都労連労働者は11・6大結集を 労働法制改悪阻止! 安倍・小池を倒そう

週刊『前進』02頁(2788号01面03)(2016/10/13)


都労連労働者は11・6大結集を
 労働法制改悪阻止! 安倍・小池を倒そう


 公務員の賃金・労働条件をめぐる秋季闘争は安倍政権の戦争・改憲と一体の働き方改革=労働法制大改悪との決戦となった。「民間に先行し公務員で流れをつくる」と公言する安倍の意を受けて人事院勧告が出され、小池百合子都知事は「都庁の働き方改革」を振りかざして賃金と労働の破壊を全面化させようとしている。都労連を先頭に11・6日比谷に大結集し、安倍・小池打倒のストライキに立とう。

民営化・労組破壊と対決し反転攻勢へ!

 小池知事は都政改革本部の中心に、大阪府・市の丸ごと民営化・労組破壊を仕掛けて打倒された橋下徹・前大阪市長のブレーン=上山信一慶応大教授や鈴木亘学習院大教授を据えた。豊洲問題で「パンドラの箱」が開き石原慎太郎元知事を筆頭とする腐り切った巨大利権構造が暴かれる中で、小池知事は「全都庁の職員を粛正したい」と会見して都の職員の問題にすり替え、都議会の所信表明で「東京大改革」を掲げた。その最大の狙いは「大阪・橋下改革」型の都の丸ごと民営化であり都労連の解体である。
 都当局は「都政にかかわるすべての事項において見直しの取り組みが求められる」「職員の勤務条件についても例外ではない」と言い放った。都議会議員の中には、橋下維新の会にならい、都庁舎内にある各単組事務所について攻撃する動きがすでに出てきている。
 都と内閣府は10月4日、国家戦略特区ワーキンググループ委員で都政改革本部の鈴木教授を事務局長に、保育などの規制改革の早期実現のための東京特区推進共同事務局を立ち上げた。鈴木教授は著書『社会保障亡国論』(講談社現代新書、2014年)で「社会保障栄えて国滅ぶ」「財政から社会保障を語れ」と叫んで労働組合を攻撃し、医療や介護、保育、生活保護など社会保障制度の解体と株式会社参入の完全自由化を主張している。小池知事はその鈴木教授らを使い、働き方改革と丸ごと民営化、社会保障制度解体、労組破壊を東京都からこじ開けようとしている。

働き方改革=労働法制改悪を粉砕しよう

 小池知事は所信表明で「知事報酬の半減」を掲げた。都の職員の賃金破壊が最大の狙いだ。
 人事院は8月、国家公務員に対する人事評価による賃金分断、民間に先駆けたフレックスタイム制の全職員への導入、配偶者扶養手当の削減・廃止を勧告した。総務省は各自治体にも同様の勧告を求めている。
 経済財政諮問会議は毎回の会議で「仕事・役割・貢献度を重視した賃金制度への移行、年功序列型賃金の是正、そのためにも同一労働・同一賃金の実現が不可欠」と確認し、10月10日の国家戦略特区会議は「残された岩盤規制改革の断行」の重点として公務員の働き方改革を進めるとした。
 人勧の「月例給0・17%」というごくわずかの賃上げ勧告はこれまでの賃下げ分以下であるばかりか、「一時金0・1カ月引き上げ」も人事評価による勤勉手当とする。人事院は〝さまざまな機会を捉えて人事評価が任免・給与などに活用されるよう取り組む〟と強調した。韓国・民主労総がゼネストで闘っている「成果年俸制」「成果退出制」と同じく、人事評価で賃下げも解雇も自由とする大攻撃だ。
 重大なのは、午前7時から午後10時の間で勤務するフレックスタイム制の導入である。「ある日に集中して仕事をすれば勤務しない日もつくれる」とは朝7時から夜10時まで働きづめにすることだ。「8時間労働」や「残業」という概念自体をなくす。それを研究職や専門職から一般職27万人に拡大する。労働時間をバラバラにして職場の団結を破壊するとともに8時間労働制解体に向けた大攻撃である。
 小池知事は「夜8時までの退庁」を求め「残業削減マラソン」を競わせている。安倍首相の「長時間労働の是正」の大ペテンと同じく、人勧は「フレックスタイム制の拡充を契機としてすべての職員に働き方の見直しを行い、超過勤務の縮減に向け一層積極的に取り組んでいく必要がある」とした。しかしすでに極端な人員削減で深夜残業を余儀なくされ残業にカウントされない早朝出勤も強いられている。小池知事の言う「残業ゼロ」とは残業代ゼロ化と一層の労働強化である。
 加えて人事院は、配偶者の年収が130万円以下の国家公務員10万人が受けている月1万3千円の配偶者扶養手当を、17年度は1万円、18年度には半分に減らし、課長級は20年度に廃止するよう勧告した。実質的な賃下げであり、貧困を強いて非正規雇用に一層駆り出すものだ。8割近い民間企業が配偶者手当を支給している中で、人事院は「公務員が民間に率先して取り組むべき」とした。不当にもスト権が制限されている公務員で先行させ、民間全体に波及させようという意図は明らかである。

絶対反対貫く労組の闘いで戦争とめよう

 公務員をめぐる職場攻防が、安倍の働き方改革=正社員ゼロ・解雇自由化、8時間労働制解体と激突する闘いとなった。公務員労組が本領を発揮し全労働者の先頭でストに立つ時が来た。
 すでに闘いは全国の職場で火を噴いている。反合理化・運転保安闘争の再確立をかけた動労千葉の工事用臨時列車指名ストと正規・非正規が団結したCTS(千葉鉄道サービス)闘争が安倍政権とJR資本を根底から揺るがし、これに続くストライキが全産別に広がっている。奈良市従(奈良市従業員労働組合)の労働者は評価制度による労組破壊と闘い、絶対反対で闘えば下水道完全民営化を阻止して勝てることを実証し、これに続く大阪市下水道民営化=全員転籍・解雇攻撃との闘いが繰り広げられている。
 朝鮮戦争が切迫し、安倍政権は戦争・改憲に突進している。10月1日、原子力空母ロナルド・レーガンの米韓合同演習参加を弾劾し母港撤回を求める横須賀闘争が、地元の教組や自治体労組を始め1800人の大結集でかちとられた。ゼネストで闘う韓国労働者と団結し、陸・海・空・港湾、公務員労組が中軸となって戦争動員を拒否し戦争を阻む! 11・6日比谷―11月国際共同行動はゼネストと国際連帯で「戦争が始まる前に止める」闘いである。11・6大結集で労組拠点をつくり出し、ゼネストを現実のものとしよう。都労連労働者こそ先頭で立とう。
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