新共謀罪の国会提出許すな 朝鮮戦争に向け「テロ準備罪」
新共謀罪の国会提出許すな
朝鮮戦争に向け「テロ準備罪」
安倍は、1月5日、組織的犯罪処罰法改悪案=新共謀罪を、20日に始まる通常国会に提出すると自民党役員会で明言し、国会提出予定法案のリストに盛り込んだ。安倍は「テロ等組織犯罪準備罪」という言い換えを行い、「東京五輪開催対策」を強調している。 しかし、その狙いは朝鮮侵略戦争のための「治安維持法の復活」にほかならない。
「計画した」と見なせば犯罪
1925年制定の治安維持法は、「国体ヲ変革シ又ハ私有財産制度ヲ否認スル」「目的ヲ以(もっ)テ其(そ)ノ目的タル事項ノ実行ニ関シ協議ヲ為シタル」者を罰するとして、「実行協議罪」を規定していた。事実行為を前提とせず、直接に治安弾圧を目的としている点で、共謀罪はこれと共通する。
共謀罪は、過去3回も法案が提出されながら廃案に追い込まれてきた。治安弾圧、団結破壊の悪法であることが徹底的に暴露されたためである。昨秋の臨時国会への提出も取りざたされていたが、結局見送られている。追い詰められた末の、ぎりぎりの提出策動だ。
共謀罪は、組織的犯罪処罰法に、実行行為がなくても2人以上が「計画した」と見なせば犯罪が成立するという条項を加えるものである。しかし、廃案に追い込まれた「共謀」と、今回の「計画」のどこが異なるのか。また、罪が成立する構成要件として、「実行のための資金または物品の取得その他の準備行為」を新たに加えるなど、より凶悪な法案に仕立てているのだ。
国家権力と徹底的に闘う労働組合や労働者の政党を「組織的犯罪集団」と規定することで、「新共謀罪」は、革命党や闘う労働組合の破壊を狙う性格をいよいよ強めた。対象となる罪は、これまでと変わらず「法定刑が4年以上の懲役・禁錮の罪」であり、窃盗、道路交通法違反、公職選挙法違反などが含まれ、その数は700に上る。
「新捜査手法」と表裏一体だ
共謀罪は、犯罪と結びつくような行為が発生していないところに犯罪をつくり出すものである。これまでの「犯罪」や「捜査」に対する考え方を根本的に転換する。適用するかしないかの線引きは100%権力に委ねられる。ほしいままに弾圧の対象とタイミングを決めることができる。
客観的に判別できない段階で「犯罪」が成立するとする以上、その「捜査」は盗聴やスパイによる情報収集など密行的なものに頼らざるをえない。結局、昨年成立した、盗聴拡大や司法取引(取り調べで仲間の罪を証言すれば減刑される)などを可能とする「新捜査手法」が、こうした「準備行為」を証明するために、警察や司法権力によって徹底的に利用されることになる。
盗聴については、NTTなどの通信事業者の立ち会いを要せず、警察署内で盗聴を行うという大転換と、通信傍受可能な範囲を傷害、窃盗、詐欺・恐喝、児童ポルノなどにも広げるという適用範囲の飛躍的拡大とが行われた。これまでも捜査機関における盗聴が横行していたことは「公然の秘密」であったが、それが合法化され、有罪認定をするための証拠として法廷に提出されることになった。
共謀罪は、これらの手法がなければそもそも有罪立証が困難である。まさに「新捜査手法」と共謀罪は表裏一体のものである。
韓国ゼネストに震える安倍
新年早々のこの時期、安倍が共謀罪成立を目標とすると明言したのは、韓国・民主労総ゼネストを先頭に開始された世界革命情勢に対する恐怖からである。安倍は、朝鮮侵略戦争のための治安弾圧法体制の柱として、ぎりぎりの日程で「新共謀罪」導入を狙っている。
「テロ対策の必要性は理解できる」などという言い草では、東京五輪を口実とした新共謀罪を阻止することなど不可能である。特定秘密保全法、新捜査手法、そして新共謀罪。「現代の治安維持法」体制の構築である。 「国際連帯と団結破壊の新共謀罪はいらない!」「共謀罪を粉砕し朝鮮侵略戦争を阻止しよう」と真正面から暴露しよう。通常国会への新共謀罪提出を許すな。
「現代の治安維持法と闘う会」が呼びかける1・19霞が関街宣から3・22集会へ、新共謀罪の国会提出を阻止しよう!
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◎新共謀罪国会提出阻止!
霞が関昼休み街宣
1月19日(木)正午〜午後1時
東京地裁前
◎新共謀罪粉砕!国会提出阻止集会
3月22日(水)午後6時30分
日比谷図書文化館(日比谷公園内)
主催 現代の治安維持法と闘う会