知る・考える 用語解説 8時間労働制-過労死許さず団結守る権利

週刊『前進』02頁(2830号02面05)(2017/03/23)


知る・考える 用語解説
 8時間労働制-過労死許さず団結守る権利


 労働基準法は「使用者は......労働者を、1日について8時間を超えて労働させてはならない」と定めている。しかし、8時間労働の原則は新自由主義によって解体されてきた。安倍政権が狙っている労基法改悪は、繁忙期には月100時間までの残業を認めるというものだ。労基法は、労働時間を規制するものではなく、過労死に至る長時間労働を合法化するものに変えられようとしている。
 8時間労働制は世界の労働者階級が長い闘いの中で、血を流してかちとってきた権利だ。18世紀後半の産業革命以降、資本家は無制限に労働者を働かせ、その健康と生命を破壊した。イギリスの労働者は1840年代に「10時間法」をかちとった。労働者が体力・知力・精神力を回復し、仲間と団結して労働運動を闘うための大きな勝利だった。さらに1866年、国際労働者協会は、8時間労働制の実現に向けて闘うことを決議した。
 1886年5月1日、シカゴで20万人の労働者が8時間労働制を要求して一斉に職場を放棄した。彼らは「造船所や大小の工場から仲間を呼び集めよう。第一の8時間は仕事のために、第二の8時間は休息のために、そして残りの8時間は、おれたちの好きなことのために!」という歌を高らかに歌って闘った。これがメーデーの起源だ。
 8時間労働制が世界で初めて実現したのは1917年のロシア革命である。それ以降、世界に広がった。8時間労働制は労働者階級にとって譲れない権利だ。

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