韓国 パククネ罷免かちとる ゼネストと100万決起の勝利 民主労総、革命完遂へ闘い継続

週刊『前進』02頁(2828号02面01)(2017/03/16)


韓国 パククネ罷免かちとる
 ゼネストと100万決起の勝利
 民主労総、革命完遂へ闘い継続

(写真 「キャンドルの勝利だ!」。解放感が広場を覆った【3月11日 ソウル】)

(写真 開始されたサードの配備に対し、配備予定地・ソンジュの住民を先頭に弾劾【11日 ソウル】)

134日間の実力の闘いで実現

 3月10日、韓国の憲法裁判所は8人の憲法裁判官の全員一致でパククネの弾劾を認め、罷免(ひめん)を言い渡した。これは文字通り、昨年以来134日間にわたる実力の闘いでもぎとった大勝利だ! 11日夜に開催された第20回汎国民行動では、自らの力を確信した労働者民衆70万人が光化門広場をぎっしりと埋め、歴史的勝利と新たな闘いの開始を宣言した。 パククネ政権退陣非常国民行動の代表は「弾劾は終わりではなく、新たな世の中に向かう長い旅程の始まり」と語り、民主労総のチェジョンジン委員長代行も、パククネの体制清算、全悪行の清算、首相ファンギョアン(黄教安)の退陣などを掲げて闘いを継続しようと訴えた。
 罷免されたパククネは不訴追特権を失い、直ちに検察の強制捜査の対象となった。パククネこそ、今回明るみに出たあらゆる犯罪行為の主犯だ。「弾劾は始まりだ、直ちに拘束せよ!」の声こそ労働者の総意だ。
 憲法裁判所はつい3年前に統合進歩党の解散を命じたように、パククネが支配の道具としてきた機関そのものであり、裁判官9人(1月末に退任した1人も含む)のうち3人はパククネ自らが指名したメンバーだ。労働者民衆の力が憲法裁判所をも追いつめ、弾劾を認めさせたということだ。
 パククネはこの間、容疑を「完全なデッチあげ」と主張して検察や特別検察の捜査にも拒否を貫き、大統領府の捜索も阻止し、弾劾審判でも出廷を拒み通した。揚げ句の果てには、特検やメディアの粛清まで口にした。しかし、こうした姿勢は労働者民衆の怒りの炎をいっそう激しく燃え立たせた。

労働組合の力が歴史動かす

 この間の闘いはパククネに対する怒りの爆発であったと同時に、それ自体が巨大な団結と価値観の転換を生み出し、新たな社会の出発点を築き上げるものとなった。
 昨年10月のパククネ―チェスンシルゲート発覚をきっかけに、「命よりカネ」の新自由主義のもとで権力と資本とが癒着し、労働者を支配してきた腐りきった構造のすべてが暴き出された。セウォル号惨事、国家保安法による弾圧、日本軍慰安婦問題をめぐる「日韓合意」やサード(高高度迎撃ミサイルシステム)配備の強行----「こんな社会は根本的に変えなければならない!」という積年の怒りがついに大爆発し、パククネを大統領の座からひきずり下ろしたのだ。
 これを可能にしたものこそ、ハンサンギュン委員長を獄中に奪われながらもゼネストで闘いの先頭に立ってきた民主労総の存在だ。韓国の闘いは、闘う労働組合のもとに団結した労働者の中にこそ、腐りきった社会を変え歴史を前へと進めていく力があることを全世界にはっきりと示した。

体制の根底的転覆を求める

 パククネ弾劾の勝利の上に、闘いは大きな分岐点を迎えている。保守野党のもとでこれまでの支配の延長を許すのか、それともこれまでの体制を覆し、労働者の手で新たな社会をつくり上げるのか----一切は労働者の闘いにかかっている。
 5月に行われる大統領選では、「共に民主党」の前代表であるムンジェイン(文在寅)が有力候補とされている。だが、ムンジェインはパククネの労働改悪に反対の声ひとつ上げてこなかったばかりか、パククネの犯罪が明るみに出ても、弾劾ではなく自らが権力の一角に入ることを狙った「挙国中立内閣」を主張していた。これに対して向けられた労働者民衆の怒りに恐怖し、光化門広場へと引きずり出されてきたにすぎない。
 チョンドゥファン(全斗煥)軍事独裁政権を打倒した87年の「民主化」は、実際には旧体制の根を根底から断ち切ることができずに終わった。この歴史をどうのりこえるかが今問われている。
 展望は、社会的ゼネストへと進む民主労総の闘いにある。米日帝による革命圧殺のための戦争情勢も激しく進む中、労働者の闘いこそがすべてを決する。民主労総は「政権交代では何も変わらない」と宣言し、すでに6月ゼネスト方針を決定して全国の職場での組織戦に突入している。
 何よりも、パククネの次は安倍だ! 韓国労働者民衆の闘いに続こう。底なしの腐敗にまみれながら戦争と民営化を進める安倍を直ちに監獄へたたき込もう。

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