韓国学生の決起に続きキャンパスから11・6へ

週刊『前進』02頁(2794号02面04)(2016/11/03)


韓国学生の決起に続きキャンパスから11・6へ

(写真 10・21国際反戦デーの京都市内デモに圧倒的な注目)

青年・学生の根底的な決起

 情勢は風雲急を告げている。歴史の歯車は激しく回転し始めた。パククネ政権の底なしの腐敗を糾弾する韓国労働者人民の闘いは、国家権力との内乱的激突に発展している。その先頭で韓国学生が体を張って闘っている。民主労総が主導する民衆総決起闘争本部は「非常時局行動」を宣言し、11月12日に「ソウルへの100万人結集」を呼びかけている。韓国の労働者民衆の決起は、11・6集会に向かう日本階級闘争の最大の「援軍」だ。
 「チェスンシル・ゲート」に直撃されたパククネ政権は倒壊寸前だ。政権支持率は14%に落ち込み(10月27日時点、不支持率は74%)、青年層では1割を切っている。
 追い詰められたパククネは、戦争で階級闘争を圧殺しようとしている。米日帝は10月30日から、安保関連法での「重要影響事態」と朝鮮侵略戦争を想定した日米共同統合演習「キーン・ソード」を開始した。「始まる前に戦争を止める」とは、戦争でしか延命できないブルジョア政府を労働者民衆の力で打ち倒して権力を握ること、つまり資本主義=新自由主義を粉砕するプロレタリア革命をやることだ。東京―ソウル11月国際共同行動がその展望を切り開く。
 「チェスンシル・ゲート」はパククネ個人の情報漏洩(ろうえい)や汚職問題ではない。1%のブルジョア支配階級が99%の労働者民衆を搾取し、生活を破壊し、戦争動員と低賃金・非正規職化に追い込み、自らは私腹を肥やしてきた構造すべてが暴き出されたのだ。だから怒りは根底的だ。その先頭に「七放世代」(貧困で恋愛、結婚、出産、マイホーム、人間関係、夢、希望を諦めざるをえない世代)と呼ばれる青年労働者・学生が立ち、「ヘル(地獄)朝鮮」の根底的変革へ決起している。
 すでに40以上の大学で「時局宣言」が発せられた。26日にはパククネの母校の西江大学、教職員一体の5千人デモで10月19日に総長を辞任に追い込んだ梨花女子大学、建国大学。27日には韓国外国語大学、漢陽大学、成均館大学、淑明女子大学、慶煕大学、中央大学、高麗大学。28日には10月10日から総長室占拠闘争に突入したソウル大学、延世大学、東国大学、弘益大学など。
 26日には「パククネ弾劾学生運動本部」の学生4人が国会敷地に突入して大横断幕を掲げ、「チェスンシルを拘束しろ!」「4年間韓国をめちゃめちゃにした権力の実態が明らかになった!」と叫び逮捕された。27日には釜山の記念式典に参加したパククネに釜山大生が奇襲デモに決起し、5人が逮捕された。
 民主労組運動と並び、韓国学生運動は軍事独裁政権と命をかけて闘いぬいてきた誇り高い伝統を持っている。イスンマン政権を打倒した60年「4月革命」では4月18〜19日にソウル大、高麗大、延世大、中央大など学生のデモ隊数万人の実力決起が突破口となった。80年「5月光州蜂起」に至る闘いでは、79年の粛軍クーデターに抗する5月1日からのソウル大、忠南大、成均館大などの学生の機動隊との街頭戦が全国に拡大して情勢をこじ開けた。87年7〜9月の労働者大闘争に先立つ「6月民主抗争」では、警察権力のソウル大生や延世大生への拷問・虐殺に対する怒りが爆発し、学生運動が民主化闘争の中軸を担った。
 輝かしい歴史を刻んできた韓国学生運動が労働者階級の闘いと一体で爆発しようとしている。日本学生運動も京大闘争を先端に本格的発展期に入る。11・6集会で国境をこえた団結をつくろう。

腐敗した大学へ怒り広がる

 「大学とは何か?」「教育は何のためにあるのか?」----新自由主義大学の腐敗・堕落に社会的な怒りが広がっている。労働者民衆の幸福と未来をつくり出し人間を豊かにするべき大学・教育が、逆に社会を破壊し、人間性と共同性を解体し、人民を殺している。最大の焦点は「戦争」と「労働」だ。
 一つに、京都大学の闘いだ。昨年10月27日の反戦バリストに対する4学生への「無期停学」処分を撤回させる闘いは、軍事研究・戦争動員にのめり込む新自由主義大学を告発するのみならず、学生の権利と自由と団結を強権的に奪い尽くす学内支配を糾弾する闘いとして、全人民的求心力をもって発展している。
 二つに、東北大学の闘いだ。東北大当局は今年3月、非正規職労働者3243人を18年3月末で雇い止めにすると発表した。04年の国立大法人化を受け、東北大では全職員の約55%が非正規職だ。大学が率先して労働者を貧困にたたき込み、首を切っている。10・18キャンパス集会を突破口に東北大自治会が基軸となって反撃は始まった。
 三つに、大手広告会社・電通の労働者の過労自殺問題だ。東大卒の24歳の労働者を殺したのは資本であり、「働き方改革」を進める安倍政権であり、長時間労働に協力する御用労組だ。大学も共犯者だ。「就職難」をあおり、ブラック企業への就職活動に学生を駆り立てる大学の罪は重い。資本と闘わない大学は根本的に腐っている。
 国境をこえた労働者・学生の団結が社会変革の原動力だ。青年労働者・学生にその力がある。11月国際共同行動を出発点としよう。全国学友は11・6日比谷野音へ!
[革共同中央学生組織委]

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