辺野古基地建設容認の反動判決弾劾する 多見谷裁判長は安倍の先兵

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週刊『前進』02頁(2782号02面02)(2016/09/22)


辺野古基地建設容認の反動判決弾劾する
 多見谷裁判長は安倍の先兵


 9月16日、沖縄県名護市の米軍辺野古新基地建設をめぐる裁判で、福岡高裁那覇支部(多見谷寿郎裁判長)は基地建設を進める超反動判決を出した。満腔(まんこう)の怒りをもって弾劾する。
 2013年12月に仲井真前知事が出した埋め立て承認を、15年10月に翁長雄志現知事が取り消した。それに対して政府が「取り消し」を撤回するよう知事に是正指示を出し、加えて、是正指示に従わないことが違法だと政府が提訴したのが今回の裁判である。
 安倍政権は自らの先兵として反動裁判長・多見谷を送り込んだ。多見谷は13年7月に千葉地裁の三里塚・農地法裁判で、市東孝雄さんの耕作地の明け渡しを命じる超反動判決を出した裁判長だ。
 判決は政府の主張をすべて認めたとんでもなく反動的なものである。判決は、まず「国防・外交について、国の判断に具体的な不合理がない限り知事はその判断を尊重すべき」と断じ、承認取り消しは「日米間の信頼関係の破壊」だと言い、「北朝鮮のミサイルの射程外にある沖縄に(基地をつくるべき)地理的優位性がある」と政府の意見をそのまま代弁した。
 さらに「普天間の被害を除去するためには辺野古に新施設を建設する以外にない」と、安倍政権を全面的に擁護した。そして、知事が是正指示に従わないことは違法と斬り捨てた。「戦争をするのだからつべこべ言うな!」とでも言うような口ぶりだ。
 政府の提訴からあまりに早い判決だった。提訴が7月22日で、2カ月後に判決。証人は翁長知事1人だけ、法廷は2回しか開かれなかった。
 現在、米日帝国主義による朝鮮侵略戦争が急切迫する中で、沖縄県民の激しい怒りによって辺野古新基地建設が阻止され続けていることに対する、日本帝国主義のあせりと凶暴さのあらわれが今回の判決だ。そして安倍政権は今、東村高江の米軍ヘリパッド建設工事を機動隊と自衛隊を動員し、暴力的に強行している。
 沖縄労働者人民の中から「戦争前夜だ!」という危機感と、根底的な怒りが噴出している。沖縄全島ゼネストの実現と日韓米を軸とした国際連帯の発展こそ勝利の道だ。11月国際共同行動の成功へ総決起しよう。戦争が始まる前に、戦争を止めよう。
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