青年先頭に国鉄・都労連決戦へ 韓国と連帯し3月ダイヤ改定阻止を 青年の未来を取り戻す 労働運動よみがえらせ革命へ

週刊『前進』02頁(2810号01面01)(2017/01/12)


青年先頭に国鉄・都労連決戦へ
 韓国と連帯し3月ダイヤ改定阻止を
 青年の未来を取り戻す
 労働運動よみがえらせ革命へ

(写真 昨年11月12日、ソウルのパククネ退陣100万人デモに動労総連合も合流しともに闘った)

(写真 昨年12月10日、JR常磐線相馬―浜吉田間の運行再開に対し、「乗務員と乗客を被曝させるな」と仙台支社前で抗議行動)

青年労働者新年座談会

出席者(敬称略)
 小早川慧 動労総連合
 矢部和樹 動労総連合
 鮎川光希 動労総連合
 土山拓真 動労総連合
 藤枝 歩 動労総連合
 大重英太 動労総連合
 赤塚健夫 都市交通
 松阪悠生 自治体
 白鳥真央 自治体
 司会 編集局

 2017年は青年の未来をかけた大決戦の年だ。資本主義の崩壊が始まり、支配階級は自らの延命のために侵略戦争と労働者への階級戦争に絶望的に突き進んでいる。安倍や小池都知事も戦争・改憲と戦後労働法制解体を狙い、労働組合を破壊し、すべての青年を非正規職に突き落とそうとしている。だが昨年11月の東京―ソウル国際共同行動は新自由主義を打ち倒す労働運動の力を示した。日本では、国鉄分割・民営化反対30年の闘いの中から、青年による新たな労働運動のうねりが始まっている。今こそ階級的労働運動をよみがえらせ、歴史を動かそう。動労総連合の青年労働者を中心に労働運動再生の展望について大いに語ってもらった。(編集局)

矢部 労働者階級の力を実感
韓国労働者も同じ格闘 松阪

戦争阻止へ国際連帯

労働運動の闘いで100万決起実現

 司会 昨年11月、「朝鮮侵略戦争阻止・労働法制改悪阻止」を掲げて東京―ソウル国際共同行動が闘われました。まず訪韓闘争の感想からお願いします。
 藤枝(動労総連合) 100万人のデモは見たこともなかった。その中を突っ込んでいってすごく感動しました。職場の反応も行く前とでは全然違う。「藤枝くん、どうだった?」と盛り上がる。
 矢部(動労総連合) 労働者階級の力を実感しました。動労千葉訪韓団220人と動労総連合各単組の旗に韓国の労働者が大注目していた。「パククネ退陣!」「安倍打倒!」と一緒に声を上げ、労働者はひとつだと実感しました。日本でも100万決起を実現するイメージがつきました。
 白鳥(自治体) 100万決起は、民主労総がゼネストを闘い、指導部になって実現したんだけど、日本の報道はそれだけは絶対に伝えない。韓国ゼネストのDVDを職場とかで上映したことは決定的でした。
 松阪(自治体) 「財閥解体」も掲げていた。これは資本主義打倒の宣言だよね。韓国の労働者階級は野党もぶっとばして革命へ突き進んでいる。民主労総に続くのはわれわれ日本の労働者です。
 大重(動労総連合) 民主労総の組織率は3%で80万人ぐらい。社会全体からするとそれほど大きくはない。だけど2013年に鉄道労組が民営化反対の23日間のストで国民の7割が民営化反対になって、その後もパククネの労働改悪に何波ものストで国会提出を阻止し、与党セヌリ党も惨敗させた。労働運動の闘いがあれだけの運動を組織した。労働運動の可能性を見ることができました。
 司会 翻って東京での11・6労働者総決起集会はどうでしたか。
 鮎川(動労総連合) 前回より少し増えた。労働者が怒りを取り戻してきているよね。でも若者がまだ労働者の力を知らなすぎる。一人でも多くの人に知ってもらうために俺も職場でがんばっているわけだけど。発言を聞いて、JR本体での勝負に入るので、ともに闘っていきたいと思いました。
 松阪 一緒に闘ってきた人が自然に参加しました。闘う労働組合が結集軸になり始めた中で人が増えたんだと思います。
 土山(動労総連合) 韓国100万人に比べたら日本は5800人。だけど中身が濃い。安倍・小池打倒、非正規職撤廃、国鉄1047名解雇撤回。朝鮮戦争が迫る中で韓国の労働者は日本の労働者とともに戦争を止めるために訪日したんだと思います。朝鮮戦争阻止の国際連帯が築けました。
 大重 韓国の労働者は、日本にはここに労働運動の軸があるんだと感じて、勇気をもらったと答えていました。韓国で爆発した怒りは腐り切った新自由主義社会への怒り。それは日本も同じ。僕たち青年が先頭に立って労働組合運動をつくり、民主労総と並ぶゼネストを実現したいと思いました。
 松阪 民主労総は非正規職撤廃を真正面から掲げて闘っていて、そこでも正規と非正規の団結が大きなテーマとなっていることがわかりました。正規と非正規がひとつの組合で闘っている動労総連合ってすごいんだなと思いました。
 白鳥 韓国の労働者もそこを求めている。日本の動労千葉をはじめとする分割・民営化反対闘争のもつ位置は大きいですよね。
 松阪 韓国の格闘も僕たちと一緒。訪韓した時、「動労千葉はなんで闘い続けられるのか」と聞かれました。マルクス主義をどう打ち立てるか、労働運動で闘い抜く強さをどうつくるのかとかね。
 白鳥 あきらめそうになったり、改良主義的になっていく時に柱となるものがマルクス主義。常に体制内的になっていくこととの闘いに打ち勝ちながらゼネストをやってきたんだと思う。問われることは一緒なんだろうね。
 司会 11・6労働者集会では都労連傘下の労働者も登壇し、小池打倒を宣言しましたね。
 赤塚(都市交通) 小池の登場で印象に残っているのが築地の移転問題で「都庁の全職員を粛正する」と言ったこと。怒りで鳥肌が立ち、もう許せないと思いました。国鉄分割・民営化の時のヤミカラキャンペーンとまったく同じ手法です。パククネと小池はまったく一緒。民営化、非正規職化、規制緩和、労組破壊。日本のゼネスト情勢はやっぱり東京からじゃないのかと思います。それは都労連、とりわけその中心に据わるのが東交(東京交通労働組合)じゃないのかと。小池の正体を暴露していくことが重要です。

資本主義の崩壊と新しい労働者の党

 司会 国際共同行動でアメリカの労働者は「労働者の選択肢はヒラリーでもトランプでもない。労働者の党が必要だ」と言っていました。資本主義が崩壊し全世界で革命情勢が到来する中、新しい労働者の党が求められています。昨年7月の参院選で鈴木たつおさんを押し立て、私たちもその挑戦を開始しました。青年にとって労働者の党とはどういうものですか。
 藤枝 「鈴木たつおさんへの1票は自分自身への1票、革命への1票だ」と訴えたわけだけど、新しい党をつくらないと俺たちは資本家に食い物にされる。働いても給料上がらない。文句言えば首。組合立ち上げればいじめられる。おかしいじゃん。それを一緒に闘って変えようという叫びだよね。
 大重 鈴木さんだけは、議会じゃなくて労働者に力があるんだと訴えていた。労働者の党をつくるのは青年自身の闘いだよね。

鮎川 怒りの火に油注ぐ改悪
解雇阻止する現場の力 大重

労働法制解体に反撃

2018年問題と対決しストライキ

 司会 動労総連合の昨年の闘いはどうでしたか。動労千葉は、JRグループ会社・CTS(千葉鉄道サービス)で有期雇用労働者の一斉解雇を狙う「2018年問題」との闘いの口火を切りましたね。
 鮎川 CTSが昨年2月に「5年でいったん全員解雇」の就業規則改悪を提案してきました。限定社員制度をつくって、試験に合格しないと契約社員やスタッフ社員(有期雇用)はクビになる。合格して限定社員になっても、結局は最低賃金レベルで、なおかつ職種や事業所廃止によって解雇される名ばかり「正社員」。無期契約の非正規ですね。しかも月給制から時給制になったり、忌引きも無給。わずかな定期昇給もなくす。みんな怒りに怒っています。火に油を注いだんだよ、あいつらは。それで動労千葉がストライキで闘って4月1日には阻止しましたが、10月1日にはCTS労組が裏切って、会社は就業規則改悪を強行しました。
 大重 無期転換の際に会社が「申請―面接―判定」を行うと修正した。「いったん全員解雇」という本質は変わっていません。
 司会 ストはどうでしたか。
 大重 「就業規則改悪阻止! 非正規職撤廃!」を真っ向から掲げてJR本体の仲間がストに立ち上がったんです。グループ会社の労働条件に対して正規職と非正規職の組合員が団結して立ち上がったことは画期的でした。CTS労働者が動労千葉に結集しました。
 鮎川 動労千葉のJR本体の人たちが、下請けの問題は自分の問題だと闘っている。本体もグループ会社も関係ないし、労働者は労働者だと。一緒になって一生懸命に考えるし、団交もしてストも起こすと。逆に本体がぶち当たった問題はCTSの労働者も手伝うというか、助け合いですよね。ストではがんばってねと声をかけてくる人が多かったですね。支持してくれているなと感じました。
 司会 そして10月以降は新たな段階に入った。
 大重 2月の提案当初、会社は「無期雇用は班長や主任など、将来、職場の軸になる方を想定」などと言い放っていたけど、職場の怒りで「就労意思を示せば解雇しない」というところまで会社を追い詰めています。解雇を阻止するのはやっぱり現場の力。闘いはこれからです。
 鮎川 結局、組織拡大なんだよね。CTS労組のことは誰も信じていない。CTS労組が就業規則を認めたということで、やってられないと職場を辞めた人もけっこう出ましたね。でもはっきり言って楽しみなんですよ。3月から「申請―面接―判定」の手続きが始まり、怒りはますます渦巻いていくわけだから。春闘が勝負になります。動労千葉が多数派になれば絶対に粉砕できます。
 司会 動労千葉に対する信頼はやっぱり厚い?
 鮎川 ある意味、みんな動労千葉派。「動労千葉に変えて欲しいよね」と言われるけど、「動労千葉に入ってください」と言うと、「うーん」と。その壁をどうにかしたいです。
 小早川(動労総連合) みんなCTS労組が闘えないのはわかっている。その中で一人ひとりの労働者にこんな労働組合でいいのかと考えてもらうことが大事。そこでこちらが本来、労働組合はこうあるべきじゃないかと提起して、一緒に闘おうとなった人がすごい力を発揮する。そういう労働者が仲間になったら1人でも2人でもすごいことができると思うよね。

〝仕事を奪うな!〟外注化の矛盾噴出

 司会 外注化の矛盾も噴出していますね。
 小早川 外注化強行から4年がたつわけですが、現場では外注化が正しいという人は誰もいない。エルダー社員(定年退職した後、再雇用された社員)も出向解除で戻った青年も今までやってきた仕事を奪われる。JR東日本の冨田社長自身が事故の原因は水平分業にある、外注化にあると言っちゃっている。そんな人間が「事故で死人が出なかったのは神様が助けてくれたから」と言う。ふざけるんじゃねえと。日々現場の労働者が汗水流して、外注化され賃金減らされ勤務がきつくなっても、この仕事を放り投げたら安全が崩壊するという本当にぎりぎりのところでみんな誇りを持ってやっている。それをもぶっ壊すのが外注化だと思うんです。動労千葉の外注化阻止17年間の闘いが外注化の矛盾を暴きました。総連合全体で外注化粉砕へ闘っていきたいです。
 司会 動労西日本は広島印刷事業所廃止攻撃と闘ってきました。
 矢部 15年10月に廃止提案がされ、これは解雇攻撃であり、組織破壊・団結破壊攻撃だと見据えて絶対反対で徹底的に闘い抜いています。職場に組合ビラと『前進』2㌻号をまき続け、うちの組合員が絶対反対の立場に立ってやり切った結果、職場みんなが「辞めない、異動には応じない」となった。今までは御用組合がJR当局と一体となって現場を圧殺して妥結してきたんですが、これを全部ひっくり返して、解雇、出向攻撃を完全に粉砕する勝利をかちとりました。JR西日本発足以来、初めてのことです。JRは16年7月に職場廃止を強行しましたが、不当配転先の五日市駅では8月5日にストライキをやって、民主労総ソンソ工団労組の仲間もかけつけてくれました。勝利の地平に立って拠点建設へ向かっています。
 司会 昨年6月には動労東京が結成されました。
 土山 賃金も時給1000円もいかない職場で、人も足りない。生活ができないのでダブルワークしている人がほとんどですね。そういう現実を変えるために組合を立ち上げました。
 司会 動労神奈川は15年2月に清掃業務を請け負うJRグループ会社・東日本環境アクセスを中心に組合を結成し、激しい組合破壊攻撃を打ち破ってきました。
 藤枝 闘いまくった1年でした。同じ神奈川で不当配転と闘う郵政労働者とのコラボレーションで労働委員会闘争を始めたんです。環境アクセスで月8回夜勤の13万円の低賃金で3カ月更新で働いてきて、契約社員になれると聞いていたんだけど、なかなかなれない。組合をつくって闘ったら15年末でクビ。まったく許せない不当労働行為です。労働委員会をとおして解雇撤回へ闘う決断をしました。第1回労働委員会ではJR本体を引きずり出しました。
 小早川 動労神奈川は小田原にとどまらず、環境アクセスがある熱海にも闘いを拡大している。
 藤枝 小田原で毎月街宣やって、熱海でも街宣やりました。続けることが大事。ビラの受け取りもいい。小田原事業所所長の耳にも入ったらしく、「労働委員会やるの」と言ってきたから、「あなたを追い出すためにやるよ」と言い返しました。職場では所長のパワハラが横行している。あることないことデッチあげて仕事してねえとか言う。ふざけるんじゃねえと。所長は墓穴を掘っている。化けの皮がはがれていっている。職場の仲間をオルグしています。労働委員会をやってよかったです。

被曝労働許すなと総連合が統一行動

 司会 12月10日には常磐線全線開通阻止へ総連合が仙台―原ノ町―いわきと東京本社で統一行動に取り組みました。
 小早川 12・10の運転再開は原発事故ではなく津波で流された地域です。地域住民の要望もあったから「反対するのはどうか」とも思ったけど、やっぱり帰還を強制し被曝を強制することになる。乗務員や乗客・住民を被曝させることは鉄道労働者の誇りにかけて認めることはできない。しかも運転再開すればするほど駅の無人化や外注化が進む。これは東京オリンピックへ向けたJRと政府が一体になった攻撃なんです。7月12日の小高―原ノ町間開通阻止では初めて総連合統一行動として取り組めた。今回は仙台にも総連合の旗が立った。全国に総連合の旗が拡大するとともに闘いも拡大していく。民主労総に継ぐ闘いができるんじゃないかと思っています。今年の3・11反原発福島行動を全力で闘いたいと思います。
 土山 動労東京の初陣が7・12新宿本社前でした。東京でも被曝と関係ない労働者は一人もいない。清掃、水道とか、常磐線の電車とか。東京の労働者こそが被曝労働拒否の先頭に立つという意味で12・10は重要な闘いでした。
 司会 都労連秋闘はどうでしたか。現場ではストやるべきとの声も上がっているそうですが。
 赤塚 小池が都知事になったことで、「スト」という言葉が「統一行動」という言葉に置き換えられたんです。本当に異様だった。都側は必ず都政改革本部にお伺いを立ててから回答を出してくる。妥結後に組合から説明を聞いて、「そんなんで上山(都の特別顧問・都政改革本部)と対決できるのか」という声が上がっています。都労連集会で小池の正体を暴く『前進』がまかれたことが大きいですね。現場から小池打倒の闘いをつくることが課題です。

(写真 「復帰」44年の2016年沖縄闘争。5月14日に全基地撤去、沖縄全島ゼネストを訴え、那覇市国際通りをデモ)

(写真 昨年2月21日、小田原駅前で動労神奈川が解雇撤回を訴え街頭宣伝。全国から動労総連合の青年も駆けつけJRと環境アクセスを弾劾した)

小早川 JR体制に決着つける
誇りにかけ民営化阻む 赤塚

JR大再編と対決し

分社化・転籍強制し正社員ゼロ社会に

 司会 2017年はどういう闘いになりますか。
 大重 JRでは鉄道業務を完全に外注化・分社化して労働者に転籍を強いることが本格的に始まろうとしています。それは駅から始まり、グリーンスタッフ、つまりJR本体で契約社員として駅で働く労働者の採用を今年度で終わりにし、どんどん外注化していくことをJR資本として決断した。さらに3月ダイヤ改定では千葉―館山直通運転廃止が狙われている。「選択と集中」の名でローカル線を全面的に切り捨て、生きる術(すべ)を奪う。民営化の成れの果ての姿です。もう一方で、JR東労組カクマルに対しては今までの関係を清算して解体すると決断しています。会社は従来のあり方を根本的に転換する構えです。まさに第2の国鉄分割・民営化阻止決戦です。しかしそれは外注化と闘ってきた私たち動労総連合を全国に建設するチャンスです。
 小早川 国鉄分割・民営化から30年、JR体制に決着をつけるのはわれわれ動労総連合しかいないと思うんです。一昔前だったらカクマル松崎体制で東労組はなんとかうまくやろうとしたけれど、それが通用しない時代なんです。運転士と車掌の兼務問題で東労組は承認・屈服してきたけど、これに対して現場の怒りが爆発して東労組自体がグラグラです。一方で東労組幹部は会社から切られるのを恐れている。
 今は資本と激突して、どちらが正義なんだと労働者一人ひとりに示していく時代。労働者一人ひとり、みんな考えているんですよね。労働組合はどうあるべきかとか、労働者とは何かとか。だからこそわれわれの闘いが現場の労働者への回答になる。自分も飛躍・変革をかけてそうした深い議論を真正面から現場でできるようになった。第2の国鉄分割・民営化と言われているけど、これ以上、民営化・外注化が進むと社会全体が崩壊する。すべての矛盾を総連合の闘いをもってぶち破っていくのが2017年の決戦です。
 司会 戦争・改憲と一体で労組を解体し、分社化・転籍で「正社員ゼロ・解雇自由」にする攻撃は、安倍の「働き方改革」=労働法制改悪そのものです。JR大再編との闘いは階級決戦です。民営化・外注化絶対反対でJR本体―下請けを貫く総連合の闘いはゼネストへの号砲になりますね。
 小早川 いつだか藤枝くんは「清掃労働者がストライキをやったらJRは止まるんだ」とすごく重要なことを言っていたよね。
 藤枝 おっしゃるとおりです。やっぱり現場で組織拡大だよね。
 鮎川 CTSでも組織拡大の展望はあります。賃金も月給制が時給制になって、泊まり勤務が現行より2時間半も早く来なければならなくなりました。賃金は同じで実労働が長くなる。連続夜勤で出勤時間が早くなるととてもしんどい。遠い人は帰れないし、帰ってもまたすぐ出なければならない。時給制は粉砕していくしかない。今年は勝負の年。安倍も総非正規職化を狙っています。「同一労働同一賃金」「非正規という言葉をなくす」と言うけど、要は全部、「下」に合わせるわけですよね。日本の労働環境はとんでもないことになる。労働者の党による労働者のための政治をしていくしかないと思っています。
 藤枝 職場では今年から制服が替わるらしいです。会社が替わるんじゃないかとみんなあわてている。おそらく管理者連中はCTSで就業規則を改悪したことを知っていて、次はうちでも、と考えているんですよ。
 小早川 CTS、MTS(水戸鉄道サービス)、TTS(高崎鉄道サービス)のおのおので駅業務を請け負っていたのを、昨年7月にJESS(JR東日本ステーションサービス)という首都圏の駅業務を担っている会社に統一したじゃないですか。それと同じことを清掃でも狙っていると思う。
 藤枝 そうだと思います。JESSは生涯3回の昇給でしょ。就業規則を改悪してそのレベルに労働条件をもっていく。じゃあ今、働いている人が、やってられないよ、辞めてやるとなった時、一緒に闘おうとオルグする。一気に組織拡大の流れになるよね。

民営化絶対反対の都労連決戦へ突入

 司会 東京でも「都の丸ごと民営化」との大決戦に入りますね。その中心に都営地下鉄と東京メトロとの統合・民営化や都営バスの分社化がある。
 赤塚 築地問題とオリンピック問題で進んでいませんが、小池や上山はそれを早く片付けて「本丸」に近づきたいと思っている。「本丸」とは都労連解体です。すでに上山は東京都の賃金は高すぎると言っている。バスも10年前に民間と比較されて運転手の賃金が10%下げられたんだけど、まだ高いと。私鉄傘下のバス会社に切り売りすればいいと言っている。
 土山 ゼネストを切り開くためにも都労連と動労東京が一体となって闘っていきたいですね。
 赤塚 はい。小池の「満員電車ゼロ」も、オリンピック委員会の「地下鉄の24時間運行」もすべてが労働法制解体につながっていきます。東京都を「働き方改革特区」にして、「丸ごと民営化・労組解体」を全国に広げていく。まさに都労連決戦です。
 司会 韓国同様、日本でも民営化反対が焦点になっています。
 松阪 民営化というのは労働者の根底的な怒りを呼び覚ますんだと思います。大阪の下水道の労働者は今、転籍を拒否して民営化と闘っています。なぜ金を積まれてもあえて拒否するのか。そこにあるのはゼニカネの問題ではなく、労働への誇りです。下水道はやっぱり金もうけにしたらいけない。現業労働者は皆たたき上げで、仕事も全部、先輩に教えられて覚えていく。汚物にまみれながらも震災の時も台風の時も街を守ってきた。それに、下水道の仕事ってめっちゃ危ないんです。硫化水素とか有毒ガスの塊が流れてくる。この中に一瞬入っただけで肺の酸素がなくなって窒息したり、中毒になったりするから死者が毎年出ている。当局は民営化後、半分を非正規職にすると言っている。しかも派遣労働者も入れる。それこそ今やっている人なんかが20年、30年やってきたことを、3年ごとに入れ換えられる派遣労働者に置き換えることなんてできないよね。
 労働者にとって民営化は雇用だけでなく、つくり上げてきたものすべてを破壊する。そこに民営化・外注化絶対反対の旗が一つでも立てば、すべての労働者がこの旗のもとに来るということが、下水道の攻防から見えてきました。
 鮎川 清掃屋が清掃をしなければ列車は汚いままだぞと。
 赤塚 東交にしてみれば、民営化は安全の破壊につながり、労働者の誇りにかかわる問題です。だから民営化絶対反対しかない。
 大重 民営化との闘いは労働者の誇りを呼び覚ますということですよね。それが団結とか組合的力の源であって、ストライキをする力なんだと思います。

藤枝 仲間が集まれば勇気に
非正規職撤廃の路線で 白鳥
土山 青年組織しゼネストへ

青年部結成への展望

 司会 昨年末、動労総連合結成から30年を迎えました。総連合青年部結成へ向かって闘いは前進していると思いますが、総連合の魅力、青年部運動についてどう考えていますか。
 小早川 今、この時代だからこそ青年部をつくるということだと思います。今の社会の本質に問題があると思っていて、なんだかんだ言って「いい会社」に入るためには「いい大学」にいかなければいけないという競争社会の中で、結局、国とか資本は、われわれを団結させないためにあらゆる手段を使って攻撃をしかけてくる。そういう中でいかに団結するかがすごい問われていると思う。
 確かに年配者が経験を生かして労働運動をやってくれたら楽なんです。だけど社会を担っていくのは青年。だからこそ青年が主体となって議論して方針を立て闘う。それがうまくいこうが失敗しようが、また総括して前進していく。
 一番最初のJR青年労働者交流会の時に、神奈川の青年が「掃除の人たちの話を聞いて楽しいですか」って言ったわけですよ。JR東日本という会社自体が「掃除は下」と位置づけている。それは正規・非正規や職種によって分断する会社の攻撃なんだよね。組合でも東労組は運転士は優遇するけど、検修とか設備の労働者の意見を聞かないみたいに組織内でも分断をもちかける。だから動労千葉の青年が「掃除だから、検修だからではなくて、話をお互い共有することで自分の職場で闘えるんだ」と言ってくれたことがすごく自分はうれしかった。総連合青年部はつくれるし、つくらなければいけないと思ったよね。
 JR青年労働者交流会をやる中で動労神奈川をつくり、新潟、福島、東京ができた。神奈川は青年が組合つくるんだって決起して、そこに国労を脱退する決意をもって労働運動の大先輩である中村さん(動労神奈川委員長)が結集しました。これまで労働運動をやってきた人の心をも動かす力が青年にはあるというのをつかんできた。やっぱり青年が闘っていない組織には未来がない。むしろ、青年が生き生き活動している姿を見せることが今、求められていると思います。
 大重 14年の郡山工場の外注化阻止闘争を総連合の青年で「門前で昼街宣やろう」と方針を立ててやったことが大きかったよね。組合も、職場も、地域も違うのに外注化を止めたいんだと青年が集まった。一緒に闘っているから団結しているし、そういう仲間が全国にいるというのはすごいことです。動労千葉や動労水戸をつくってきた人たちも青年部で闘ってきた。青年が組織をつくってきたんだと思うんですよね。僕たちはJR全体の労働運動をとってやろうと構えているわけですから、これからは総連合を僕たち青年が担って全国に拡大していきたい。
 藤枝 俺もこの組合に入ってよかったなと思っています。現場では動労神奈川と付き合うなと言われることもあるけど、同じ悔しさ、つらさを語り合う仲間がいるから俺もここにいる。勇気をもらって現場でがんばれる。仲間が集まれば解決できるというのが動労総連合! 電通みたいに過労とパワハラで自殺に追い込まれる青年もいる。悩むんだったら動労総連合に来いよと伝えたい。青年は生きるために闘う。「生きていける賃金よこせ」と1人で言ってもだめだけど、みんなで言うのが労働組合だよね。

動労総連合が先頭に立ち社会変える

 矢部 総連合の魅力は駅員、運転、施設、清掃とか職種に限らず話が共有できること。先輩と後輩がわけへだてなく、三役とも常に対等に話ができるというのがいいと思います。革命の時代を切り開くのはうちら青年。全部を束ねる勢いで青年部をつくりたい。
 鮎川 動労総連合は本当に闘う組合です。年の差関係なく、言いたいことを言い合って方針を決めて、普通に実行できる。大きくなっていくと思うと楽しみでしようがないですね。資本家のトップである安倍を倒して、本当の意味の労働者の勝利をかちとる一つが動労総連合であり、最先端をいくのが自分たちの未来を切り開く青年部であると。総連合青年部をつくり、どんどん闘います。
 松阪 訪韓闘争で感じたことは青年を組織するのは全世界的な課題だということ。それはやっぱり革命の路線しかないと思うんだよね。総連合の青年がそれを体現している。「世の中を変えるために最先頭で闘うのが青年部」とはっきりさせた青年部運動は全世界的にもないんじゃないか。総連合青年部を本当に一緒につくっていきたい。青年が労働組合全体に責任をとるところまで行けば、動労総連合の闘いはさらに爆発する。問われているのは僕たち組織する側。「愛と誠」を貫いて、こっちが真剣に向き合ったら青年労働者は真正面から向き合ってくれる。そうすれば青年部は拡大すると思う。僕の今年の決意で言えば、都労連決戦と一体で、民営化絶対反対の自治体労働運動を全国によみがえらせる1年にしたいです。
 小早川 自分も最初は動労総連合の人間は試験に受からないとか、危ないとか相当言われたけど、試験に受かっても、結局会社側につかされて、いらなくなったら捨てられる。会社との力関係を変えるにはやっぱり闘うしかない。それを「敵は資本なんだ」と真正面から据えて闘っているのは総連合しかない。今、この組織を拡大していくことで新自由主義によって破壊された社会を変え、人間的な共同性を取り戻していけるんだという思いで集まっているのが総連合の一番の魅力かな。
 白鳥 私も4大産別の中に青年部運動をよみがえらせようと闘ってきたんだけど、連合の体制内指導部が青年運動を圧殺してきた。そこを最終的にとっぱらうのが動労総連合青年部建設だと思います。総連合は非正規職撤廃の路線で闘っている。総連合がすごいのは今の青年の怒りや悔しさを全部背負うものを持っていること。連合支配の中で闘いと団結を奪われてきた青年の決起を生み出せる。総連合青年部建設は、4大産別決戦で連合を打倒するナショナルセンターの展望を示している。ゼネストのリアルさはそこにある。青年部建設で全青年の怒りを束ね、闘いに転化していきたいです。
 土山 なんで今、青年部なのか。韓国では七放世代(恋愛、結婚、出産、マイホーム、人間関係、夢、就職をあきらめた世代)と言うように青年が未来を奪われている。日本も同じじゃないですか。それを取り戻すのは青年部をつくり出すしかない。自分が動労東京に加入したのは闘いたかったから。国鉄分割・民営化で労働運動が破壊されてきたけれども、動労東京の旗が首都にぶち立てられた。かつてを超えるような労働運動をよみがえらせていくところに総連合のすばらしさを感じます。JRの青年を組織しゼネストに向かうことが僕の夢ですね。
 赤塚 都労連は国鉄闘争支援陣形と言うけれども、逆に国鉄闘争を支援してきたから都労連も東交も生き残ってきた。本当に国鉄闘争を一緒に闘っていくことが大事だと思います。都労連決戦と言った時に、外注化粉砕・非正規職撤廃を位置づけていきたい。韓国のゼネストも鉄道労組の民営化反対ストから始まったので、日本でも民営化反対の鉄道ストからゼネストの突破口を切り開きたいです。
 小早川 こんな社会になっている元凶は国鉄分割・民営化にあるわけじゃないですか。そこに動労東京と都労連の二大巨頭を軸に、首都・東京からブルジョア社会をひっくり返す。それはわれわれの陣形にしかない力だと思うんです。分割・民営化にわれわれの回答を突きつける、これが2017年の闘いの核心です。
 司会 ありがとうございました。

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動労総連合
 外注化粉砕へ正規と非正規が団結して闘う

 国鉄動力車労働組合総連合。JRと関連職場の労働者が所属する労働組合の全国組織。国鉄分割・民営化に絶対反対を貫き、正規と非正規、JR本体と関連会社の労働者が団結して、解雇撤回、外注化粉砕・非正規職撤廃、被曝労働拒否を軸に闘う。
 日本の新自由主義のはしりである1987年の国鉄分割・民営化は、40万人いた国鉄職員の3人に1人を首にする戦後最大の労組解体攻撃であった。これに対し、動労千葉は2波のストライキで反撃。一方、動労本部(現・JR総連)カクマルは分割・民営化に賛成し、当局の先兵となって首切りに率先協力した。このカクマルとの激しい死闘戦に勝ちぬく中で、動労の水戸地本と高崎地本で動労千葉とともに闘う仲間が86年11月に動労水戸、動労連帯高崎を結成。同月、動労千葉を軸とする動労総連合が誕生した。その後、西日本の仲間が合流した。
 動労総連合は、分割・民営化で首を切られた1047名の解雇撤回・原職復帰を闘い、連合の完成を阻んできた。解雇撤回闘争の解体を狙う2010年4・9政治和解にも国労本部の屈服をのりこえ闘い続け、15年以降には神奈川、新潟、福島、九州、北陸、東京で総連合の新単組が結成された。また、2000年代初頭からの鉄道業務全面外注化にもストで闘い、外注先の労働者をも組織し、外注化粉砕・非正規職撤廃へ全力を挙げている。
 新自由主義と闘う労働運動の復権へ、「動労総連合を全国に」の方針で組織拡大に取り組み、JRにおける新たな産別労組の確立に挑戦している。

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