トランプ・安倍を打倒しよう アメリカ労働者と連帯を 全国から2・12国鉄集会へ
トランプ・安倍を打倒しよう
アメリカ労働者と連帯を
全国から2・12国鉄集会へ
トランプは突拍子もなく何をするか予測不能だというような論評が多い。だが、トランプの粗暴さは、個人の問題ではなく、絶望的な危機にあえぐ資本主義そのものの姿だ。その危機の核心に、労働者の組織的な闘いがある。リーマン・ショック後の大恐慌と生活破壊に対する怒りの爆発が何度も抑圧されたすえに、粘り強い組織化によって再建・強化され、勝利する勢力へ発展しているのだ。韓国ゼネストを先頭にして、アメリカで、全世界で革命が始まっている。2・12国鉄集会に結集し、日本でゼネストをつくり出そう。
差別の扇動は分断のため
トランプは、予備選の最初から、労働者の団結を破壊するために全力をあげた。「イスラム教徒の入国を認めない」「メキシコ人は犯罪者」などと宗教や人種、性を理由にして罵倒する演説を繰り返した。「移民がアメリカ人の職を奪っている」として、自分があたかもアメリカの労働者の立場に立っているかのように押し出した。
そしてそのトランプ演説をアメリカのマスコミは他の候補全員の合計に匹敵する時間を使って放道した。資本家にとって労働者の団結ほどこわいものはない。だから、労働者を他の労働者と分断し対立させることを狙ったのだ。
労働者の怒りはたまりにたまっている。2007〜08年のサブプライムローン崩壊・ウォール街崩壊(リーマン・ショック)の後、共和党ブッシュ政権と民主党オバマ政権は、数兆㌦の公費を使って金融資本を救済した。また、ゼネラル・モーターズ(GM)を破産させ、GMの本拠地、デトロイト市も自治体破産させた。GMやデトロイト市の金融資本への借金返済を優先させる一方で、労働者が積み立てた年金や医療基金は奪われた。ローンで家を買った人は、延滞していないのに「手続きミス」をつくり上げて住宅を差し押さえられるなど、露骨な金融詐欺が横行している。バンク・オブ・アメリカなど巨大銀行が主犯だ。
公教育・労組破壊と闘う
怒りは、全世界に共通している。
トランプは当選後、すぐに韓国のパククネ大統領に電話し、「断固として支持する」と約束した。韓国の労働組合のナショナルセンター、民主労総のゼネラルストライキを先頭にした民衆の総決起で、パククネが倒され、革命が起きることに恐怖しているのだ。
国務長官に指名されたティラーソンは、南中国海の島への中国船のアクセスを阻止すると言明した。公海で他国の通航を阻むことは戦争行為だ。トランプは軍・産・大学が一体となった軍需生産・軍事研究の拡大、核兵器の刷新や天井なしの軍事予算増大を言明している。現在株価を上昇させているトランプの「経済政策」とは軍産学複合体の拡大であり、新たな朝鮮戦争、対中国戦争、世界戦争への道だ。
安倍も必死に日米同盟にしがみつき、排外主義をあおり、朝鮮戦争に向かっている。
就任式典の翌21日、全米で巨大な反トランプ集会・デモが行われた。特に注目すべきなのが、全米動員で行われた首都ワシントンに匹敵するといわれるロサンゼルスの75万人の闘いだ。
ロサンゼルスでは、労働組合とメキシコ・中南米の住民団体が積極的に集会を準備した。UTLA(ロサンゼルス統一教組)は、式典の前日、トランプの反労働者政策、反移民政策、そしてベッツィー・デボスの教育長官への指名に反対して、各学校前でのピケット闘争を行った。組合員を先頭にして、他の諸労組や保護者・生徒が参加し、これが、21日の大結集のバネになったのだ。そしてUTLAと連携して全米200の市町村で同様の闘いが行われた。
デボスは、デトロイトのあるミシガン州の大富豪で、巨額の献金で州知事(共和党)や州議会(民主党)を支配下に置き、デトロイト市を「非常事態管理人」の独裁体制下に置いた。そこでやったことが、市の学校のチャータースクール(公設民営校)化だった。
「選択の自由」がデボスのうたい文句だが、実際には保護者・生徒に自由はない。公立学校の閉校で、チャーターを選ばざるをえなくさせられたのだ。「民間のほうが良い教育」もうそだ。公立学校の教職員組合は「テスト漬け教育反対」の闘いをしているが、チャータースクールでは、組合を排除している。テスト点数至上主義だ。にもかかわらず、スタンフォード大学の調査によれば、ミシガン州の80%のチャータースクールのテストの平均点は、州の公立校の平均点より低い。
チャータースクールは公立学校の破壊・労働組合破壊、地域破壊・都市再開発利権のためのものだ。
デボスは、さらに〝学校バウチャー制〟導入を推進している。バウチャーは、新自由主義の元祖といわれるミルトン・フリードマンが提唱したもので、私立学校の授業料として使える金券だ。この制度によって、営利学校や宗教学校が税金で支援され、公立校は閉鎖に追い込まれる。
「労働者が社会の主人だ」
トランプ政権は、労働者の団結と組織化の飛躍的な前進に震え上がった資本家階級の代表だ。だから、労働者の中にクサビを打ち、分断することに全力を注いでいる。
だが、既成の労働組合をのりこえるランク・アンド・ファイル(現場労働者)労働運動は、「労働者の労働なしには社会は一日も動かない。労働者が本当の主人」という自信に満ちてトランプと闘っている。
21日の全米数百万の巨大な闘いは、参加者があまりにも多く、集会に向かう道路も鉄道もいっぱいになり、数時間も待たされることが続出した。しかし、「いらいらする人は誰もいない。券売機の使い方を教えあったりした。中南米出身者、白人、黒人がそれぞれの経験を語りあった。一つの分野の闘いをしている人が別の分野の闘いを聞いた。初対面の人同士、あんなに盛り上がったのは見たことがない」(フロリダ州マイアミの集会に参加した人の感想)
この団結の中に新しい社会の芽がある。革命は始まっている。