紹介 動労水戸が編集し発行 『無の槍 福島第一原発事故に立ち向かった労働者の手記』 怒りと誇りに満ちた〈階級の叙事詩〉

週刊『前進』04頁(2831号03面05)(2017/03/27)


紹介
 動労水戸が編集し発行
 『無の槍 福島第一原発事故に立ち向かった労働者の手記』
 怒りと誇りに満ちた〈階級の叙事詩〉


 国鉄水戸動力車労働組合(動労水戸)編集の本『無の槍(むのやり)―福島第一原発事故に立ち向かった労働者の手記』八里原守(はちりがはら・まもる)著が発行された。
 著者の八里原氏は、すでに動労水戸から発行された2冊のブックレットに登場する原発労働者である。11年3・11から原発事故の現場で闘った原発労働者の命がけの奮闘を生々しく描いた渾身(こんしん)のレポートである。「そこには、極限状態で輝きを放つ人間の根源的共同性が見える」(動労水戸の前書き)。
 30年前に国鉄分割・民営化に反対して当時全員20代の青年労働者が人生をかけて組合を結成した。その彼らが3・11以後、被曝労働を拒否するストライキに立った。この闘いが原発事故と最前線で立ち向かう労働者と結びついた。このことの意義を本書から読み取ることができる。
 迎賓館・横田爆取デッチあげ弾圧で4年7カ月の下獄闘争に入っている十亀弘史さん(水戸刑務所在監)が、昨年6月に収監される前に書いた「『無の槍』に寄せて」が後書きとして収められている。深いところで著者の意図を読み取った的確な紹介で、本書を味わう手引きとなっている。
 本書の表紙を飾る絵(会津・虎の尾桜)は、無実の罪で獄中42年を強いられている星野文昭さんが、この本のために描いた。
 十亀さんが言うように、本書は「3・11の現場で生まれ、放射線の槍に刺し貫かれながら4年を耐え抜いた執念と、怒りと誇りに満ちた〈労働者階級の叙事詩〉」である。
 B6判/定価1000円+税。発行/出版最前線、発売/星雲社(月末から全国書店で購入できます。店頭にない時は、注文して取り寄せてもらってください)。
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