JR総連カクマル完全打倒し国鉄決戦でゼネストに立とう 大原 武史

週刊『前進』04頁(2821号03面01)(2017/02/20)


JR総連カクマル完全打倒し国鉄決戦でゼネストに立とう
 大原 武史


 日帝・安倍と米帝トランプは共同声明で東アジア・朝鮮半島における核戦争を明言した。他方で安倍政権は、労働法制の大改悪と公共部門の丸ごと民営化攻撃に突き進んでいる。国鉄の分割・民営化は今や、麻生太郎副総理が自認するほど破産が明らかだ。動労総連合の全国建設を力に第2の国鉄分割・民営化攻撃との決戦を貫き、ゼネストに進撃しよう!

国鉄分割・民営化と30年間闘った地平

 有史以来、人間は共同性から形成された意識、精神の継承と発展において類的世界の発展を切り開いてきた。人間の意識や精神の世界は物質的生産の発展とともにあった。生産力の巨大な発展は、その私的独占から人間の全的自由への解放を不可避としているのだ。
 大恐慌と戦争の危機は人間意識の急激な変化をもたらす。それは、人類史的解放の時代の到来として認識されることで、真の時代認識となる。
 帝国主義とスターリン主義が支配する戦後世界体制とは、プロレタリア世界革命を粉砕するための体制である。プロレタリア革命とは、人間の歴史的普遍的解放を賭けた人類史的闘いである。スターリン主義は共産主義を帝国主義との共存に歪曲(わいきょく)し、これを基盤に体制内政党は改良主義に転落した。新自由主義の崩壊は、この戦後体制の虚偽を突き出すと同時に労働者階級人民の真実の歴史を甦(よみがえ)らせている。
 戦後世界体制の崩壊とは、ブルジョアジーとスターリン主義の歴史的制動を突破し、人間生命の蓄積と躍動によって立つ新たな人類史の時代の到来なのである。
 革共同は1957年に結成され、60年安保闘争、70年安保・沖縄闘争という歴史的闘いを労働者階級人民とともに闘った。とりわけ70年安保・沖縄闘争は、韓国やベトナムなど世界の人民の帝国主義とスターリン主義の二重の反動を食い破る不屈の闘いと一体のものとして闘われた。それは人間解放に向け共同性を体現する反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命の党を打ち立てていく壮絶な闘いだった。獄中42年を非転向で闘う星野文昭同志はその最先頭で闘いぬいた。
 この70年闘争の根底的解放性に自らの死を見たのが「革命的共産主義」を名乗りながら実際にはその解体を図るカクマル派だった。カクマル派は、革共同と労働者階級人民の闘いを破壊することを党派性とする反革命党派だ。
 カクマル派は、動労本部青年部長・松崎明を先頭に動労青年部権力を握ることで革共同への襲撃を正当化した。革共同は、カクマル派との内戦を決断し、多くの労働者が職場を辞しても命がけの戦いに立ち上がった。
 同時に動労千葉地本青年部長・中野洋同志を先頭にして動労カクマルと激突し、革命的共産主義に基づく階級的労働運動の実践的構築を図った。72年の船橋事故との闘いを通した「反合理化・運転保安闘争路線」の確立は、カクマル派を決定的に追い詰めた。動労千葉は、この路線を貫き79年の分離独立、85〜86年の国鉄分割・民営化反対の大ストライキを実現した。その闘いはJR体制との死闘をへて、田中康宏委員長体制下での2000年からの外注化阻止闘争として発展した。さらに、2011年3・11をめぐる動労水戸の被曝労働拒否のストライキを生み出し、動労総連合の全国での建設の火花になったのである。
 反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命を掲げた党建設の闘いは、国鉄分割・民営化決戦をとおしてついに労働者階級自身の闘いに転化した。国鉄分割・民営化攻撃との30年にわたる地平の上で闘われる第2の国鉄分割・民営化粉砕決戦とは、「社会丸ごとの民営化と戦争」の攻撃と激突しながら人間の共同性と全的自由をかちとる決戦だ。だからこそ、星野同志と全人民の歴史的闘いの全地平に立ち切った、この時代への路線的回答なのである。ここを鮮明にさせよう!

労働者国際連帯の中心担う動労千葉

 米帝トランプ政権の登場に世界が震撼(しんかん)している。戦後世界体制の要として民主主義の虚飾を振りかざし、世界最大の経済力と軍事力を独占し、プロレタリア革命と民族解放闘争を圧殺してきたのが米帝だ。
 その米帝が、むき出しのブルジョア独裁政権を登場させ「アメリカ第一主義」を宣言した。その本質は、戦後世界体制の分裂であり解体だ。帝国主義諸国、残存スターリン主義が、トランプ政権の登場に震え上がりながら国家主義・排外主義勢力を密集させている。「相互に打倒を叫ぶ勢力の密集」という異様な事態の本質は、プロレタリア革命の圧殺と国家間戦争に利益を有する者の密集である。殺し合いをさせられるのは労働者階級である。
 しかしこの戦後世界の崩壊と分裂の中で、世界をひとつの共同世界として組み立て直す強靱(きょうじん)な闘いが日々発展している。日々の現状がどのように過酷で絶望的であろうとも、人間は共同の世界を求めその精神世界を発展させている。類的存在としての愛と誠実を貫き、闘いぬいている。これこそが人間の歴史なのだ。そして、そこに生き抜く者こそ共産主義者なのである。
 現実に、富と支配の継承に生命を明け渡しているブルジョアとその支配に屈した者にはけっして見えない、限りある人間生命の燃焼と継承が労働者階級の闘いとして貫かれているではないか。
 トランプは、民主党支持のAFL・CIO(米労働総同盟・産別会議)などの御用組合の制動を打ち破るILWU(国際港湾倉庫労組)、UTLA(ロサンゼルス統一教組)などの新潮流を先頭とする全米的反乱に見舞われている。韓国・民主労総(全国民主労働組合総連盟)は、全国鉄道労組を基軸にした労働者階級の闘いによってすべての人民の怒りを束ね、巨大なゼネストを実現している。ドイツ機関士労組ベルリン都市鉄道支部は、強烈なランク&ファイル運動で全ドイツからヨーロッパをとらえようとしている。その中心に動労千葉が位置しているではないか。
 国家総動員体制によってのみ近代戦は成立する。国内が分裂したままの戦争発動は革命に転化する。世界はかつてない世界革命情勢に突入している。この躍動する時代の中に自分と党を圧倒的に打ち立てよう!

人間生命の躍動が革命勝利の原動力

 すべての人間の意識は類的共同性においてあり、そこで無限の力を発揮する。人間は意識の世界において、対象の中に物語をつくり、無限の世界に遊ぶことができる。死者をも自分たちの世界に取り込み、引き継ぐべき意志としてともに存在することもできる。人びとの中で死者が思い出として生き続けること自体、人間的であり文化なのだ。
 第2次大戦の惨禍をへて、労働者階級は革命の課題を全人類的視野でつかんだ。そして人類とその文化の多様化こそ生命の発展の姿であり、躍動そのものであることを学んだ。米帝に象徴されてきたブルジョア民主主義は、プロレタリア世界革命抑止のために多様を建前としながら、安く、手軽で便利という合理性と能率性で社会を画一化した。
 しかし、ブルジョア社会は、あらゆる欲望がたやすく満たされ、限られているはずの時間が耐えがたい重さでのしかかる。抑圧された人間の不幸を紛らわすために空虚な刺激が娯楽として商品化され、社会全体を満たす。絶えず欲望があおられ、満たされないことへの欲求不満が蔓延(まんえん)する。こうして類的精神活動である人間意識の画一化と蹂躙(じゅうりん)によってしか成立しなくなっているところに、ブルジョア社会と国民国家の人類史的終焉(しゅうえん)がある。
 資本主義は、この人間意識の精神的発展を物質的支配で破壊し、再び国民国家の虚偽の共同性の中に暴力的に組み込もうとする。しかし、私たちは表面的現象の中に深く本質を見ることができる。類的存在としての労働者階級人民は、どんなに過酷で厳しい状況下にあってもその豊かな精神活動を積み重ね、決定的な後継者たちを新たに広く深く生み出している。人間存在に対する傲慢(ごうまん)なブルジョア的人間観ではけっして見ることのできない精神世界の豊かな変化をはっきりと感じよう。韓国やアメリカで起きていることと日本はけっして別ではない。
 共産主義運動とは、類的共同性において労働者階級の決定的闘争で全人民の命の多様性と豊かさを解放して行く運動である。共産主義者とは、愛と誠実という地上において最も激しい闘いを貫く者なのだ。

3月決戦に勝利し動労総連合拡大へ

 2017年決戦、とりわけ3月決戦は、革命的共産主義運動の歴史的勝利をはっきりさせる闘いだ。革共同が日本共産党スターリン主義や体制内諸勢力の幻想と革命への制動を根底から食い破り、真に労働者階級人民自身の党に飛躍する決戦である。
 それは党と全党員が、自らの歴史を人類史の到達点において打ち立て直す闘いだ。だから党は労働者階級人民一人ひとりの物語を大切にし、その中に生きることをとおして労働者階級人民自身の大河の物語になる。革共同は、本多延嘉前書記長や中野洋前動労千葉委員長をはじめとする幾多の党員、日本労働者階級人民の死を引き継ぐべき意志として存在させ、ともに命の限りにプロレタリア革命に進撃するのである。
 非正規職2千万人解雇を水路とする総非正規職化攻撃との2018年攻防は、「第2の国鉄分割・民営化」との激突として闘われる。「3・4ダイヤ改悪」に対する3・4―5連続闘争をとおして動労総連合青年部を建設しよう。
 カクマル派の「組織現実論」は、国家権力と資本の最悪の手先として組織的に延命することを「闘い」として正当化する反革命理論だ。その組織的運動実体こそJR東労組である。新自由主義の崩壊と動労千葉・動労総連合の存在と闘いによって、この反革命「組織現実論」の最後的破綻が進行している。
 2・10JR東労組の臨時大会はその根底的危機を示し、2・12国鉄集会はそれを決定的に促進した。
 動労千葉を先頭とする動労総連合の3・4ストライキと3・5JR本社弾劾闘争で鮮烈に切り開かれる3月決戦とは、そのままJRの青年労働者を焦点とする空前の階級決戦だ。JR東日本は、社会丸ごと民営化と総非正規職化を進める日帝・安倍政権の先兵となって生き残りをかけている。ダイヤ改定と春闘をめぐる闘いは、全面民営化「選択と集中」による人間社会総破壊との最先端の闘いだ。3月決戦は、被曝強制と福島切り捨てをめぐる6年目の「3・11」決戦である。その最悪の先兵もまたJR東日本だ。3・31常磐線浪江延伸との闘いを、動労水戸・動労総連合を先頭とする国鉄決戦を基軸に闘う。
 3・11郡山をめぐるすさまじい弾圧の中に、福島と革命をめぐる攻防がある。だから党が弾圧にひるまず闘うことで、人びとの深く陸続たる決起が生み出されていくのだ。そこに新たな治安維持法=共謀罪を打ち破る核心がある。
 世界革命の一環としての日本革命の勝利、革共同と労働者階級人民の勝利は、動労千葉と動労水戸の魂からの団結を震源地とする。党がこの団結の中に立ちきることで、動労総連合全国建設と東京・大阪決戦を軸とした全産別決戦が成立するのである。
 ロシア革命100年をめぐる世界史的攻防を革共同結成60年、国鉄闘争30年の全地平をかけて闘う。その基軸中の基軸は、動労千葉であり動労水戸だ。国家権力や反革命の攻撃を、動労千葉・動労水戸―動労総連合の団結拡大で打ち破ろう。

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