「重要影響事態」=安保法発動し 戦争突入へ米日韓が大演習

発行日:

週刊『前進』04頁(2793号01面02)(2016/10/31)


「重要影響事態」=安保法発動し
 戦争突入へ米日韓が大演習


 この間、北朝鮮への先制攻撃と全面戦争を想定した米日韓による大規模軍事演習が相次いで実施され、東アジアの軍事的緊張と朝鮮戦争の危機が極度に高まっている。
 10月10〜15日に黄海、日本海などで行われた米韓軍の合同演習では、横須賀を母港とする原子力空母ロナルド・レーガンを中心に空母打撃群が編成され、北朝鮮の首都ピョンヤンへの攻撃を想定した訓練が実施された。これと並行して、米アラスカ州でも米軍の主導する多国間空軍演習が行われ、ピョンヤン中枢を精密誘導弾で攻撃する訓練などが行われた。
 22〜23日には、米韓両海軍と海上自衛隊が韓国・済州島(チェジュド)沖で海上封鎖訓練を実施した。大量破壊兵器を搭載した北朝鮮船の捕獲・捜索(臨検)を想定したきわめて実戦的な訓練となった。日米韓が同訓練を共同で実施するのは4年ぶりだ。聯合ニュースによると、近年は日韓関係の悪化により中断してきたが、昨年末の日本軍軍隊慰安婦をめぐる合意を機に日韓政府の「関係改善」が進んだことで再開されたという。
 さらには、30日から来月11日まで沖縄周辺海域などで日米共同統合演習「キーン・ソード」が実施される。防衛省は21日、今年3月に施行された安保関連法における「重要影響事態」を想定した初の訓練をこの演習で行うと発表した。これに自衛隊約2万5千人、艦艇約20隻、航空機約260機が参加し、米軍約1万1千人が参加する。
 「重要影響事態」とは、「放置すれば日本の安全に重要な影響を与える事態」と定義され、政府がこの事態を認定すれば、重要影響事態法に基づく自衛隊の出動と他国軍への後方支援が可能となる。同法は、朝鮮半島有事における米軍への後方支援を規定した1999年の周辺事態法を改定したもの。自衛隊を展開する際の地理的制約を撤廃したことに加え、米軍以外の他国軍も後方支援の対象となり、武器・弾薬の提供や戦闘機への給油なども可能とされた。
 こうしたすさまじい戦争情勢下で、韓国・民主労総は戦争絶対反対を掲げてゼネストに決起している。11月国際共同行動を成功させ、朝鮮戦争を始まる前に阻止しよう。
このエントリーをはてなブックマークに追加