郵政「スキル評価」粉砕へ 大阪府労働委員会に申し立て 団結権行使し不当労働行為争う
郵政「スキル評価」粉砕へ
大阪府労働委員会に申し立て
団結権行使し不当労働行為争う
郵政職場には非正規労働者に対する「スキル評価制度」があります。これは郵政における団結破壊と労働者支配の象徴です。この制度は非正規労働者の誇りを奪うものです。スキル評価制度に今、非正規労働者をはじめ全郵政労働者の怒りが巻き起こっています。
JP労組本部が攻撃の先兵
私たちは昨年9月、「スキル評価制度は不当労働行為である」と大阪府労働委員会に申し立てを行いました。スキル評価制度を打ち砕く闘いに決起しました。
郵政は、労働契約法に基づく非正規労働者の無期転換を昨年10月に前倒しで実施し、その労働協約をJP労組と締結しました。協約の核心はスキル評価を使った解雇制度の導入にあります。郵政職場では、今までも雇い止め解雇という理不尽な攻撃がありました。しかし、労働協約にスキル評価を理由にした解雇を明記したのは初めてです。JP労組本部は郵政労働者の最悪の敵です。
今回の解雇制度の導入によって、職場での処分、ノルマ、パワハラなどのすべてが激変する事態になります。郵政資本による団結解体と総非正規職化攻撃との決定的な闘いが始まりました。
私たちが申し立てた労働委員会闘争はいくつかの調査をへて、論点が整理され、いよいよ証人尋問と審理に入ります。
争点の一つに、無期転換に伴うスキル制度を使った解雇の不当労働行為性の問題が入りました。労働契約法の改悪と18年実施そのものを、労働法制解体を狙う不当労働行為として争います。動労千葉のCTS(千葉鉄道サービス)決戦とともに、国鉄決戦と一体で、18年をめぐる労働法制解体攻撃との決戦として先制的に闘います。
また郵政側は労働委員会に対して「スキル制度は非正規を対象にしたものであり申立人は非正規ではない。JP労組と合意して行っているものであり、一組合員に不当労働行為を争う資格はないから門前払いにしろ」と言っています。しかし、労働組合の個々の組合員であっても、組合を強化する立場で団結権を行使し、申立人となることができます。この攻防がもう一つの核心点です。
非正規労働者の闘い始まる
郵政民営化攻撃とは非正規職化攻撃です。それをとおした労働者の団結破壊であり、不当労働行為そのものです。集配の職場では非正規労働者の割合は6割を超えています。そしてスキル制度と解雇恫喝は労務支配の軸になっています。だからこそ、総非正規職化攻撃は矛盾の集中点になっています。現場では非人間的な労務支配に怒りが渦巻いています。郵政が無期転換を1年半前倒しで先行実施した理由は、非正規労働者の闘いがついに始まり、それが全国の職場で爆発することへの恐怖です。正規・非正規は団結して闘おう。
今回郵政は、就業規則ではなく労働協約を全面的に改悪してきました。資本の攻撃がここまで進んだのは労働組合幹部の屈服と裏切りがあったからです。今回の労働委員会闘争は、JP労組本部そのものが不当労働行為の担い手であり、屈服した労働協約も不当労働行為そのものだとして争うものです。私たちが職場で資本との攻防の中でつくってきた団結こそが本当の団結です。職場攻防を闘い階級的団結をうち固め、今こそJP労組本部打倒へ闘おう。
世界は戦争と革命の時代です。労働委員会闘争からゼネスト―革命の展望を切り開こう。
(労働委員会申立人・平沼和典〔富田林郵便局〕、村山晃〔吹田郵便局〕)
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〈解説〉スキル評価制度
郵政での「スキル評価制度」をはじめとする評価制度の本質は労働者を競争させ分断し、団結を解体することにある。また直接の目的は賃下げと解雇だ。意図的に評価をダウンさせて、時給引き下げや解雇を狙う。
郵政の評価制度は「基礎評価」と「スキル評価」からなっている。基礎評価は「管理社員、正社員、リーダーの指示を理解して対応している」かどうかなど10項目。管理職の恣意(しい)的な評価がまかりとおる。
スキル評価は、「A、B、C」の3ランクと、さらにそれぞれを「習熟度あり、なし」に分ける。例えば「A、習熟度あり」となる。配達業務の場合を例にとると、一つの区域をマスターし配達ができて「C」、二つは「B」、三つは「A」となる。「A」の人でも担当ゾーンを替えられ、再び一つの区域から始めると「C」に下げられる。
スキル評価は撤廃だ!