アメリカは革命情勢だ 全世界労働者人民の怒りの決起でトランプ打倒しよう 豊洲移転白紙撤回、安倍・小池倒せ

週刊『前進』04頁(2815号01面01)(2017/01/30)


アメリカは革命情勢だ
 全世界労働者人民の怒りの決起でトランプ打倒しよう
 豊洲移転白紙撤回、安倍・小池倒せ


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 トランプの米大統領就任は、世界をいや応なく革命情勢へと突き動かしている。トランプがやろうとしているのは、アメリカ帝国主義が第2次世界大戦をとおして自らつくり上げてきた米帝基軸の戦後世界体制を暴力的に破壊することだ。世界経済の大分裂とブロック化、世界の大国による資源・市場・勢力圏の力ずくの奪い合い、新たな世界戦争への突入だ。だがこのトランプ政権登場に対し、全米・全世界で労働者人民の巨大なデモが直ちにたたきつけられた。韓国に続いてアメリカでも、プロレタリア革命への闘いがついに始まった。これに連帯し、日本でも労働者階級の総決起をつくり出そう。

アメリカ労働者階級の歴史的決起が始まった

 1月20日、トランプが第45代アメリカ大統領に就任した。就任式での演説でトランプは、「米国を再び偉大な国にする」と「アメリカ第一」を幾度も前面に掲げた。式典の直後には、TPP(環太平洋経済連携協定)からの「永久離脱」を表明。NAFTA(北米自由貿易協定)の再交渉、そして「不法移民排斥」を掲げ、むき出しの保護主義と排外主義の政策にのめりこんでいる。
 これに対してアメリカの労働者階級はついに1930年代をも超える歴史的決起を開始した。トランプの就任式典は「ダンプ・トランプ(トランプを放り出せ)」と叫ぶ全米数百万人の怒りの声に直撃された。
 就任式前日の19日には全米200以上の都市で教職員組合が学校の門前にピケットを張り、トランプ政権反対の統一行動に立ち上がった。20日には、ILWUローカル10(国際港湾倉庫労組第10支部)が全組合員の総決起で港湾作業への就労を拒否し、米西海岸・オークランド港を停止に追いこんだ。21日には、女性たちが呼びかけた反トランプの集会・デモがワシントン70〜80万人、ロサンゼルス75万人、ニューヨーク40万人、シカゴ25万人、ボストン17万5千人などの巨大な規模で爆発した。闘いは全世界に広がり、80カ国600カ所以上でデモが闘われた。
 その先頭に立ったのは、AFL―CIO(米労働総同盟・産別会議)の既成指導部による抑圧と統制を突き破って、新自由主義と非和解で闘うアメリカ労働運動の新たな潮流を形成してきた労働者や労働組合だ。
 大統領選でのクリントンの敗北は、民主党の地盤だった五大湖周辺の伝統的な工業地帯において労働者が民主党から大量に離反したことが決定的な要因だ。AFL―CIOは、共和党と同じく資本家階級の政党である民主党を「労働者の味方」であるかのように言い、それへの支持を労働者に強制してきた。だがオバマ政権の8年間は、民営化・外注化と労組破壊、地域社会の解体、警官による黒人虐殺や空前の移民250万人の強制送還、中東での戦争の拡大としてその正体をさらけ出した。トランプはこの情勢に支配階級としての危機感をつのらせ、「移民に奪われた雇用をアメリカ人の手に取り戻す」と叫び、差別・排外主義をあおり立てることで労働者の分断を必死に組織して大統領の座をかすめとった。
 しかし今やこのトランプの対極で、ランク&ファイル(現場労働者)を軸とした労働運動の新たな潮流が、AFL―CIOの腐敗した指導部を打倒し、その破産を革命的にのりこえる勢力として登場した。トランプと真っ向から対決し、民主・共和の2大政党による支配を打ち破り、アメリカ社会の全面的な変革を求める闘いが始まった。その中心にはUTLA(ロサンゼルス統一教組)やILWUなど、日本の動労千葉との国際連帯を長年にわたり築いてきた労働組合がいる。
 この労働者の階級的団結と戦闘性がトランプ支持者を圧倒し、トランプ政権に発足と同時に大打撃を強制しているのだ。韓国で始まった革命に続き、新自由主義的帝国主義の最も凶悪な中心である米国がついに巨大な革命情勢に突入したのだ。

保護主義と世界戦争の道に突進するトランプ

 トランプはむき出しの保護主義・排外主義とともに、アメリカ人のための「雇用創出」を公約の筆頭に掲げている。だがトランプの「雇用創出」など完全なでたらめでしかない。それは間違いなく、一層激しい労働者の分断と排外主義・国家主義、戦争への動員となっていく。
 なぜなら、トランプこそが「世界で最も豊かな8人が貧しい36億人分もの資産を保有している」という今の世界の現実そのものであるからだ。トランプ自身が巨大不動産会社の会長兼社長で、カジノやホテルをも経営する大富豪だ。トランプが指名した国務長官は世界最大の石油資本エクソン・モービルの会長兼最高経営責任者であり、国防長官はイラク戦争で悪名高い「ファルージャの大虐殺」を指揮した。
 巨大金融資本ゴールドマン・サックスの幹部が財務長官に指名されるなど、トランプ政権の実体はウォール街を支配する一握りの大ブルジョアと「戦争屋」の軍人だ。「アメリカ第一」とは米国の巨大資本の利益を一切に優先し、大恐慌の中で彼らだけが他の99%を犠牲にして生き延びるためのスローガンだ。
 そこにあるのは、アメリカ帝国主義の危機のすさまじい進行である。これまでの支配体制が崩壊する中で、労働者人民による革命の切迫に恐怖しその圧殺に必死になっている米帝ブルジョアジーの姿だ。同時に、これまでの争闘戦の域を超えたむき出しの保護主義への転換によって、米帝を基軸に形成された戦後世界体制を自ら破壊し、世界経済の分裂と新たな世界戦争・核戦争への道を開くものである。
 すでにトランプは「力による平和」「テロ撲滅」を宣言し、「他国が米国の軍事力を上回ることがあってはならない」と叫んで大軍拡と戦争に突進し始めている。これに対して他の帝国主義、中国やロシアなどの大国の支配者も、各自の生き残りをかけてこれまでとは次元を異にする争闘戦にのりだしている。
 韓国では、トランプ登場と米日韓軍事同盟による朝鮮戦争が切迫する情勢の中で、これと真っ向から対決する闘いが民主労総を先頭にますます燃え上がっている。労働者階級の団結した力こそが戦争を止める! トランプ打倒へ闘うアメリカの労働者人民、パククネ完全打倒と財閥解体に向かって進む韓国労働者人民と連帯し、彼らに続いて今こそ総決起しよう。

動労総連合建設を軸に日本革命勝利へ前進を

 トランプの米大統領就任は何よりも日本帝国主義・安倍政権に激しい打撃を与えている。米帝トランプ政権は日帝を保護主義の最大のターゲットのひとつにしている。安倍は今やどんづまりの危機に陥っている。
 安倍はトランプが大統領に就任した1月20日、通常国会冒頭の施政方針演説で「日米同盟こそわが国の外交・安全保障政策の基軸、不変の原則」と述べた。さらに安倍が「TPP協定の合意は今後の経済連携の礎となる」と言った直後に、トランプは「TPPからの永久離脱」を公然と宣言した。
 「アメリカ第一」を掲げたトランプの激しい対日争闘戦を前にして、安倍に残された選択肢は唯一、安倍自身が「ミニ・トランプ」となることしかない。「日本第一」を掲げて独自の軍事大国化と戦争・改憲、争闘戦激化へしゃにむに突き進む以外にない。だがそれは、労働者人民との大激突を不可避とし、安倍の危機をますます深めるものとなる。
 釜山の日本総領事館前の少女像設置に対し、安倍は駐韓大使の一時帰国という戦争的対応に出た。だがこの居丈高な脅しは韓国人民の怒りの火に油を注ぐものとなり、身動きのとれない窮地に安倍を追い込んでいる。
 重要なことは、国鉄決戦の最先端の攻防の中からすでに、新たな時代を切り開く闘いがほうはいと巻き起こっていることだ。動労千葉・動労水戸を軸にして国鉄分割・民営化との30年間にわたる死闘を勝ちぬいてきた国鉄闘争こそ、日本におけるゼネスト情勢を現実に引き寄せる力をもっている。
 韓国鉄道労組と民主労総の闘いは、新自由主義と非和解で闘う労働組合の存在が労働の誇りと共同性を奪い返す拠点となり、ゼネストの震源地となることを鮮明に示した。とりわけ鉄道労働者の闘いは決定的だ。
 日韓鉄道労組の強固な連帯を軸に、ドイツ、アメリカ、中国にまで鉄道労組の国際連帯が広がっている。この国際連帯をさらに強めよう。
 「もうたくさん! 民営化と競争原理やめろ 国鉄分割・民営化で不当解雇から30年 2・12国鉄集会」の成功へ、すべての仲間の力をひとつにして進もう。動労千葉・動労水戸―動労総連合を先頭として全産別・全職場で民営化・外注化・総非正規職化と徹底的に闘い、社会をむしばむ新自由主義を終わらせる闘いに立ち上がろう。
 東京都丸ごと民営化を狙う小池都知事を倒す都労連決戦は、その重要な一環だ。築地市場の豊洲移転絶対阻止を突破口として闘おう。

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