団結街道裁判 〝証人を採用せよ〟 廃道処分の違法を追及
週刊『前進』04頁(2825号03面02)(2017/03/06)
団結街道裁判
〝証人を採用せよ〟
廃道処分の違法を追及
(写真 報告集会【2月28日 千葉】)
2月28日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で団結街道裁判の弁論が開かれた。
成田市は2010年6月、天神峰の市東孝雄さんが日常的に営農で使っていた市道=団結街道を、夜陰に乗じて暴力的に封鎖・廃止し、その土地をNAAに格安で売り飛ばした。市は「代替道路を整備したから廃道の要件は満たした」などと居直るが、現に住民が使用している道路を行政が一方的に封鎖・廃止するなど、前代未聞の暴挙だ。市東さんは南台の畑に通うために、封鎖以前と比べ、3倍もの道のりの往復を日々強制されているのだ。
すでに弁護団は10人の証人を申請している。原告本人の市東さんと萩原富夫さん、不動産鑑定士の富田隆史さん、当時市議会議員だった足立満智子さん、経済学者の鎌倉孝夫さん、成田市の道路行政担当者として廃道処分に直接携わった今泉、中村、大山の3人、NAAの木村、そして小泉一成・現成田市長だ。
この日も開廷すると弁護団は、10人の証人の必要性を強く主張した。特に成田空港の「公共性」のうそを暴くために、鎌倉証人の証言が不可欠であることを強調した。
被告の成田市とNAAは「証人調べは必要ない」とうそぶき、「成田市議会が団結街道廃止を議決した2010年3月16日までには、機能補償道路(代替道路と市東さんの畑の接続部分)の工事は完了していた」から廃止には問題ないとして、追及から逃れようとした。
「具体的に工事はいつ完了したと言うのか。工事完了届を出せ」と求めると、市の代理人は「保存期間が過ぎて工事完了届はすでに廃棄した」と臆面もなく述べた。弁護団は、「重大書類を早々に廃棄したというなら、責任感の欠如であり職務怠慢だ!」と弾劾し、傍聴席からも怒りの声が次々と飛んだ。
実際には当時成田市は一日も早く廃道処分を実行しようとあせり、市議会の議決が先行してしまったのであり、明らかに違法だ。裁判長は、市と一体でそのことをごまかそうとしている。
さらに裁判長は、弁護団の再三の証人採用の要求をはねつけ、またしても証人の採否を先送りにした。
次回期日を6月9日として閉廷した。
近くの会場で報告集会が開かれた。弁護団は「自分たちに都合の悪い文書を〝廃棄した〟と言うのは、陸上自衛隊が南スーダンでの日報を隠したのと同じ手口」と弾劾し、市に肩入れする阪本裁判長にも強い怒りを表して、証人全員採用をかちとる決意を述べた。
動労千葉の滝口誠さんが連帯発言に立ち、組合員の総決起でダイヤ改定阻止の3・4ストを闘いぬく決意を述べた。
最後に司会の伊藤信晴さんが、市東さんの農地を守るための強制執行阻止・保証金カンパを要請し、3・26全国総決起集会への大結集を熱烈に訴えた。