●全学連から新入生の皆さんに訴えます 学生の決起が社会を変える 安倍政権倒すストライキを

週刊『前進』02頁(2832号01面01)(2017/03/30)


●全学連から新入生の皆さんに訴えます
 学生の決起が社会を変える
 安倍政権倒すストライキを


 今春、入学したすべての新入生のみなさんに、全学連(全日本学生自治会総連合)から熱烈な連帯のアピールを送ります。今年は1917年のロシア革命から100年です。私たちの生きる現代こそ、戦争と搾取、差別と貧困を長きにわたって強いてきた資本主義社会を終わらせ、労働者民衆が主人となる新たな社会を切り開く、胸躍る革命の時代です。この時代に生きるすべての学生は、世界を変革し未来を切り開く決定的存在です。全学連は全国の大学で学生の団結を取り戻し、大学の戦争協力=軍学共同と真っ向から闘い、戦争絶対反対の闘いの先頭に立って闘います。ともに行動に立ち、社会を根本から変革しましょう。

(写真 昨年10月3日に京都大学同学会は4学生への無期停学処分撤回を求める集会と学内デモを闘った)

競争を拒否し団結しよう 全学連委員長 斎藤郁真(法政大学)

 新入生のみなさん、入学おめでとう!
 私たち全学連は、1948年に「戦犯教授追放」「学生生活防衛」を掲げて結成された、全国300万学生の闘う団結体です。1960年から70年代、学生運動が盛り上がった時代はその先頭に立ち、それ以降も変わっていく日本社会の中で「学生はどう生きていくべきか」を訴え、一部の人間の特権のために多くの人びとが踏みにじられる社会を変えようと行動し続けてきました。特に2011年3月11日の福島第一原発事故以降、暴かれた原子力産業と大学の癒着・腐敗に対し、大学のあり方を変えるために学生が闘う団結組織=学生自治会をよみがえらせることに挑戦してきました。
 今、原子力産業と大学の癒着関係はそのまま軍学共同となり、「大学の軍事研究」の問題が始まっています。教育の「民間開放」という名の金まみれの教育政策が生み出した「森友学園事件」は、戦争を肯定する教育の実態、この国の実態を浮かび上がらせています。
 「自分も何かするべきことがあるんじゃないか」----そう思っている学生はきっと少なくないでしょう。全学連はそのような思いを持った学生たちの人生がつながって存在してきた組織です。
 これから私たちが生きていく社会を、今を生きる私たちの決断で変えよう! 全学連とともに議論し、行動していくことをすべての学生・新入生に呼びかけます。

学生搾り取る資本主義倒せ

 問題は「何を変革するのか?」ということです。今年1月に国際NGOオックスファムが提出したレポート「99%のための経済」によれば「世界で最も裕福な8人が保有する資産は、世界人口のうち下から半分にあたる約36億人が保有する資産とほぼ同じ。トップ10の大企業の収益合計は、下位180の貧しい国々の収益以上」だとされています。日本に焦点を絞って経済雑誌『フォーブス』の「日本長者番付2016」を参照すると、「上位40人の資産は下位50%(約6346万人)とほぼ同額。2012年との比較では上位40人の合計は1・9倍になった」とされています。
 「経済危機だ」「不況だ」と叫ばれて税金が上がり、非正規職が増え続け、学生は学費と奨学金の連鎖に苦しめられたこの5年間、安倍政権がやってきたことの真実がここに端的に示されています。「株価上昇」の裏にあった事実は、圧倒的多数の労働者をむちゃくちゃに搾り取り、その労働の成果を金融システム操作でかすめとったきわめて少数の人間たちがいたということなのです。これは現在進行形です。
 私たちが挑み、変えるべきなのは、このふざけた資本主義経済のシステムです。
 生活のすべてがビジネスの道具となり、社会に必要な仕事であっても金もうけにならなければ維持されない。その結果、何が起きていますか? JRは地方ローカル線を廃止しようとし、ケチられ続けたメンテナンス費用と労働者の非正規職化は、鉄道の安全を崩壊させています。最近では、民営化された保育園で園児68人に対して40人分の食事しか用意しなかった事例もありました。このようなことは多くの職場・産業で起きていると感じませんか?
 社会を動かす人びとの労働を、資本家のためではなく、社会の側に取り戻すことが必要です。
 「教育」もまた一つの産業として社会的に位置づけられ、私たち学生も「商品」として扱われることがますます増えています。全学連は「お互いを削りあう競争を否定すること」を呼びかけます。より高い値札のついた「労働力商品」になろうとみんなが努力しても、結果は「品質」の平均が高くなるだけで、全員が安く買われるのです。スマホはガラケーに比べれば高価でも、スマホとスマホを比べてしまえば値下げ競争が始まるように。
 止まらない過労死の波と増え続ける貧困の原因であり、学生の努力を踏みにじるこの不毛な争いを拒否し、団結して生きよう!


(写真 昨年11月12日、全学連はソウルでの全国労働者大会と100万人の民衆総決起に合流。韓国の労働者民衆と固く団結した)

世界は新たな革命の時代だ

 世界中で多くの人びとが立ち上がり、同じように不毛な競争を止めるために声をあげています。国境・民族・人種・文化......。本来は対立するものではない「違い」が分断の道具になり、戦争の口実にすらなっている現実を象徴したのが米トランプ大統領の登場です。これに対し、ベトナム反戦運動以来と言われる規模の闘いが巻き起こっています。世界の新しいムーブメントのキーワードは「団結」です。
 世界は新たな革命の時代に入りました。その最先端が韓国の闘いです。民主労総という闘う労働組合の、ゼネラルストライキを中心とした大デモの波がついにパククネ大統領の罷免(ひめん)をかちとりました。そして「政権の顔を変える闘いで終わってはいけない。社会を変えよう」と6月の大ストライキへ進んでいます。この闘いに続き、日本からも、労働者・学生・市民が連帯した革命運動を始めよう!
 新聞を見てもわかるとおり、「自国第一主義」の拡大、保護主義と戦争の危機が強まっています。特に東アジア―朝鮮半島をめぐる対立は深刻な危機を迎えています。
 今年2月、日米は共同声明で「核兵器の先制使用」を宣言しました。世界最強の軍事力を持つアメリカと、核保有国以外では世界最大のプルトニウムを保有する日本(核兵器5千発分)のこの声明は、最悪の戦争挑発です。支配者たちは戦争で韓国の労働者たちの闘いをたたきつぶそうとしています。日米安保同盟の最大の実体である沖縄米軍基地がある日本の私たちの闘いが求められています。
 「戦争の時代」を「革命の時代」へ! 見えないレールの上を走ることをやめて、動労総連合をはじめとした闘う労働運動と連帯し、社会を根底から変革する学生の運動をつくり出そう! 京都大学同学会の仲間に続き、日本中の大学で反戦ストライキができる学生の団結、学生自治会をよみがえらせよう! すべてのみなさんにともに行動しようと呼びかけます。

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