第3誘導路裁判 事業認定失効認めよ 伊藤さん陳述〝農地守る〟
第3誘導路裁判
事業認定失効認めよ
伊藤さん陳述〝農地守る〟
11月1日、千葉地裁民事第3部(阪本勝裁判長)で第3誘導路裁判が開かれた。天神峰の市東孝雄さんに農地法裁判の上告棄却決定が出されて最初の裁判だ。
被告の国と成田空港会社(NAA)は「原告市東は自らの自由意思で空港敷地にいるのだから騒音を受忍せよ」「市東には原告適格がない」と、市東さんへの非難をエスカレートしてきた。弁護団が前回これを徹底批判したことに対し、今回被告らは認否・反論として準備書面を提出した。弁護団はただちに2点について説明を求めた。
①国の書面には、「原告市東居宅用地は、土地収用法に基づく収用手続を予定していたものであり、強制的な土地取得が可能であった」とあるが、実際には事業認定が失効し、不可能だった。事実に反する。
②それぞれの書面で「土地収用法に基づく事業認定が失効したことについては不知」としているが、不知(知らない、かかわりない)とは何事か! 成田については、1969年の告示から20年を経過して収用手続きが不可能となった上、93年に空港公団(=NAA)は自ら収用採決申請も権利取得採決申請もすべて取り下げ、事業認定処分は完全に失効した。この歴史の事実を認めないのか!
国の代理人は「後日あらためて書面で」などと言い訳を繰り返し、裁判長は「あとは裁判所が書面で判断する」と精いっぱいの助け舟を出した。傍聴席からは「この場で答えさせろ!」「裁判長は空港の手先か」と怒りの声が次々と飛んだ。
原告の一人である反対同盟の伊藤信晴さんが、意見陳述を行った。「農地法裁判が上告棄却された。市東さんの農地を農地法で取り上げようとは何事だ! さっきから裁判長は国・NAAの矛盾した主張をただそうともせず、訴訟指揮が偏っている。被告は市東さんに向かって〝原告適格がない〟などとうそぶいているが、ふざけるんじゃない! 反対同盟は市東さんの農地を守り、空港廃港まで闘い抜く」。傍聴席から拍手が起きた。
また弁護団は、「農業を破壊して造られる空港に公共性はない」と厳しく断じた石原健二・元立教大学経済学部教授の意見書を提出した。
次回期日を2月14日とし、閉廷した。
千葉県弁護士会館で、伊藤さんの司会で報告集会が開かれた(写真)。葉山岳夫弁護士をはじめ弁護団が発言し、被告側の無責任、不誠実な主張を解剖し強く弾劾した。特に事業認定失効を他人事のように「不知」と言いなす恥知らずな言動に怒りが集中した。
動労千葉の滝口誠さんは連帯発言で、運転士を不当処分するJR千葉支社を弾劾し、11・6への大結集を呼びかけた。
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三里塚裁判日程
◎一坪共有地裁判 (最終弁論)
11月10日(木)午前10時30分開廷 千葉地裁
(傍聴券抽選のため30分前に集合)