焦点 核と改憲叫ぶ桜井よしこ 日韓労働者の闘いに焦りと恐怖

週刊『前進』02頁(2784号02面05)(2016/09/29)


焦点
 核と改憲叫ぶ桜井よしこ
 日韓労働者の闘いに焦りと恐怖


●安倍と一体の極右・桜井
 朝鮮戦争参戦を狙う安倍政権に対し、労働法制改悪と戦争に絶対反対を貫く日韓労働者階級の闘いが真正面から立ちはだかっている。この闘いは、11月国際共同行動として全世界の労働者とも結びついて発展していこうとしている。このことへの焦りと恐怖にかられて引きずり出されてきたのが、安倍の盟友である極右・桜井よしこだ。
 桜井はこの間、UAゼンセンに対して「連合を分裂させよ」(2014年11月3日付産経新聞)と叫ぶなど、政権自身が直接には提案できないようなことがらについて、戦争を美化し推進する立場から提言し続けてきた。自らが理事長を務めるシンクタンク「国家基本問題研究所」には山谷えり子や百地章などの極右イデオローグが名を連ね、「北朝鮮の核に対し自前の抑止力を検討せよ」「今こそ緊急事態法制の整備を」などと、外交・安保や原発、教育政策をはじめ多岐にわたるテーマで極右思想を宣伝している。
●民主労総の闘いへの恐怖
 注目すべきは、桜井がこの間、韓国・民主労総の闘いに震え上がっていることだ。8月26日付のコラム「日本のメディアはなぜ報じない!? 韓国を揺るがす7万人大暴動」(ダイヤモンド社オンライン)では、昨年11月14日の民衆総決起闘争に触れ、「先頭には指名手配中の民主労組総連盟の韓サンギュン委員長がいた......ソウルの現状は無政府状態に近い」と驚愕(きょうがく)し、パククネの弾圧にもかかわらず「デモの激しさを見れば、左翼勢力は全く衰えていない」と叫んでいる。
 労働法制改悪と対決する民主労総の闘いは文字どおり社会全体を獲得しながら前進し、これと一体でサード配備阻止など戦争絶対反対の闘いが「北の脅威」「国家安保の危機」を叫ぶパククネ政権と真っ向から対決しながら日ごとに戦闘性を増して拡大している。桜井はこのことに戦々恐々とし、「危機は......日本の足元にも及んでいる」と書いているように、韓日労働者の闘いがひとつになることを何よりも危惧している。
●「日韓合意」破産への焦り
 さらに桜井は『週刊ダイヤモンド』3月12日号で、昨年末の「日韓合意」とパククネ政権によるサード配備の策動を賛美し、アジア情勢の激変=「中国の尋常ならざる軍拡」を前に改憲が必要だとして「戦後憲法に根ざす異常な安全保障観の打破こそ急務である。それができなければ、日本は確実に滅ぶ」とまで言い切っている。
 しかしながら一方で「日韓合意を正面から否定する市民運動はとどまらない」こと、これが新たな戦争のための「日米韓の協力......にも負の影響を与えている」ことを率直に認めている(同誌9月17日号)。安倍とパククネが手を結んだにもかかわらず労働者人民の怒りを圧殺できていないばかりか、闘いが逆に拡大し、日米韓軍事同盟構築の完遂を阻んでいることへの激しい危機感がむき出しだ。
●「自衛戦争も反対」に悪罵
 桜井は、圧倒的多数の労働者が「自衛戦争」にも反対している現実(週刊誌の世論調査で、これをも認めないという回答は男性で3割、女性で5割以上を占めた)に対して「身勝手な国民が日本を滅ぼす」と悪罵(あくば)を投げつけ、「こんな状況で......自衛隊が第1列島線を守り切ることなど不可能」「防衛予算を倍増する程の大規模改革を」(9月5日付産経新聞)と絶叫している。労働者人民の根底的な怒りと決起を見すえられないところに、桜井の致命的な弱点がある。
 1%の利害のために99%の労働者人民を殺し合わせる帝国主義戦争の本質を見ぬき、一貫して戦争絶対反対の声を上げ続けてきたのが日本労働者階級だ。労働組合を屈服させ、反戦闘争を解体して国家総動員体制をつくれない限り戦争はできないが、動労千葉をはじめとした階級的労働運動がこれを阻み、階級意識を根本において守りぬいてきたことが、桜井ら日帝中枢を追いつめているのだ。
 桜井=安倍の悲鳴は、労働者の国際連帯闘争がもつ力の大きさをこの上なく鮮明に示すものだ。9月27日の無期限スト突入を突破口としてパククネ政権打倒へ進撃する民主労総の闘いに続いて、職場の闘いを基盤に11月国際共同行動を大成功させ、日韓労働者の連帯で朝鮮戦争を絶対に阻止しよう。

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