東京都丸ごと民営化の正体あらわにする小池
週刊『前進』02頁(2804号02面03)(2016/12/08)
東京都丸ごと民営化の正体あらわにする小池
五輪も豊洲も大民営化攻撃
マスコミは小池百合子都知事が東京五輪の会場見直しで経費を減らそうと努力していると宣伝している。しかし予算を3兆円から2兆円に減らすことが問題なのではない。12月2日の記者会見で小池知事は施設の経費削減のために「民間の活用やコンセッション(営業権の民間への売却)を追求したい」と述べた。五輪とは超巨大利権と丸ごとの民営化が狙いであり小池知事も東京五輪・パラリンピック競技大会組織委員会の森喜朗会長も同じ穴のむじなだ。豊洲移転も中央卸売市場の解体・再編と巨大資本の利益のための大民営化である。すでに数十社が廃業し多くの労働者が解雇されている。11月15日、豊洲移転後の経費が示された。1日2100万円で、築地の5倍以上だという。移転延期の補償金も市場会計から出すとされ、今後の修繕費用も3千億円弱。赤字は年間何十億円にもなり、都の一般会計から税金を入れるとされる。知事の側近は「市場運営が商売として成り立たない以上、民営化を打ち出すことになる」と露骨に言い出した。すでに大阪では赤字を口実に中央卸売市場を民間に委ねる指定管理者制度導入を決め、具体的検討を進めている。
国鉄分割・民営化がそうであったように、民営化とは資本による膨大な公共資産と事業の私有化(プライベート化)であり私物化である。「カネがすべて」であり、社会を成り立たせてきた公的事業と労働を破壊し社会全体の崩壊をもたらす。五輪も豊洲移転も絶対反対以外にない。
特区で「働き方改革」強行狙う
小池知事は12月1日、所信表明で「都庁働き方改革推進ミーティングにおいて、テレワーク、フレックスタイムの導入やさらなる改革のメニューを検討し」「民間企業を巻き込んだムーブメントを先導していきたい」とし、「さまざまな規制を突破」する「国家戦略特区の仕組みを大いに活用していく」と述べた。テレワークとはインターネットを使って自宅や出先などで仕事をさせることで労働時間規制や残業代をなきものにして際限なく働かせることを狙うものであり、フレックスタイムもまた「労働時間を柔軟(フレキシブル)にする」という言い方で1日8時間労働という概念自体をなくす攻撃である。安倍政権は働き方改革の柱として労働時間規制撤廃を狙い、小池知事は特区を使ってこれを進めようとしている。
都労連をスト闘える組合に
上山信一・東京都特別顧問は『文藝春秋』12月号で片山善博・前鳥取県知事と対談し、「五輪と豊洲にケリをつけて本丸に迫る」「改革に反発する職員たちをフル稼働させる」と公言した。アベノミクスが大破産し破滅が迫る中で、小池都政が狙う本丸とは都の全資産・事業の民営化・私有化と労働大改悪、労組破壊である。安倍政権の戦争・改憲の攻撃と一体であり、鉄道労組ゼネストを先頭にパククネ打倒に上りつめた韓国民主労総に続き民営化絶対反対を職場から巻き起こしていく中に未来がある。
都労連秋闘でストを打つことなく配偶者扶養手当の大幅削減などをのんだことに怒りが噴き出している。「都側の回答はすべて都政改革本部にお伺いを立てて行われた。あの上山に屈するなんて許せない」。絶対反対のストで闘う都労連をつくり出すことが現場の声となりつつある。東交・都労連、保育・介護職場をはじめ全都で小池・東京特区に対する反撃が始まった。動労総連合・動労東京の闘いと固く団結し、安倍・小池打倒のゼネストを切り開こう。