韓国 サムスンTOPの拘束求め 雪のソウルに32万人
韓国 サムスンTOPの拘束求め
雪のソウルに32万人
拘束令状棄却で怒りの決起拡大
「すでに国民の要求は単なるパククネの退陣を超えた。今回の機会に間違った社会を変えなくてはならない」「根本的に解決されたものがひとつもない。パク大統領が弾劾されても、権力が入れ替わるだけだ。財閥の問題を解決できない政権交代は何の意味もない」(1月23日付ハンギョレ新聞が報道した1・21集会参加者の声)
21日に開催された「下野しろパククネ、変えようヘル朝鮮」第13回汎国民行動は、19日にソウル中央裁判所がサムスン電子副会長イジェヨンへの拘束令状請求を棄却したことへの怒りに満ちたものとなった。雪のソウル・光化門広場には前週の3倍にあたる32万人が駆けつけ、全国でも3万人以上が声を上げた。
イジェヨンの容疑は、チェスンシルの支配する2財団への贈賄だ。見返りにパククネがグループ会社の合併に賛成するよう大株主の国民年金公団に圧力をかけ、イジェヨンがサムスングループの経営権を継承できるように取り計らったのだ。
しかし結果は「大統領は弾劾できても、イ副会長の拘束令状は棄却される。『国の上にサムスンがある』」(同)というものだった。
民主労総のチェジョンジン委員長代行は集会で「罪を問われていない財閥こそが本当の『陰の実力者』だ。財閥共和国を解体することが真の勝利だ」「大統領の顔だけを換えて終わりではない。財閥体制を終わらせ、皆がともに生きる社会をつくることがキャンドルの命令だ」と訴えた。
サード配備撤回ソンジュ闘争委員会の代表も登壇し、配備予定地の住民たちが不屈に闘い続けていることを報告。サムスン電子サービスの労働者もイジェヨンの拘束を求める発言をした。また、パククネがセウォル号惨事を契機に自身に批判的な文化・芸術界関係者のブラックリストを作成させていた問題(主導した文化体育観光部長官と金淇春〔キムギチュン〕元大統領秘書室長は21日に拘束)をめぐり芸術家も発言に立った。集会後は青瓦台と憲法裁判所、財閥の本社や拠点に向けてデモが行われた。
革命に直結する財閥解体の闘い
「財閥解体」のスローガンが多くの労働者民衆をとらえ、怒りをひとつにしているのはなぜか。財閥が巨額の収益を上げる一方で、労働者階級の誰もが「ヘル(地獄)朝鮮」の生きられない現実にたたき込まれ、すさまじい階級社会の矛盾を肌で感じているからだ。
この現実は、労働者の闘いへの徹底的な弾圧を通じて生み出された。GDPの20%を占める韓国最大の財閥であるサムスングループは、70年以上も暴力的に「無労組経営」を貫き、偽装請負などの法律違反を好き放題行ってきた。サムスン電子は白血病の労働者への治療や補償を放棄し、労災認定も行わずに79人もの命を奪ってきた。
こうした財閥によって社会が牛耳られる中で起こったのがセウォル号惨事であり、今回の「チェスンシルゲート」事件だった。「財閥解体」は、1%が99%を支配する社会を根底からひっくり返したい、そして地獄のような職場を変え、労働者が人間らしく生きられる社会をつくりたいという思いの詰まった革命のスローガンそのものだ。
韓国の財閥は政治的にも経済的にも日帝と深い結びつきをもっている。改憲と労働法制改悪を狙う安倍を倒し、韓国の革命完遂へともに闘おう。