労働者の国際連帯が革命の力だ 国鉄解雇撤回・動労総連合を全国に

週刊『前進』02頁(2796号02面01)(2016/11/10)


労働者の国際連帯が革命の力だ
 国鉄解雇撤回・動労総連合を全国に

(写真 「立て、飢えたる者よ! いまぞ革命の日は近し!」。集会の最後に肩を組み「インターナショナル」を大合唱。国境を越えてともに闘うことを誓った【11月6日 東京・日比谷野外音楽堂】)

(写真 解雇撤回・JR復帰へ闘う動労千葉争議団と国鉄労働者。発言は中村仁さん)

(写真 外注化阻止・運転保安を闘う動労千葉を始め全国の動労総連合が大挙登壇)

(写真 アメリカの鉄道労働者、ドイツの労働者、滞日・在日外国人労働者が登壇し国際連帯を訴えた)

(写真 韓国の律動グループ「ソノン【宣言】」が資本と権力への怒りを鋭く体現した踊りを熱演)

労働運動を再生し戦争絶対とめよう
 国鉄千葉動力車労働組合委員長 田中康宏さん

 韓国・民主労総は、パククネ政権の労働市場構造改悪に対し、1年半におよぶゼネストを闘い続けています。
 本日の集会は、民主労総ソウル地域本部と共同の呼びかけで、「東京―ソウル国際共同行動」の一環として開催されています。安倍政権は出口のない危機に突き動かされて、戦争法を強行し、改憲に突き進んでいます。東北アジア―朝鮮半島をめぐる侵略戦争を絶対に止めなければならない。それが日本の労働者階級の最大の課題です。
 私たちは、戦後労働法制の解体を狙う安倍政権の「働き方改革」に反撃します。正社員ゼロ化、解雇自由化、就業規則の一方的変更の合法化で労働基本権を打ち砕き、労働組合を抹殺する国鉄分割・民営化型の攻撃が全社会に拡張されようとしています。
 しかしそれは、新自由主義・資本主義の延命に向けた、最後の絶望的攻撃にほかなりません。労働法解体との闘いが、世界中でゼネストとなって燃え上がっています。日本の労働者も、全世界の労働者と固くスクラムを組んで、その闘いの先頭に立つことを誓います。
 JRのグループ会社・千葉鉄道サービスは、「5年でいったん全員解雇」の就業規則改悪を提案してきました。JR本体では、あらゆる業務を分社化し、労働者を転籍させる全面外注化が画策されています。私たちは幾度ものストライキや抗議闘争を闘い、10月14日には1047名解雇撤回を求めるJR東日本本社抗議闘争、10月28日には外注化・強制出向差し止め訴訟を闘いました。
 われわれの30年にわたる闘いは、国鉄分割・民営化が国家的不当労働行為だったことを、ついに最高裁で確定させました。私たちが国鉄闘争にこだわり続けてきたのは、国鉄分割・民営化でいったんは打ち砕かれた日本の労働運動の再生を決意したからです。
 国境を越えた労働者の団結で改憲と戦争を止めよう。労働法制解体を許すな。沖縄、福島、三里塚、すべての怒りを結びつけて反動安倍政権を倒そう。国鉄1047名解雇撤回! あらゆる職場に闘う労働組合をよみがえらせよう。

競争社会終わらせ共生・協同の社会へ
 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部書記次長 武谷新吾さん

 今、時代は大転換期にあります。今こそ、起きている現象から本質を見抜き、正しく対処することが求められます。
 とりわけ、「テロとの戦い」と称してイラク・シリアなどを無差別攻撃し、多くの市民の尊い命を奪っているアメリカ帝国主義やフランス・イギリスなどの有志連合は、国家的テロと呼ぶべきです。これに同調する日本の安倍政権を許すわけにはいきません。
 韓国では大統領の弾圧に対し、数度のゼネストによる闘いを展開しています。この闘いを支援し、連帯して闘います。
 さらに、圧倒的な数の機動隊を使って暴力的に住民たちを排除して進められている沖縄の辺野古・高江での新基地建設に断固反対します。
 国鉄労働者に対する国家的不当労働行為と、維新・橋下による公務員バッシングの攻撃に、大衆的な行動を組織して闘うことです。
 裁判所では、組合の権利であるストライキ行動さえ業務妨害とする主張が一般化されています。労働運動への民事上・刑事上の免責という法の精神は、闘いによって実現するしかありません。
 われわれは「民衆の不満の根源は資本主義が必然的に生み出す差別や貧困、格差、失業にある」ことを明らかにし、軍事基地の撤去、社会資本の整備、福祉・医療・教育の拡大を求め、競争社会から共生・協同社会への転換を目指します。
 昨年は崩壊状態にあった関西地区の生コン業界再建に向け、三つの協同組合および員外社が大同団結し、値引き競争に終止符を打って適正価格の実現へ大きく前進しました。また関生支部50周年記念事業として新会館を建設し、『50年史』の発行、大阪労働学校・アソシエの開校など数々の成果をあげました。
 この流れをさらに発展させ、関生型労働運動の全国化・国際化に取り組みます。1万人の組織拡大に全力を尽くします。不断に自身の資質向上につとめ、団結力を一層強化して経済闘争・政治闘争・思想闘争を三位一体のものとして追求し、結果を出します。

小池都知事の不当労働行為を許すな
 全国金属機械労働組合港合同委員長 中村吉政さん

 2011年に橋下大阪市長が登場し、労働組合攻撃の開始を宣言しました。12年早々に組合の代表が謝罪する映像が流され、わずか半年の間に無給職免の廃止、本部組合事務所の明け渡し、支部事務所の便宜供与の廃止、チェックオフの廃止、思想調査、入れ墨アンケート調査、「職員基本条例」「政治活動規制条例」「大阪市の労使関係に関する条例」などで労組を縛り付けました。
 港合同は、「この問題を放っておいたら労働運動、労働組合はなきに等しいものになってしまう。先輩たちが長い歴史の中でつくってきた労働運動の権威、憲法が保障した権利を放棄することになる」と感じ、多くの仲間とともに反橋下の体制を築きました。
 この考え方は、国鉄1047名問題に関する東京地裁の98年5・28反動判決に対する闘いと同じです。国家総ぐるみの不当労働行為を開き直り、労組法―労働委員会制度を否定するこの判決に、「これがまかり通ったら不当労働行為=組合つぶしも首切りもやりたい放題だ」という危機感と怒りを強烈に持ったこととまったく同じです。
 安倍政権の労働法制大改悪攻撃と、パククネ政権の成果年俸制導入は、労働者を根底から破壊する同一の攻撃です。
 小池都知事の振る舞いを見ると、橋下が市長に就任したころの雰囲気に似ています。小池は、自治体そのものの解体=民営化という路線です。不当労働行為に一歩も踏み込ませてはなりません。
 大阪府・大阪市議会で多数を占めた「維新」勢力は、一度否決された大阪都構想を再び住民投票にかけようとしています。大阪市は下水道の民営化に踏み込んできています。大阪市の顧問だった上山が東京都の顧問となっていることは、偶然ではありません。
 大阪万博とカジノ建設という構想を背景に、莫大(ばくだい)な利権の動く民営化のために労働組合をつぶすことが、新自由主義の本質です。ともに闘いましょう。

11月国際共同行動でパククネ退陣を
 国鉄闘争全国運動呼びかけ人 金元重さん

 「闘う労働組合の全国ネットワークをつくろう」という呼びかけのもとに始まった11月労働者集会は、今年で19年目を迎えました。きっかけは1047名解雇撤回闘争に対する98年5・28不当判決でした。国家ぐるみの不当労働行為を正当化したばかりでなく、「仮に不当労働行為があったとしてもJRに採用義務はない」とJRの責任を免罪した。これに対する激しい憤りと危機感が私たちを結びつけ、以来19年、闘う労働組合の全国ネットワークをねばり強く拡大してきました。
 今年の集会はそうした成果にもとづいて、新たに国際共同行動として設定されました。民主労総ソウル本部から、11月6日の東京での集会とその1週間後に予定されているソウルでの集会をひとつの連続した行動として、全世界の労働者に発信していこうと呼びかけられました。動労千葉はこれに応じ、ここに韓日労働者が全世界の同志たちに送るメッセージを発信して、今日の集会に至ったのです。
 それは新自由主義の労働改悪と東アジアに渦巻く戦争危機に対し、日韓労働者の連帯を一層強固にするとともに、これを全世界の労働者の連帯に拡大し、反新自由主義の国際労働運動の新たな潮流をつくりだすという壮大な試みの第一歩です。
 民主労総はハンサンギュン委員長のもと、パククネ政権の極悪な労働改悪攻勢に対して、断続的なゼネストを闘ってきました。ハンサンギュン執行部をはじめ幾人もの指導者が獄中に囚われている中で、鉄道ストを中心として非妥協・非和解・不退転の長期ストを継続しています。
 民主労総は11月2日に時局宣言を発表し、「パククネ退陣以外のどんな方式も欺瞞(ぎまん)である」「民衆総決起とゼネストでパククネ政権を退陣に追い込む以外に道はない」と示しました。12日の民衆総決起は、パククネ政権を退陣に追い込む最後の山場となる可能性があります。
 今日は11月国際共同行動として、パククネを退陣に追い込む力強い集会とデモを私たちの力でやりとげましょう。

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