東京丸ごと民営化許すな 小池知事の狙いは労組解体だ
東京丸ごと民営化許すな
小池知事の狙いは労組解体だ
「働き方改革」へ特区を活用
東京都の小池知事は、築地市場の豊洲移転と国威発揚・巨大利権のオリンピックを推進する一方で、安倍政権と一体となり「働き方改革」や都業務丸ごと民営化、社会保障解体、労働組合解体を、「特区制度を活用」して東京から先行的に進めようとしている。
10月14日、都と国(内閣府)は共同で都庁内に「東京特区推進共同事務局」を設置した。小池知事は事務局長に鈴木亘(学習院大学教授)を任命した。鈴木は都政改革本部特別顧問であり、内閣府の特区ワーキンググループの委員でもある。
小池知事は7日の記者会見で「鈴木事務局長、内閣府、都庁の関係部局が規制改革について一堂に会して議論をして、スピーディーな意思決定ができるもの」と説明した。主なテーマとして、とくに「待機児童解消」や「働き方改革」、国際金融都市の実現などを掲げた。小池・安倍との全面激突の開始である。
鈴木亘は「社会保障栄えて国滅ぶ」「財政から社会保障を語れ」と叫び、医療・介護、保育、生活保護などの社会保障制度解体、労働組合解体を打ち出している極悪の新自由主義者である。これまでに自身のブログなどで〝保育団体や保育労組の抵抗でいろいろな規制や参入障壁が残っている。そのせいで株式会社立の保育所が広がっていないことが待機児童を生み出している〟と主張してきた。この鈴木の主張を特区を使って実現しようというのが小池知事と内閣府の狙いである。すでに全都で公立保育園つぶしと全面民営化との闘いが始まっている。
また、小池知事は「職員目安箱の設置」「公益通報制度の導入」を発表した。これは職員同士や都民と職員を分断し密告を組織するものである。大阪市が市職員を攻撃するために使った手法を導入し、労組解体に使おうという意図である。
地下鉄民営化を阻止しよう
現在の小池知事の攻撃の骨格をなしているのが、都政改革本部統括顧問の上山信一(慶応大学教授)の「東京改革プラン」(7月26日)である。これは上山が都知事選挙前のインタビュー記事で語ったものだ。
上山はこの「東京改革プラン」で「都営地下鉄の民営化」を第一に挙げた。主敵を東交(東京交通労働組合)に据えて、国鉄分割・民営化型の労組解体攻撃をしかけようとしている。「コストという点でも、削減余地は大いにある。たとえば、地下鉄は都営と営団地下鉄を統合すればいい」「都営バスも民営化......エリア別に東急などに売ればいい」と都営地下鉄・バスを丸ごと民営化しろと言うのだ。
「最大の争点は情報公開だ」として、公務員労働者たたきのキャンペーンをあおり立て、「メディアと市民が盛り上がっているうちに行政改革を行っていけばいい」と述べている。そして「職員の給料も高すぎる」「職員の数も今の半分でいい」「外郭団体を対象にして、『本当に必要ですか』と事業仕分けをやっていったら、半分くらいはいらなくなるのではないか」と主張している。小池知事が「知事報酬の半減」をペテン的に掲げたのは、都の労働者の賃金削減と大リストラが狙いである。
さらに「改革を成功させるには〝相当な何か〟がないと難しい。たとえば、不祥事が起きると期待できる」として、「情報公開」「財政問題」に加え「不祥事」をも利用して「改革」を進めるとしている。豊洲移転延期の発表は当初からそういう狙いをもっていた。
小池・上山は事態をすべて「情報公開」と都の職員の責任にすり替え、「全職員を粛正」と叫び、処分をてこに労組解体に向かおうとしている。豊洲市場をめぐる問題で労働者への一切の責任転嫁を許さない! 築地市場の廃止・豊洲移転は白紙撤回しかない。これが労働者の立場である。
鈴木や上山を登用した小池知事の狙いは、東京丸ごと民営化と都労連解体である。だが重要なことは、上山は元大阪市長・橋下徹のもとで丸ごと民営化、労組解体を強行しようとしたが、現場労働者の誇りと団結、絶対反対の決起によってすべて破綻を強制されたということである。自民党から共産党まで全政党はこの小池知事を賛美している。小池都政を倒す力は労働組合にこそある。
国鉄闘争の発展と一体となった都労連労働運動の前進とストライキを復権しよう。橋下を倒した大阪の労働者の闘いに続こう。安倍・小池の「働き方改革」粉砕、東京丸ごと民営化阻止へ職場から闘い、11・6集会へ万余の結集をかちとろう。