JRとカクマルの結託は崩壊 動労総連合拡大しゼネストへ
JRとカクマルの結託は崩壊
動労総連合拡大しゼネストへ
国鉄闘争の前進がJR資本とカクマルの結託体制を崩壊に追い込んでいる。国鉄分割・民営化は大破産し、動労総連合を結集軸に労働者・住民の総反乱が始まろうとしている。国鉄分割・民営化の先兵となった動労(現JR総連)カクマルの大罪とそのファシスト労働運動路線の破綻を振り返った本紙2819号に続き、JR発足後30年の国鉄闘争の地平について明らかにする。
分割・民営化の破産と労働者住民の総反乱
1987年の国鉄分割・民営化は、新自由主義の留め金を外した。労働運動破壊の攻撃が全面化し、非正規職化と貧困が社会全体に広がった。労働者・乗客の命を奪う安全崩壊と地方の切り捨て・荒廃をもたらした。
JR北海道では赤字が累積し、人員削減・外注化による事故の続発が国全体を揺るがしている。さらに路線の半分を「維持困難」として廃線か経費負担かを自治体に迫り、廃線をのませようとして、沿線からの反発が相次いでいる。JR九州では昨年10月の株上場と一体で駅の無人化を進める一方、事故が多発している。熊本―大分間の豊肥線は熊本震災後、不通のままだ。四国では全線廃線案まで出てきた。
3月ダイヤ改定に怒りが噴出し、2月4日、千葉県館山市では「内房線切り捨てのダイヤ改正に反対する集会」が開催された。事故収束の見通しすら立たない福島第一原発に向け常磐線を延伸しようとするJR東の被曝と帰還の強制に対し、絶対反対で闘う動労水戸への支持が拡大している。
国鉄分割・民営化の大破産が政府・資本を締め上げている。清野智・JR東日本会長は2月9日付朝日新聞で「どのような形で公共交通を守るか、国全体で考えないといけない」と述べた。元に戻そうというのではない。国・JRは第2の分割・民営化に存亡をかけている。これとの決戦に突入したのだ。それは同時にJR総連カクマルの打倒と動労総連合の組織拡大の決戦である。
JR東労組は外注化・非正規職化の手先
国鉄分割・民営化時の動労委員長から東鉄労―JR東労組委員長、会長となったカクマル・松崎明は、中曽根政権が「戦後政治の総決算」を叫んで強行した「国労をつぶし総評を解体する」攻撃の先兵となることを最大の組織方針とした。
カクマルは、中核派が破防法弾圧を打ち破って70年安保沖縄闘争を闘い2千人の労働者・学生が獄中にある時に、その壊滅を狙う反革命襲撃を行った。カクマル議長・黒田寛一は「権力は首根っこを押さえているがカクマル派は下の急所を蹴り上げる」(首根っこ・急所論)と公言して国家権力と一体となった襲撃を開き直った。このカクマルの基本路線を国鉄で実行しようとしたのだ。
カクマルは87年2月、「国鉄改革に反対する国労や動労千葉の不良職員が採用されかねない」と迫り、JR設立委員長・斎藤英四郎は国鉄職員局次長・葛西敬之(現JR東海名誉会長)らに不採用基準を作らせ、採用名簿から排除した。90年3月には「清算事業団の組合員を採用するな」とストの脅しで不当労働行為の徹底を求めた。新自由主義の先兵となったファシストの所業である。
JR東労組は外注化・非正規職化の手先であり続けた。92年に労資一体で外注化を進める覚書を締結。99年に契約社員=グリーンスタッフ導入で妥結し、翌年、動労千葉の組織破壊を狙うシニア協定(60歳超の労働者をグループ会社に選別再雇用する)を締結(後に粉砕)。鉄道会社本来の事業を低め1万人の要員削減を図る経営計画「ニューフロンティア21」を絶賛。検査・修繕、設備の外注化、「ライフサイクル」(運転士の駅への配転)、駅外注化・無人化、11年3・11福島原発事故後の被曝労働と帰還強制の常磐線延伸、外注先への強制出向、CTS(千葉鉄道サービス)の就業規則改悪など、すべてに協力してきた。
外注化は重大事故・労災事故が続発する耐え難い現実をもたらした。JR東だけでも会社発足後15年末までの労災死亡は173人、そのうち下請け労働者は167人に上る。資本と東労組によって殺されたのだ。
東労組カクマルは現場から湧き上がる怒りを圧殺するファシスト労働運動の道を突き進んできた。しかし動労総連合に体現された誇り高い国鉄労働者の団結と階級的魂を打ち砕くことはできなかった。動労千葉・動労水戸は外注化阻止・非正規職撤廃、被曝労働拒否のストで労働者の怒りを解き放ち、JR・カクマル結託体制を根底から揺るがしている。青年労働者が人生の選択をかけて東労組を脱退し、正規・非正規の分断をのりこえて2桁の組合加盟がかちとられていった。
国鉄闘争の前進の中でカクマル組織は分裂し、東労組会長・松崎明は資本の犬として腐敗を極め組合費の横領と不正蓄財に走って恥多き死に至った。JRはカクマルを切り、労働者を直接支配するやり方に踏み切らざるをえなくなった。しかしJRに未来はない。青年労働者を先頭とするJR・JR関連労働者の決起は不可避である。
JR総連倒し第2の分割・民営化粉砕へ
国鉄分割・民営化の大破産で、国とJR、東労組、国労など全勢力が分割・民営化30年の総括をせざるをえないところに追い込まれている。
1047名解雇撤回の100万人支援陣形が改憲を阻んできた。国鉄闘争を終わらせ労働運動の解体を狙った10年4・9政治和解に対し「国鉄闘争の火を消すな」と呼びかける国鉄闘争全国運動が発足し、10万筆署名の力で最高裁に分割・民営化が国家的不当労働行為であったことを認めさせ、全産別で階級的労働運動の躍進が始まった。
動労千葉30年の闘いに続き、韓国・鉄道労組の「民営化と競争は悪」が合言葉となり、自国政府の戦争と労働改悪をゼネストで阻む国際連帯が進んでいる。第2の分割・民営化阻止へ、JR総連を打倒し動労総連合を拡大しよう。
(大迫達志)