森友学園事件 戦争教育が問題の本質 極右・日本会議と安倍が結託

週刊『前進』02頁(2832号02面03)(2017/03/30)


森友学園事件
 戦争教育が問題の本質
 極右・日本会議と安倍が結託


 戦後最大の疑獄事件=森友学園事件をめぐり、安倍政権中枢の犯罪行為が次々と暴き出されている。3月23日に衆参両院で行われた森友学園理事長・籠池康典(かごいけ・やすのり)の証人喚問では、安倍の妻・昭恵の秘書(「総理大臣夫人付き」の官邸職員)が、籠池からの要請で財務省・国有財産審理室長に直接「問い合わせ」をしていたことが発覚。これに財務省が「予算措置を行う」と回答し、ごみ撤去の工事費用と称して森友学園に1億3200万円が支払われたことが、証拠のファックス文書とともに暴露された。籠池は安倍夫妻から100万円の「寄付」を受けたことも重ねて証言した。
 「偽証罪になるぞ」との脅しで籠池の口を封じ、早期幕引きを狙った安倍と与党の策略は完全に失敗した。そればかりか「私も妻も一切、国有地払い下げに関与していない」(2月17日、衆院予算委員会)という大うそが暴かれ、「関係していたとなれば総理大臣も国会議員も辞める」と見えを切った安倍が決定的な危機を深めている。
 問題の本質は、単なる汚職事件でもなければ、一部の官僚による「忖度(そんたく)」の有無などでもない。それは、国家主義・排外主義を掲げる極右改憲勢力=日本会議が、安倍政権のもとで「教育勅語」に基づく事実上の「戦争教育」に手を染めていたことにある。このような極右愛国学校の設立のために、国家総ぐるみで国有地の格安払い下げなど異例づくしの便宜供与が図られ、中でも大阪の松井府政による私立学校設立の認可基準の規制緩和が決定的な水路となったのだ。

海外紙でも報道

 この事件は海外のメディアも大きく取り上げている。「安倍晋三、極右グループとの新たな関与が明るみに」(米紙ニューヨーク・タイムズ16日付)、「安倍首相、極右の学校に秘密の寄付をしたと追及される」(同ワシントン・ポスト23日付)、「安倍は国家主義の学校に資金を出すために妻を使った」(英紙タイムズ23日付)。各紙はいずれも「戦前の帝国主義学校のカリキュラムを推進する右翼グループ」(英紙インディペンデント23日付)と安倍との蜜月ぶりを生々しく報道している。
 実際、森友学園が設立しようとした小学校のパンフレットは、「教育の要」の第一に「天皇国日本を再認識」を掲げ、続いて「教育勅語の素読・解釈による日本人精神の育成」「日本人DNAの呼び覚まし」などを列挙。また同学園の塚本幼稚園は教育勅語の素読のほか、中国・韓国に対する差別をあおり、園児に対しては日常的に暴行・虐待を加え、これらに抗議した保護者にはしつこく嫌がらせを繰り返した。
 この森友学園・籠池らのことを、安倍は「教育への熱意は大変すばらしい」と絶賛し、妻・昭恵も「籠池先生の教育に対する熱き思いに感銘を受け、名誉校長に就任」といった具合に、陰に陽に支援し続けたのだ。

今こそ安倍倒せ

 安倍=日本会議の狙いは、森友学園の小学校を突破口に、すべての国公私立学校で国家主義・愛国主義をたたき込み、子どもたちを「お国のために戦争で命を捧げる臣民」へと仕立て上げることだった。だが日本の労働者民衆は、終戦直後に爆発した戦後革命の闘いで教育勅語を粉砕して以来、「二度と戦争のための教育をさせない」という決意を戦後一貫して守りぬいてきた。何より、森友学園事件にまで至る規制緩和・民営化と改憲攻撃の出発点となった1980年代の国鉄分割・民営化と対決し、国鉄闘争が不屈に闘いぬかれてきた。この力関係が安倍=日本会議の野望を打ち砕き、逆に安倍を追い詰めているのだ。
 この事件を絶対にあいまいなまま終わらせてはならない。国会での野党の腰の引けた「追及」などでは何も変わらない。パククネを罷免(ひめん)させた韓国のように、ゼネスト・民衆総決起で安倍を倒そう。
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