
メディカルセンター攻撃を頓挫させたとはいえ、それが安倍・成長戦略と完全に一体である以上、学長らはあきらめてはいません。「闘えば勝てる」ということを全身でつかんだ私たちは、闘わない執行部を放逐して組合権力を奪還し、組合を真に闘う労働組合にしていくために、職場の組織化に全力で踏み込むことを決意しています。
(岡山大学医学部職員組合・矢田範夫)