三里塚緊急闘争 市東さん 「農業続ける」 250人が強制収用実力阻止誓う

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週刊『前進』04頁(2805号01面02)(2016/12/12)


三里塚緊急闘争
 市東さん 「農業続ける」
 250人が強制収用実力阻止誓う

(写真 開拓組合道路で集会をかちとり「農地死守・強制執行阻止」を固く誓った労農学250人は反対同盟を先頭に空港敷地を縦断するデモに出発【12月4日 成田市】)

(写真 市東さんの天神峰農地の看板を「強制収用実力阻止」と一新し、闘いの決意をみなぎらせる三里塚反対同盟。この農地取られてなるものか!)

(写真 里芋など新鮮な三里塚野菜をふんだんに使った芋煮がふるまわれ、デモを終えた参加者の心身を温めた)


 12月4日、三里塚芝山連合空港反対同盟が呼びかける三里塚緊急現地闘争が全国から労働者、農民、学生、市民250人が結集して闘われた。
 晴天に恵まれたこの日午後1時、反対同盟は天神峰の市東孝雄さんの畑の前に集合。その一角に立つ「強制収用実力阻止」と新たに書き換えた看板の前に並んで拳を突き上げ、闘魂を示した。

労農連帯強め

 1時30分、機動隊と私服刑事の弾圧態勢をはねのけ、市東さん宅南の開拓組合道路で集会が始まった。ジェット機が間近でひっきりなしに周囲の誘導路を走行している。
 最初に司会の太郎良陽一さんの紹介で、市東孝雄さんが拍手で迎えられマイクを握った。「農地法裁判は上告棄却という残念な結果になりました。許せない判決です。しかしまだ終わったわけではない。千葉地裁での耕作権裁判もあります。NAA(成田空港会社)がすぐにでも私の畑を囲い込みに来るかどうかはわかりませんが、その時は体を張って闘います。一日でも長く農業を続けるようこれからも闘います」。この鮮明な決意に惜しみない拍手が送られた。
 続いて反対同盟顧問弁護団の葉山岳夫弁護士が発言し、最高裁の上告棄却を弾劾して確定判決を無効と断じ、「請求異議の訴え」と「強制執行停止申し立て」を行ったと報告した(記事2面)。そして「1971年の強制代執行時において、人民の実力闘争で神奈川県警の堀田大隊が壊滅して3人の警官が死亡した。強制執行を行えばこうした事態が再び起きることを覚悟すべきだ」と、国家権力に鋭く警告した。
 動労千葉の繁沢敬一副委員長は、動労千葉が11月に訪韓し、民主労総のゼネストと民衆総決起をともに闘ったことを伝え、反対同盟と連帯して農地決戦を闘い、3月ダイヤ改定を粉砕する決意を明らかにした。
 関西実行委、市東さんの農地取り上げに反対する会、市東さんの農地を守る沖縄の会に続き、全国農民会議共同代表の小川浩さんが、「日本農民自身の課題として第3滑走路計画を粉砕し、市東さんの農地を守る」と気概を表した。
 集会の最後に東峰の萩原富夫さんが、デモ後に芋煮会を行うことを知らせ、「強制執行が狙われる市東さんの畑になじみ、怒りをともにし、英気を養ってほしい」と語りかけた。
 意気高くシュプレヒコールを上げ、反対同盟を先頭にデモに出発。宣伝カーからは婦人行動隊の宮本麻子さんのアピールが響きわたった。
 デモは市東さんの天神峰農地と看板の前を通り、第3誘導路を突っ切って、小見川県道に出て交差点を右折し、市東さんの南台農地へ到着した。作物が豊かに実るこの場所をよけ、誘導路がへの字に曲がっている。伊藤信晴さんがメガフォンで、「労農連帯の力でこの農地を守り抜こう」と熱く呼びかけた。

盛大に芋煮会

 再び開拓組合道路までのデモ行進を貫徹した後、市東さん宅離れの庭で芋煮会が盛大に催された。現地闘争本部の同志と全学連三里塚現地行動隊が大鍋で準備した芋煮が参加者にふるまわれた。市東さんはお酒をついで回り、交歓の輪が広がっていった。強制執行が行われれば、目の前の畑、離れ、作業場が、今立っているこの場所がすべて奪われる。そんなことを許せるか!
 婦人行動隊の木内敦子さんが司会を務めて交流集会が開かれ、顧問弁護団、婦人民主クラブ全国協議会代表の三浦正子さん、動労水戸の国分勝之副委員長、福島の椎名千恵子さん、杉並で産直運動を担うふろむあす、全国水平同盟杉並支部の狩野正幸書記長らが次々と発言した。全学連の斎藤郁真委員長は、京大生への不当処分を撤回させて学生の団結とストライキをよみがえらせ、三里塚闘争に勝利する決意と展望を明らかにし、全参加者の闘志をかきたてた。
 萩原富夫さんが「市東さんの農地を守る大きな闘いを!」と訴えて、全員で団結ガンバローを三唱し、締めくくった。

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