11月国際共同行動を 韓国 鉄道労組の無期限スト続く 農民・学生・市民の決起と結合

週刊『前進』02頁(2790号02面01)(2016/10/20)


11月国際共同行動を
 韓国 鉄道労組の無期限スト続く
 農民・学生・市民の決起と結合

(写真 農民・ペクナムギさん虐殺糾弾集会に集まった広範な民衆とともに、「殺人政権パククネ糾弾」を叫ぶ民主労総【10月15日 ソウル】)

(写真 鉄道労組ソウル本部の集会で決意を示すスト初参加の青年組合員【10月13日 ソウル】)

(写真 ストライキの破壊を狙う警察権力と激突して闘う貨物連帯の労働者【10月11日 釜山新港】)


 韓国労働者人民のパククネ政権打倒の闘いは、11月12日の全民衆総決起闘争の爆発に向かって大きく発展している。その最大の中心、結集軸になっているのが民主労総のゼネストだ。
 鉄道労組の無期限ストは9月27日からすでに20日を超えて続いている。貨物連帯のストも2週目に入ろうとしている。民主労総はこの両者のストを断固として継続する一方、他の公共部門については戦術を転換し、より長期・強固に闘う体制に再編した。国民健康保険、国民年金などの労組は14日間のストを全組合員の参加で貫徹した地平に立って、一糸乱れぬ団結で新たな闘いに突入した。ソウル大病院ではスト18日目に、成果年俸制導入をいったん阻止する勝利をもぎとった。
 現在、公共運輸労組17万人全体が、鉄道労組の無期限ストと結合しつつ週2回の集中スト(部分スト・時限ストも含む)を構え、同時に連日の街頭闘争(主要駅での宣伝戦と夜の集会)に一斉に立ち上がっている。

青年組合員も初のスト決起

 ゼネストの中心に立っているのは鉄道労働者のストライキだ。鉄道労組ソウル地方本部が10月13日に開いた総決起大会では、ストは初めてという新組合員の青年労働者が壇上に並び、その興奮と決意をこう語った。
 「ストライキ17日目、先輩たちが兄さん姉さんになって、まるで学校の遠足のように楽しい毎日です。金もうけよりも安全を守る鉄道労働者、自分の食いぶちよりも国民の命を守るために闘う鉄道労働者を誇りに思います。一緒に行って一緒に戻ろう! この言葉を胸に刻み、先輩の後について最後まで闘います」
 組合員の家族からは、「1カ月、2カ月かかろうが、勝利するまで闘って!」という熱烈な応援の声が発せられた。
 彼らを奮い立たせているのは、ストライキの正当性への圧倒的な確信である。成果主義賃金の導入は公共部門を丸ごと資本の金もうけの手段に変えるものだ。行き着く先は全面民営化であり、公的医療や福祉の解体、鉄道の安全の崩壊、全労働者の非正規職化と人間社会の共同性の崩壊だ。絶対に阻止しようという声は、ゼネストを通して今や民主労総組合員だけでなく全労働者、全社会に広がっている。
 追いつめられたパククネ政権は鉄道労組と貨物連帯のスト圧殺に全体重をかけてきた。10日の午前零時から全面ストに突入した貨物連帯に対しては、上空にヘリコプターを飛ばし、数千人の武装警官を動員して組合員の集会に襲いかかり、現場から手錠をかけて連行した。負傷者・逮捕者が続出する中、労働者はしかし一歩もひるまず、人民の圧倒的な声援を受けながら闘いぬいている。

「パククネは殺人政権だ」ペクナムギさん虐殺に怒り

 この民主労総ゼネストに、農民、学生を始めあらゆる人民、諸団体の決起が昨年以上の勢いをもって結合し始めた。とくに権力による農民・ペクナムギさん虐殺糾弾の闘いは、大衆的に大爆発していく局面に入った。
 ペクナムギさんは昨年11・14の民衆総決起闘争で、警察権力の殺人的な放水銃の狙い撃ちにより意識不明の重態を続けたまま、9月25日、入院していたソウル大病院でついに亡くなった。責任追及を恐れるパククネ政権は、病院に圧力を加えて「死因は病死」とする虚偽の死亡診断書をデッチあげ、その「証明」のために遺体の強制解剖まで策動している。遺族はこれに「殺した上に遺体まで踏みにじるのか!」と怒り心頭に発している。
 ストライキに立ったソウル大病院の労働者は、医療従事者としての最低限の良心さえ投げ捨てた病院当局を徹底弾劾し、これが新自由主義の正体だと告発した。民主労総は遺族とともに、ペクナムギさんを死に追いやった国家暴力の真相究明・責任者処罰を要求し、遺体強奪を実力阻止する決意を表明した。
 10月15日にはソウルで「反労働・反民生、ペクナムギ農民殺人政権糾弾汎国民大会」が開かれ、労働者や農民、学生など3200人が結集した。ストライキ中の鉄道労働者が最先頭で参加。セウォル号遺族や良心的な医師の団体、障害者団体も合流し、「私たちがペクナムギだ! 殺人政権は退け!」のプラカードを掲げて街頭を制圧した。
 さらに、梨花女子大に続いてソウル大学の学生が、新自由主義大学粉砕の学内占拠闘争に突入した。またサード配備阻止闘争の現地では、「韓国のどこにもサード配備はさせない」と叫ぶ住民の闘いがますます不屈に発展している。その一切がソウルに20万人を集めて闘われる11・12民衆総決起闘争へとしぼり上げられようとしているのだ。
 日本の11・6労働者集会はこの11・12と完全に一体だ。大結集しよう。

■韓国ゼネスト報道せず抹殺するマスコミや連合

 民主労総が昨年来、史上空前の規模で巻き起こしているゼネストと民衆総決起闘争は、日米韓政府による新たな朝鮮戦争・核戦争の策動の前に敢然と立ちはだかり、パククネ政権による労働改悪攻撃を打ち破って不屈に闘い抜かれている。
 だが、この世界史的大事件について、日本のマスコミはほとんど報道せず、意図的な無視・抹殺を決め込んでいる。安倍政権や財界の意を受けたマスコミは、民主労総の闘いが広まれば、日本でも労働者階級の怒りと闘いが爆発し、ゼネスト情勢が始まるのではないかと恐れているのだ。
 そしてそれ以上に許しがたいのは、連合幹部や日本共産党などの体制内政治勢力による民主労総への無視と敵対だ。共産党機関紙『赤旗』は一切報道しない。また原子力空母ロナルド・レーガン配備に抗議する10・1横須賀闘争の集会の発言では、朝鮮戦争情勢や民主労総ゼネストへの言及が一切なかった。職場の討論では、体制内組合幹部は敵意もあらわに「民主労総ゼネストは支持できない。日本ではできない」などと公言している。
 国際連帯に敵対しゼネストを否定する腐敗した労組幹部を打倒し、民主労総に続くゼネストを日本で実現しよう。

■朝鮮戦争切迫を否定し反戦闘争に敵対の共産党

 米韓軍は10月10〜15日の6日間、黄海や済州島(チェジュド)沖などで大規模な合同軍事演習を実施した。日本の各紙も「米韓空母参加し合同訓練 過去最大規模」(読売新聞10・12付)、「平壌中枢への攻撃想定」(日経新聞10・10付)と報じているように、今回の演習は「地上目標への精密攻撃」に重点を置いた点で、過去のどんな演習よりも攻撃的な内容となった。
 またこの演習とは別に、米アラスカ州では、米韓の戦闘機が北朝鮮の防空網を避けて北朝鮮中枢を精密誘導爆弾で攻撃するという想定で「より実践的な訓練」(日経)が行われている。10月下旬には、日米統合共同演習も行われる。
 だが、この米日韓による超重大な戦争挑発に対して、既成の野党や労組幹部は一切問題にせず、共産党はいまだに「朝鮮有事にはリアリティがない」などと主張している。断じて許せない。
 戦争絶対反対で闘う民主労総と連帯し、11月共同行動を成功させよう。

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