放射線審議会の権限強化し 大量被曝の合法化策動 国会で基準法の改悪を狙う
放射線審議会の権限強化し
大量被曝の合法化策動
国会で基準法の改悪を狙う
3・11反原発福島行動17は動労福島など闘う労働組合を中心に1100人が結集し、怒りをほとばしらせ、集会とデモを打ちぬいた。
安倍政権は断じて許せないことに、今月末で福島の「自主避難者」に対する住宅補助打ち切りなど、高濃度の放射能汚染地帯への帰還強制を進めている。その上に、福島県民や原発労働者をはじめとした労働者人民への次元を異にする被曝の強制をたくらんでいる。安倍政権が今年2月、国会に提出した「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」の改悪案がそれだ。
この法律は元々、「第3条(基本方針)」で「放射線障害防止」を掲げている。もちろん、原発労働者や福島の人たちに日々恐るべき被曝を強制している現実が示すように、これはうその固まりだ。だが安倍は、こういった建て前さえ投げ捨てようとしている。
この法律は「放射線障害防止」のためと称し、「放射線審議会を置く」としている。この審議会は1958年に設置され、委員は現在は8人、全員が日帝の原子力政策を担ってきた極悪の御用学者だ。これまで、審議会は厚生労働省や国土交通省などから諮問(しもん)を受け答申する〝受け身の立場〟だった。福島第一原発事故直後、事故処理作業のための被曝線量の上限を100㍉シーベルトから250㍉シーベルトに引き上げることを了承したのが審議会だ。15年には緊急時の上限を250㍉シーベルトに引き上げることも了承した。
被曝限度量を大幅引き上げ
改悪の最大のポイントはこの放射線審議会のあり方を根本的に転換させることだ。今回の改悪で、審議会が独自に判断・審議し、各省庁に対し法令を変えて被曝限度の基準値の改悪を促せるようにしようと狙っている。それをもって、原発などの労働者や一般人の被曝限度、原発事故の際に住民の避難に携わる自治体労働者などの被曝限度、食品の放射能汚染限度など、放射線被曝のすべての基準を大幅に緩和させることをたくらんでいる。同時に、原発・核政策の暴力的推進、労働者人民に対する大量被曝の御用機関として一元化しようとしているのだ。
改悪が最も狙うのは避難者全員の帰還―福島圧殺だ。読売新聞は2月9日の社説で「『1㍉シーベルトの呪縛(じゅばく)』が根強く残る」ことが「住民が帰還をためらう一因」として、「100㍉シーベルト以下は被曝による健康影響はない」と大うそをつき、放射線審議会で検討し法律を変えろと語っている。だが、被曝の影響はどのレベルからが安全という線は引けない。どんなに微量でも害を与える。福島県民にとてつもない被曝を強い、福島の人びとの命と健康を奪うことなど到底、容認できない。
安倍は福島の怒りを圧殺し、原発再稼働と核武装、朝鮮核戦争に突き進んでいる。動労総連合を拡大し、全国に闘う労働組合をつくろう。その力でゼネストを実現し、韓国・民主労総と団結して核戦争を止めよう。