高槻医療福祉労組がスト 一時金低額・分断回答に怒り
週刊『前進』04頁(2811号02面04)(2017/01/16)
高槻医療福祉労組がスト
一時金低額・分断回答に怒り
(写真 「ともに闘おう!」などと書かれた職場の労働者80人近くから寄せられた応援メッセージを背に、スト突入集会で訴える村山委員長【12月21日 高槻市】)
12月21日、高槻医療福祉労働組合が結成以来初となるストライキに突入しました。このストライキは、16秋闘における一時金交渉において、大阪府高槻市の富田町病院など四つの医療・福祉関連法人のうち1法人のみ0・5カ月分という超低額回答を出してきたことに対するものです。高槻医療福祉労組はこの4法人の労働者を組織する労働組合です。経営がほぼ一体であることから、労組は4法人統一回答を要求し続けており、昨年の夏季一時金は1・2カ月の統一回答を得ました。労組は今回の分断回答に対し、統一回答と一時金アップを要求して、村山裕子執行委員長を先頭に5人の組合員が全日・半日のストに立ちました。
リボンとメッセージで団結拡大
スト当日の朝、当該法人の健康会の職場を中心に、富田町病院など関連事業所3カ所で「本日スト決行!」と書かれたビラが配布されました。出勤する労働者にはストライキ連帯の意思を示す赤いリボンをつけた方もおり、「ともに闘おう!」などと書かれた応援メッセージが80人近くから集まるなど、ストライキが職場全体に広がっていることが感じられました。昼休みには、健康会の事業所前でスト突入集会を行い、地域へビラを配り支援を訴えました。植木団地労働組合や八尾北医療センター労働組合、動労西日本など、支援の仲間も多く応援に駆けつけました。植木団地の仲間や地域住民との団結の輪が広がり、「働く者が安心に暮らせるように頑張って!」と激励やカンパが寄せられたことは感動的でした。
夕方、総括集会を植木団地で行い、全日本建設運輸連帯労組関西地区生コン支部・北大阪Bブロックや動労西日本など多くの支援者が参加しました。集会の冒頭、村山委員長からストライキを貫徹したことが報告され、満場の拍手で迎えられました。ストライキに立ち上がった組合員からは「労働条件や賃金が保障されることなしに、患者さんや地域医療を守ることなどできません」「働きがいのある職場に変えていきたい」と思いが語られ、「ストライキで勇気をもらったと言われましたが、支援メッセージを読んで逆にこっちが勇気をもらいました」と、ストライキを通してますます職場に団結が生まれていることが報告されました。
命を守る闘いでゼネストを展望
その後、動労千葉、動労水戸、京都府職労舞鶴支部など13組合からメッセージが寄せられていることが報告され、連帯のあいさつが続きました。関西生コン支部は「命を守る医療労働者の大きな決断に敬意を表したい」とあらためて医療・福祉労働者がストライキに立ち上がった意義を確認しともに闘う決意を表明しました。八尾北労組の藤木好枝執行委員長は「ストライキに立ち上がった組合員の発言を聞いて涙が出てきた。この感動を八尾北労組の執行委員会でしっかり報告したい。この闘いは必ず労働者全体の怒りに火をつける」と、どの職場でも新自由主義による医療・介護の解体に対する怒りがあることを提起しました。その後、大阪北部ユニオンや動労西日本などの発言が続きました。高槻医療福祉労組の執行委員は「多忙と人員不足の中でドンドン仲間が辞めていく。患者さんの安全がなくなっていくことに対して、なんとかしたいという思いで執行委員になった」「今回職場で何度も討論する中で、みんな怒っているし立ち上がるんだということをつかんだ」とストライキに向かう過程での闘いを報告しました。
最後に、村山委員長が「経営はこれからも配転や首切りをしてくるだろう。しかし、団結した労働者は負けることはない」「戦争と総非正規職化が狙われている時代の中で一時金0・5カ月とは総非正規職化攻撃そのもの。今年の訪韓闘争に参加する中で、労働組合の闘いこそが民衆の決起をつくり出すということをつかんだ。地域医療を守るために、これからも頑張りたい」とまとめと決意表明を行い、総括集会を終えました。
集会の終了後は、植木団地の仲間が焼き芋やお酒などを準備してくださり、寒さで疲れた仲間を慰労しました。植木団地は今やストライキの出撃基地になっています。高槻医療福祉労組と植木団地との団結には、まだ小さいとはいえ、韓国・民主労総のゼネストと同様の、地域丸ごとのゼネスト決起をつくり出す展望があると思います。動労総連合を軸に、なんとしても日本でゼネストを切り開き、戦争と社会保障解体に突き進む安倍政権を打倒しましょう!
(北摂労組交流センター・事務局)