動労千葉が処分に反撃

週刊『前進』04頁(2793号02面01)(2016/10/31)


動労千葉が処分に反撃

(写真 銚子運輸区への抗議行動に立った動労千葉は門前に居並ぶJRの管理者を厳しく弾劾【10月21日】)


 JR東日本は「停車中の列車から放尿し会社の信用を失墜させた」として運転士に減給処分を下し、CTS(千葉鉄道サービス)への出向を発令した。動労千葉はこれに対し10月21日、銚子運輸区への抗議行動に立った。攻撃を弾劾する動労千葉のビラを紹介します。(編集局)

長時間運転に時間厳守のプレッシャー...
なのに生理現象で運転士剝奪・減給処分?!
運転士の人生まで奪うな!
「処分撤回・乗務復帰」に向けた行動へのご支援をお願い致します

 JR千葉支社は、佐倉駅で運転席から用を足してしまったことを理由に、私たちの組合員を減給処分にした上、運転士の職を奪って子会社に出向させ清掃業務につけるという通知を行いました。私たちは本当に許せない思いでいっぱいです。
■生理現象で運転士の人生を奪うのか
 運転士は、長時間運転席から離れられない上に、常に時間厳守のプレッシャーの中で列車を動かしています。トイレの問題は、すべての乗務員にとって何より切実なことなのです。
 会社は、「運輸指令に連絡すれば駅のトイレに行っていい。列車が遅れても構わない」といいます。しかし、そんな綺麗事(きれいごと)では何も解決しません。
 生理現象は自分の意志ではどうにもならないこともあります。体調が悪いからといって、簡単には休めません。どうしようもなくなって運転席で洩(も)らしてしまった乗務員もいます。トイレの問題は、乗務員をそこまで追い詰めるものなのです。
 「自分のトイレのために列車を遅らせるわけにはいかない」と、必死に耐えて、それでも我慢の限界に達して運転席からしてしまった。これが一人の運転士の人生を奪うべきことでしょうか?
■JR幹部の自己保身のための処分
 会社は、毎年のように長時間乗務を増やす一方で、私たちが駅ホームにトイレを設置するよう求め続けたことは無視してきました。JRは、その責任を完全に棚に上げています。
 しかも、当初は会社自身が「事情を聞いたらすぐ乗務に戻す」と言っていました。しかし、報道された途端に対応が全く変わり、「報道等によって信用を失墜させた」と処分を行いました。
 この処分・運転士剝奪(はくだつ)は、JR幹部の自己保身、責任逃れだけのために行われているのです。
■このままでは「第2の尼崎事故」に
 もっと重大なことは、人格や人権まで否定する形で運転士を締め付ければ、鉄道の安全が破壊されることです。尼崎事故は、運転士が精神的に追い詰められる中で、多少の遅れが107名の生命を奪う最悪の事態にまでなってしまいました。
 近鉄奈良線で、乗客からクレームをつけられた車掌が、その場で飛び降り自殺を図ってしまった事件は、形を変えれば「第2の尼崎事故」になってもおかしくありません。
 この間、運転士や車掌が乗務中ずっと監視され、些細(ささい)なことで見せしめ的に攻撃され、乗務をおろさせるといったことが続いています。「胡坐(あぐら)をかいた」と摘発された運転士は、今も乗務を外され、運転士の職を剝奪されようとしています。
 乗務員はもう限界ギリギリです。いつ重大事故につながってもおかしくありません。だから、私たちは声をあげようと決断しました。
 私たちは仲間への不当処分撤回・乗務復帰まで闘います。そして、JRの職場の現実をすべて社会に明らかにします。是非、「処分撤回・乗務復帰」に向けた行動へのご支援をお願い致します。
国鉄千葉動力車労働組合

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