翁長のヘリパッド建設容認弾劾 沖縄で朝鮮侵略戦争とめる
週刊『前進』04頁(2805号04面01)(2016/12/12)
翁長のヘリパッド建設容認弾劾
沖縄で朝鮮侵略戦争とめる
11月28日、翁長沖縄県知事は、東村高江での米軍北部訓練場ヘリパッド建設を、「同訓練場の返還となる」から「苦渋の選択だ」という使い古された文言で容認した。先立つ25日には、米海兵隊キャンプ・シュワブ陸上部の工事再開を容認した。これは来年にも想定される最高裁判決と辺野古への新基地建設本格着工の露払いだ。そして29日には沖縄県警が沖縄平和運動センター議長を含め4人を10カ月も前の「威力業務妨害容疑」で不当逮捕し、同センターなど8カ所に家宅捜索に入った。さらに12月6、7日には、宜野座村の民家上空でオスプレイの物資つり下げ訓練実施の暴挙に及んだ! 断じて許してはならない! 沖縄から朝鮮侵略戦争を止めよう!
翁長知事の屈服と一体で強行された4人逮捕
なぜ安倍政権は全国から機動隊を動員し、自衛隊まで動員しながら高江のヘリパッド建設を強行してきたのか? そして今回、このような大弾圧が強行され、それと一体で翁長知事の「屈服」が開始されたのか?それは、帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制の最後にして最弱の支柱をなしてきた東アジアで、朝鮮半島の南北分断体制を打ち破る韓国の労働者階級人民の闘いが民主労総のゼネストを牽引(けんいん)車として爆発しているからだ。パククネ打倒の全人民的な決起はプロレタリア革命へと突き進まざるを得ない。それは必然的に日本の労働者階級の闘いと一体で爆発していく。
日帝・安倍政権は韓国のゼネストがプロレタリア革命へと発展することを圧殺しようと、米日による朝鮮侵略戦争にのめり込もうとしている。11月23日に日韓軍事情報包括保護協定(GSOMIA)の締結を強行したのも、安倍政権の革命への恐怖と朝鮮侵略戦争突入への激しい衝動である。
今回の弾圧は、安倍政権の危機と破綻の現れであり、同時に米帝・米軍の追いつめられた姿にほかならない。11月国際共同行動は東アジア革命の現実性を開示した。帝国主義的新自由主義の崩壊、帝国主義の盟主・アメリカ帝国主義の崩壊としてのトランプの勝利は、アメリカ革命の時代の到来を衝撃的に全世界に告げ知らせた。
この中で沖縄闘争は、2016年、日米韓の労働者国際連帯の要として新たな闘いを開始した。ロシア革命から100年を迎える2017年、国際連帯闘争としての沖縄闘争の飛躍を実現し、東アジアにおけるプロレタリア革命の勝利へ突き進もう!
辺野古新基地建設阻み続ける沖縄闘争の地平
米日韓が朝鮮侵略戦争に突入するためには、沖縄の米軍基地が最前線基地としてフル稼働することが死活的である。1996年のSACO(沖縄に関する日米特別行動委員会)報告とそれをさらに具体化した2006年の米軍再編(ロードマップ)は、「負担軽減」などではなく、朝鮮侵略戦争の最前線基地として再編・再構築することが狙いだった。しかし、辺野古への新基地建設を要としたSACO=米軍再編は20年間、まったく進んでない。そして、北部訓練場への新たなヘリパッド建設、伊江島補助飛行場での「LHDデッキ(強襲揚陸艦の甲板を模した着陸帯)」拡張工事、ギンバル訓練場の「返還」を口実としたブルー・ビーチ訓練場へのヘリパッド移設など、これらすべてがオスプレイの配備を前提としたものだった。そしてその総体が朝鮮侵略戦争の実戦訓練とその発動を想定してのものなのだ。
だが、辺野古への新基地建設が労働者階級人民の闘いで阻止され続けた結果、普天間基地は老朽化が進み、もはや軍事基地としての機能すらボロボロ化している。
この6月15日には6908㍑の航空燃料がタンクから漏れ出す事故が起きている。安全装置が壊れた状態で、燃料貯蔵地区の火災への備えはきわめて貧弱な状態だという。さらに老朽化対策として「雨水排水施設」の整備として調整池の造成が計画されている。「駐機場や滑走路の冠水被害を防ぐため」と沖縄防衛局は説明しているが、要は台風が直撃すれば使用不能に陥りかねないということだ。
こんな状態ではかつてのベトナム戦争を上回るような朝鮮侵略戦争に突入することはできない。朝鮮侵略戦争の発動を阻み続けてきた沖縄闘争は、今度こそ、朝鮮侵略戦争を「始まる前に止める」圧倒的な展望を切り開いているのだ。
日韓米労働者の連帯で安倍・トランプ打倒を
米帝トランプは国防長官に海兵隊出身のマティス元中央軍司令官を指名すると表明した。かつて中尉としてキャンプ・コートニーの第3海兵師団でライフル小隊・武器小隊の指揮を執っていた人物だ。トランプは安倍との会談で辺野古への新基地建設方針を堅持するとし、安倍も了解した。米軍再編・強化がさらに加速することは必至だ。アメリカの労働者階級との国際連帯でトランプを打倒しなければならない。戦後沖縄の労働者階級の闘いは、1952年の朝鮮戦争下での土建争議と5・1メーデーからだった。朝鮮戦争の「休戦」と日本の「独立」の中で、本土と朝鮮半島の海兵隊が大挙して沖縄に移駐してきた。今問題となっている北部訓練場も朝鮮半島の海兵隊の移駐に伴って朝鮮半島の戦争を想定して「銃剣とブルドーザー」で接収された地だ。今まさに米日帝がオスプレイ配備と一体でヘリパッド建設を強行する意味はここにある。北部訓練場で朝鮮侵略戦争の実戦訓練が行われているのだ。
また11月7日には安保関連法に基づき、「重要影響事態」が発生したことを想定した初の日米共同訓練がうるま市沖で行われた。沖縄全体がすでに朝鮮侵略戦争の臨戦態勢に入っている。
「オール沖縄」は沖縄の労働者階級の怒りに突き上げられながらも分裂と崩壊を開始している。沖縄の労働者階級の勝利の路線と方針は、労働者国際連帯闘争の先頭で立ち上がることだ。
新自由主義の崩壊の中での「基地の島」=「非正規職の島」への沖縄の青年労働者と学生の怒りと、民主労総を先頭にパククネ打倒に立ち上がる韓国の労働者階級人民の怒り、トランプ打倒に立ち上がるアメリカの労働者階級の闘いは一つだ。全世界の労働者階級の闘いが一つの軍勢となったときに21世紀のプロレタリア世界革命は花開く。
戦後70年を超える偉大な沖縄闘争の歴史が、国際連帯闘争の新たな挑戦として開始された。2017年沖縄闘争の国際連帯闘争としての発展で、朝鮮侵略戦争を絶対に阻止しよう!
〔革共同沖縄県委員会〕