戦争阻む思い共有 ゼネストに連帯し訪韓 広島連帯ユニオン青年部長 宮原 亮

週刊『前進』02頁(2788号02面02)(2016/10/13)


戦争阻む思い共有
 ゼネストに連帯し訪韓
 広島連帯ユニオン青年部長 宮原 亮

(写真 「10月民衆抗争70年精神継承全国労働者大会」に組合旗を持って参加した広島連帯ユニオン青年部長【10月1日 大邱】)

(写真 ソンジュでのサード配備反対集会で宮原青年部長が朝鮮戦争阻止へ決意表明【10月1日】)


 10月1日、韓国・大邱(テグ)で、ゼネスト闘争の一環として「9月ゼネスト10月民衆抗争70年精神継承全国労働者大会」が開催されました。この労働者大会への参加を軸とした訪韓闘争に広島連帯ユニオンから派遣され、連帯してともに闘いました。8・6ヒロシマ大行動に参加してくれた大邱の城西(ソンソ)工団労組の招待で実現した今回の訪韓闘争は、11月国際共同行動に向かって日韓労働者の国際連帯をさらに前進させるものとなりました。

テグ大会で組合旗を持って登壇

 10月人民抗争とは1946年、米軍政に対して9月に釜山(プサン)を中心にゼネストが爆発し、さらに10月1日に始まった大邱でのデモに対する親日派警察と米軍の武力鎮圧(数十人死亡)に怒りが爆発して全国に拡大した闘いを指します。長い間、歴史的に隠されてきたこの闘いを現代に復権すると同時に、現在のゼネスト闘争の中にその精神を継承しようという趣旨の集会です。
 米日帝国主義による朝鮮戦争が切迫する中で、46年当時の闘いの精神を継承しようという試みは時宜にかなった闘いだと感じました。また昨年11月のソウルでの民衆総決起で権力の放水で重体になっていた農民のペクナムギさんが先日亡くなりました。集会スローガンも「殺人政権退陣させよう」で、そういう意味でも米軍政による虐殺から闘いが爆発した当時と重なるものがあります。
 大会には、民主労総大邱地域本部が中心となって、釜山や蔚山(ウルサン)などの慶尚南道の地域を中心に約7千人が結集し、市の中心部の太平路を埋め尽くしました。
 私が広島連帯ユニオンの旗を持って参加していたら、主催者の計らいでほかの団体代表と一緒に旗を持って登壇を勧められました。100本近い各産別、労組、地域本部の旗とともに登壇し、ペクナムギさんを追悼して「イムのための行進曲」を歌うところでは思わず涙が出ました。
 前夜の交流会でも、「そもそも組合員も10月抗争のことをほとんど知らないのに、こんな集会を大邱でやる意味があるのか」という意見と執行部が必死に討論する。こういう討論の中で開催されている集会です。集会中もステージ上の巨大モニターに何度も10月抗争の映像が流されます。70年前の話を単なる昔話にするのではなく、現在まさに闘っているゼネストの爆発に結びつけようという指導部の意識性、意欲がものすごく、それに現場が応えていく。非常に感動的な集会でした。

ソンジュ集会で闘う決意を表明

 夜は車でサードミサイルの配備予定地とされたソンジュに移動し、サード配備反対の集会に参加しました。
 9月30日にサードの配備がソンジュから少し北の金泉(キムチョン)に最終決定したというニュースが流れた直後の集会でした。ソンジュ郡の首長が早速反対の旗を街から降ろすと言い始める中での集会でしたが、運動の側は闘いの継続を宣言。郡役場前での集会は住民と支援の「絶対反対」の団結力を示し、とても高揚しました。
 何よりまず度肝を抜かれたのがソンジュの中心部の横断幕の多さ! 道路の脇はもちろん、道路をまたいで道という道に横断幕が張られ、店の軒先、果ては店の中のトイレにまで「サード配備決死反対!」のスローガンが。地域を挙げて反対している雰囲気が伝わってきます。
 集会でも発言はもちろん、非常に明るく、高揚感がありました。配備の決定に対する動揺はみじんも感じさせませんでした。韓国の伝統的な歌や踊りなどでサード配備を批判するなど、現地の農民たちの気持ちにフィットした集会でした。
 集会では広島連帯ユニオンの発言の機会を得ました。8・6ヒロシマ大行動で朝鮮戦争絶対反対、サード配備反対を決議したことを報告し、「1%の資本家の延命のための戦争だ」「日本の三里塚闘争や沖縄闘争と同じ闘い」「韓日労働者民衆の国際連帯で今度こそ戦争を始まる前に阻止しよう」「10・21国際反戦デー闘争を闘い、11月国際共同行動を闘う」とアピールしました。
 参加者のものすごい拍手で、思いを共有していることを実感しました。発言は現地の動画やインターネット新聞でも紹介され、日韓連帯の画期的な地平となりました。

11月共同行動へ巨大な一歩築く

 前日の30日には、大邱百貨店前の広場で開催された「ゼネスト支持!市民文化祭」企画で発言の機会が与えられ、鉄道、国民健康保険、年金労働者など民営化と闘う労働者を前に、日本での民営化が安全崩壊と非正規化をもたらしたこと、動労千葉が絶対反対で闘って勝利を切り開いていることなどを訴えました。
 2日には、亀尾(クミ)の旭硝子の闘争現場を訪問しました。旭硝子社内下請け労組は、旭硝子資本による170人全員の解雇に対して激しい解雇撤回闘争を闘っています。昨年の訪日闘争を動労千葉が支援した関係で、動労千葉のことはよく知っていました。最近も180人が組合に加入したとのこと。「やるべきことをやっていれば必ず組合員は増える」という言葉に原則的なオルグの重要性をあらためて実感しました。
 3日間の訪韓闘争で日韓労働者の連帯をさらに深め、11月国際共同行動への巨大な一歩を築けたと思います。

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