高浜・伊方の稼働を許すな 原発認め命踏みにじる反動裁判
週刊『前進』02頁(2834号02面02)(2017/04/06)
高浜・伊方の稼働を許すな
原発認め命踏みにじる反動裁判
規制委の主張を丸ごと追認
3月28日、大阪高裁は現在停止中の関西電力高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の再稼働を認める決定を行った。15年の福井地裁、昨年3、7月の大津地裁の3度の運転差し止め決定をひっくり返して、関西電力の主張を全面的に認めた。高裁決定は、原発再稼働推進の立場に立つ政府の原子力規制委員会の新規制基準をそのまま追認し、高浜原発が「基準に適合する」として、再稼働を認めた。これまで三つの地裁決定が、新規制基準の妥当性そのものを問題として再稼働を認めなかったのに対して、高裁決定は原子力規制委がつくった解説資料をそのまま引き写して「新規制基準は合理的」と全面的に認めた。そして「規制により、炉心の損傷等を防止する確実性は高度なものとなっている」「避難計画等の具体的内容は適切なもの」などと、完全に原子力規制委と関西電力を擁護した。
だが、地震動の専門家もいない原子力規制委がつくった新規制基準は、初めから「再稼働ありき」のアリバイ的なものである。避難計画についても「不合理な点は認められない」と言っているが、いったん原発が爆発したら多くの住民が被曝し、家や農地や自然がすべて奪われてしまうのである。福島原発事故を見よ。避難計画がどうこうという問題ではなく、原発など初めから、絶対に造ってはいけないのだ。
この決定に続いて3月30日、広島地裁は稼働中の四国電力伊方原発3号機(愛媛県)について、住民が運転差し止めを求めた裁判で、住民の申し立てを却下する決定を行った。
原発にかかわる相次ぐ反動判決は、裁判所が安倍政権の原発政策の危機を救い、福島原発事故を隠蔽(いんぺい)し、日帝と電力資本、原発資本の利益のために原発労働者と地域住民を見殺しにするものである。「労働者と住民は、支配階級の利益のために、犠牲になれ」という決定である。
安倍政権は、今回の大阪高裁決定をてこに、全国で原発の再稼働を加速しようと狙っている。絶対に許すな。
日帝の核武装・核戦争と一体
高裁決定は、米日帝の朝鮮侵略戦争・核戦争の切迫のもとで、それを擁護するものとして出された。日帝の原発政策は偽装された核武装政策そのものである。日帝・安倍政権は3月27日、国連の核兵器禁止条約の制定交渉に参加しないことを表明した。不参加の理由として、「国際社会には深刻な安全保障上の脅威があり、核軍縮には現実的な視点が欠かせない」ということを挙げている。トランプ・安倍会談での「核兵器先制使用」宣言に続き、日帝は独自の核武装を狙っているのだ。だが原発企業・国策会社=東芝の破綻に見るように、反原発闘争の不屈の前進が日帝の原発政策の危機と破綻をつくり出している。このかんの2・26舞鶴、3・11福島、3・31東京、4・1浪江の闘いの高揚を引き継ぎ、労働組合と地域住民の団結した力で高浜原発再稼働阻止、伊方原発即時停止、全原発廃炉をかちとろう。