焦点 安倍とトランプは戦争放火者 日米が核先制攻撃を宣言
焦点
安倍とトランプは戦争放火者
日米が核先制攻撃を宣言
米ワシントンで2月10日(日本時間11日)に行われたトランプ・安倍の日米首脳会談をもって、日米安保同盟は「核戦争同盟」へと姿を変えた。日米共同声明で「核戦力を使う」と公言したことは、安保条約そのものの改定にもまさる日米関係の歴史的な大転換を意味する。さらに共同声明で釣魚島(「尖閣諸島」)を「安保条約第5条の適用対象」と確認したことは、オバマ前政権の見解の単なる繰り返しにとどまらない重大な踏み込みである。トランプは明らかに「米中戦争」を意識し、すでに朝鮮半島―東アジアへの戦争準備を開始しているからだ。
3月に予定されている米韓合同軍事演習「キー・リゾルブ」および野外機動訓練「フォール・イーグル」は、過去最大規模となった昨年をさらに上回る空前の大演習として強行されようとしている。すでに米軍は、ミニッツ級原子力空母「カール・ビンソン」をグアムに配置し、同「ロナルド・レーガン」とともに米韓演習に投入する可能性を示唆している。米軍が東アジアで二つの空母機動部隊を展開するのは異例中の異例だ。
さらに韓国国防部は、「訓練期間中、米国の戦略兵器の朝鮮半島への展開についても米韓で協議中だ」と述べた。これはグアムに配備されている戦略爆撃機B52、B1、ステルス爆撃機B2、原子力潜水艦などの膨大な戦略資産を一斉に朝鮮半島へ投入することを意味している。
●米韓演習から本物の戦争へ
これらの動きは、多くの軍事専門家が指摘するように、北朝鮮指導部=キムジョンウンらを急襲・殺害する米韓軍の「斬首作戦」を想定したものであり、軍事演習の最中にいつでも本物の「斬首作戦」へと移行できるような戦力配備として準備されているものだ。同時にそれは北朝鮮への先制核攻撃と全面戦争の計画である「作戦計画5015」の発動を意味する。
米国防長官マティスは最初の外遊先に選んだ韓国で、「トランプ政権は北朝鮮の核の脅威を最優先の安全保障懸案として扱う」と宣言した。これを受けて英フィナンシャル・タイムズ紙は「ホワイトハウスは北朝鮮政策の抜本的な見直しに入った」と報じた。同紙によると「(米軍は)先制攻撃の選択肢をとらざるを得ない」との分析が国家安全保障会議(NSC)で行われているという。
さらにトランプ政権は日米会談を前後して、2月8日に大陸間弾道ミサイル「ミニットマン3」、14日に潜水艦発射弾道ミサイル「トライデント」の発射実験を強行した。トランプは、追い詰められたキムジョンウン政権の反人民的な軍事策動なども格好のえじきとしながら、北朝鮮への先制核攻撃を狙っているのだ。
●自衛隊が「暴徒」鎮圧訓練
このトランプに歩調を合わせ、戦争放火者として登場しているのが日帝・安倍である。
安倍は日米会談から帰国した直後の13日、NHKのニュース番組に出演し、「オバマ政権は軍事力の行使は非常に慎重だった。今のトランプ政権ではもう一度見直し、あらゆる選択肢をテーブルにのせる考えだ」と述べた。トランプ登場による米帝の軍事・戦争戦略の「転換」を明確に意識しながら、安倍はこれと一体化して日帝独自の戦争国家化と戦争準備を一気に進めるつもりなのだ。
こうした中、タイで行われている多国間演習に参加中の陸上自衛隊は19日、安保関連法に基づく「邦人救出訓練」を初めて海外で行った。治安が悪化した国で陸自部隊が邦人や米国人を輸送するという想定で、装甲機動車に乗り込んだ自衛隊員が自動小銃を手に「道をあけろ! 実力を行使するぞ」と叫び、「暴徒化」した群衆を追い散らして進むという内容だ。住民に銃を向け、場合によっては発砲も辞さず軍事力で現地を制圧することをリアルに想定した訓練がすでに行われているのだ。その狙いは、自衛隊を戦闘可能な「地上軍」として戦場に投入できるようにすることにある。
また3月6〜17日には、米軍輸送機オスプレイを使った米海兵隊と陸自の共同訓練が群馬、新潟両県で行われる予定だ。
他方で自民党は23日、「弾道ミサイル防衛に関する検討チーム」の初会合を開き、高高度迎撃ミサイルシステム(サード)の導入などを議論。さらには敵基地攻撃能力の保有などを検討し、防衛予算の大幅増額を含め政策提言を具体化する動きだ。
韓国で民主労総を中心に闘われている民衆総決起闘争と連帯し、安倍の戦争政治を断ち切る大闘争を日本から巻き起こそう。米日による朝鮮戦争・核戦争を絶対に阻止しよう。