路線の正義を職場生産点で貫くことが労働組合の原点 布施宇一 動労総連合初代書記長が特別講演
週刊『前進』04頁(2807号02面02)(2016/12/19)
路線の正義を職場生産点で貫くことが労働組合の原点
布施宇一 動労総連合初代書記長が特別講演
安倍の「働き方改革」、労働運動つぶしの攻撃に対し、真正面から闘える力を職場生産点から積み上げているのはわれわれだけです。
われわれの闘いを可能にした根本的なものは何か。一言で言えば路線的正義性です。
動労千葉は70年代、反マル生闘争、船橋事故闘争以来の反合・運転保安闘争、三里塚ジェット燃料貨車輸送阻止闘争などを闘う中で、首を切られても路線的正義性がどこにあるかを見据えることを怠らなかった。
分割・民営化の時、3人に1人が首という攻撃の中で、「分割・民営化は許せない」という一点だけは労働組合の運動として外せないという路線的正義性を貫き、首をかけて闘った。
路線的正義性とは、職場生産点に立ちきることです。「現場労働者を信頼する」「組合員の言うことをまともに受け止めないと組合運動はおかしくなる」と中野洋前委員長は常々言っていました。動労千葉は、安全問題を含め職場生産点で一番困っていることを取り上げて闘ってきた。
他方、社会党・共産党は闘いの場から消えていった。敵の攻撃に真正面から向き合う闘いが、彼らには何もない。連合の役員はストライキのやり方を知らない。ストは紙に書いた方針を出せばいいのではなくて、職場で組合員がやるものです。寝場所の確保、弁当の手配、財政など、すべてがそろっていないとストはできない。
労働組合とは資本と交渉して労働条件を獲得することが基本です。組合を結成すると、「団交を拒否する」「労組として認めない」という攻撃がまず来る。これに反撃するためには、現場で何人の組合員を組織しているか、大会・機関で方針を確立しているか、組合費を集めているか、そういう基本的なことが重要になる。労働委員会に組合として認めさせることもしなければいけない。
組合費の徴収は基本中の基本、組合の存立にとってどうしても欠かせない。毎月、組合費を集めるのはすごいオルグです。私が千葉気動車区の書記長になった時、組合員は380〜400人いた。中には意識的に組合費を納めない人もいる。そういう人からは「組合は何をやってんだ」「組合は必要ない」とか、いろんな話が出てくる。粘り強く話して組合費を払ってもらった。そういう人とちゃんと話しているかどうかを、他の組合員も見ている。そういうことが、闘争の基礎的体力をつくるんです。
路線的正義性を支えるためには、団交をやる、組合費を集める、機関会議を開催するという基本を重ねないとだめです。
労働運動の基本は職場で労働者の気持ちを獲得することに尽きる。路線的正義性、規約の整備、機関会議の開催、組合費徴収も、労働者の気持ちを獲得するために行う。
安倍の攻撃を打ち破る展望は動労総連合にしかない。すべてを組織拡大につなげる方向で頑張ってほしいと思います。