被曝と帰還強制を許すな 反原発3・11郡山集会へ 福島からの訴え ①
被曝と帰還強制を許すな
反原発3・11郡山集会へ
福島からの訴え ①
3・11反原発福島行動17が郡山市の開成山公園・野外音楽堂で開催される。帰還強制と甲状腺検査打ち切りを絶対に許すな。韓国・アメリカのような労働者民衆の闘いで原発再稼働を阻止し、戦争・改憲に突き進む安倍政権を打倒しよう。3月11日、全国から郡山に集まろう。福島で闘う人びとからの熱い訴えを、今号から4回にわたり掲載します。(編集局)
国家暴力にストで闘おう
実行委員長・動労福島委員長/郡山市 橋本光一さん
アメリカではトランプが保護主義を強力に展開し、一気に世界戦争にすら行きかねない情勢です。私も昨秋、訪韓して実感しましたが、韓国はすでに革命前夜情勢です。日本では、貧困・格差への労働者の不満や福島の原発事故、沖縄の基地への労働者人民の怒りが沸騰しています。
日帝・安倍政権は危機的状況であり、その打開のために、労働者の権利を奪いつくし資本の奴隷状態へ落とし込める「働き方改革」を推し進めようとしています。30年前、国鉄分割・民営化を新自由主義への転換の壁の突破としてやったのと同じように、労働法制解体をJR東日本における全面外注化・総非正規職化で突破しようとしています。そのためにJR東日本が東労組・カクマルの切り捨てを公然と開始したことが1月の36(サブロク)協定問題で明らかになりました。
私が働く郡山総合車両センターでも来年度業務計画が出され、外注化や新型車両の影響で業務量において前年比おおむね4分の1の減(約64人分の業務量減)という提案がされています。退職再雇用者数がピークを迎える中で、職場では不安の声が上がっています。関連会社においては、JRからの出向者の急増による「玉突き」で職場から追われるのではないかという不安はもちろん、最低賃金すれすれでこき使われていることへの怒りが充満しています。
「署名」に大反響
福島原発事故から6年を迎え、福島では自殺者が増えています。避難先から帰還した人が自殺しています。何の責任も取らず帰還だけはせかす国や、支援打ち切りを早々と決めた県への怒り、甲状腺検査の縮小などへの根底的な不信と怒りがある一方、「復興・安全キャンペーン」のもと、福島県民は分断され孤立させられています。
「被曝と帰還の強制反対署名運動」は、分断された怒りをひとつにまとめあげ、東電はもちろん国と県の責任を最後まで追及していくものとして始めました。反響は大きいです。職場の仲間も積極的に協力してくれます。
原発事故によって奪われた、あるいは新自由主義によってすでに奪われていた労働者人民の共同性を奪い返すためには、労働組合が力ある勢力として全身全霊の共同性を示していく闘いが必要だと思っています。動労福島として、ストライキを含めた3月闘争を全力で闘う決意です。
外注化をはじめとした合理化を会社は暴力的にやってきます。原発政策も暴力的です。労働者の権利を守れ・鉄道の安全を守れ・住民の健康・生活を守れと語っているだけでは資本家や国家権力には痛くもかゆくもありません。だから会社の暴力、国家の暴力を、労働者の共同性による暴力のもとに、すなわち、ストライキで組み敷くのです。ゼネスト情勢は虐げられている職場・地域ほど強く存在します。そこにいる人は、革命を実現しようとするかけがえのない人たちです。人を見るときに「こいつはダメだ。あいつとは合わない。彼には無理だ」などと人間を個別に見ることは間違いです。あらゆる人たちを資本の不正義と闘う社会変革の担い手だと感じることです。
「燎原の火のごとく」にはその前があります。「一点の火花」です。それがわれわれです。
ゼネストめざし
労働者は一人では立ち上がれません。だから、その一人のために私たちがまず立つのです。被曝と帰還が強制される福島で、分社化・転籍といった全面的な外注化・合理化に向けた攻撃が吹き荒れるJRで、まず動労福島が立ちます。
30年前、自己保身だけで転向した動労カクマルは、いまや労働協約やスト権までもてあそび、現場組合員にすら相手にされなくなっています。カクマルと最終決着をつけ、韓国とアメリカの革命情勢に続く日本におけるゼネスト情勢を大きく切り開きましょう。
3・4JRダイ改阻止・外注化阻止闘争、3・11反原発福島行動の3月決戦、2017年決戦で、JR平成採の組織化をかちとる決意です。3・11郡山への結集よろしくお願いします。
福島の現状を見てほしい
全国農民会議共同代表/本宮市 鈴木光一郎さん
福島原発事故からまもなく6年となります。政府は「放射線は下がった、早く戻れ」と、オリンピックのスケジュールに合わせて住民を帰還させようと躍起になっていますが、そんな政府を信じられますか。
原発事故直後、避難した多くの人びとは、自分の気持ちを語る言葉まで奪われてしまった。しゃべろうとしてもただ涙がこぼれて言葉にならない、表現できないという状態が続いたのです。あれから年月はたち、自分の家に戻った方もいるが、原発事故の痛手・打撃はのりこえられたのか。常磐線を無理やり開通させて、賠償も打ち切り、復興を宣伝しているが、安全を無視した帰還強制であり、住民の生活と気持ちに寄り添うものではまったくない。
安倍政権は、3・11福島第一原発事故の世界史的な意味について、このとてつもない大災害について、何の総括もしていない。誰一人として責任を取ることなく、原発再稼働を進めています。このことに本当に怒りを覚えます。
動労水戸に感動
原発が造られた町で原発に賛成している住民の方々に私は訴えたい。福島の現状を見てほしい。住民の生活と心をずたずたにした3・11は、次にどの原発で起こってもおかしくないのです。
つい先日も震度6の大きな地震が福島で起きました。第一原発がまた爆発するのではないかという悪夢がよぎり、心底おびえる日々。それが今の福島なのです。
以前に新聞記事に載っていましたが、ドイツの人が福島を訪れて事故の影響と原発の現状を調べて、「福島がこんな状態なのに、日本人はなぜ原発をやめようとしないのか」と質問してきたそうです。その通りです。
福島には第二原発もありますが、「廃炉を決定せよ」という声が強いにもかかわらず、東京電力は絶対に首をたてに振らない。明らかにほとぼりが冷めたころに再稼働することを狙っているわけです。
東電に対する責任追及のやいばは、年月がたつ中で鈍化している気がします。「原発絶対反対」という確固とした立場から、私たちが声を上げなくてはなりません。政府と電力会社の責任をあいまいにはできません。
動労水戸をはじめ動労総連合のみなさんは常磐線開通に断固反対し、県民の立場、労働者階級の立場、労農連帯の立場に立って真剣に行動し闘っている。このことに私は心底感動し、共感を覚えます。
オリンピックは原発事故隠しの〝イチジクの葉〟。福島の人びとはみな分かっています。家族がばらばらにされてふるさとに帰れない。帰っても家は老朽化し、掃除もままならない。福島から避難した子どもが、いじめに遭う。この現実をそのままにしておいて、何がオリンピックかと!
三里塚と一体で
ただちに各地の原発の再稼働をやめさせよう。すべての原発を止め、そこからやり直そう。福島を元通りに戻せ。それが私たちの願いです。
そして、大資本を中心にして動くこの社会を根本から変えない限り、原発はなくなりません。安倍政権は「中小の農家はいらない。大企業が農業ビジネスでもうかればいい。原発再稼働を進め、安全は二の次三の次。海外にも輸出しよう」と、この道を進んでいます。
私たちにすれば、「こんな事故が起きる前になぜ原発を止められなかったのか」という思いがあります。この悔しさを力に変え、安倍政権を打倒しなければなりません。
三里塚では国家権力と成田空港会社が市東孝雄さんの農地を奪おうとしている。全国農民会議は反対同盟に連帯し、強制執行を絶対に阻止することを確認しました。50年を超えて闘う三里塚の正義を全国の人びとに知らせ、ともに農地を守ります。三里塚と福島の闘いはひとつです。
福島に心を寄せる全国の方々に感謝しつつ、みなさんが3・11反原発福島行動に大挙参加されることを望みます。ともに闘いましょう。