団結ひろば
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初の公設民営保育園が1年で契約解除に
東京南部 羽田美月
今年4月、品川区のJR東日本東京総合車両センター(大井工場)脇の区有地に区立ひろまち保育園が開園しました。定員300人、現在は園児180人が通い、保育士30人が勤務する品川区初の公設民営保育園です。その運営を5年契約で委託された社会福祉法人「夢工房」が、わずか1年後の来年3月で契約解除となります。
主な理由は、区が条件にしていた常勤看護師がいないまま給与分を含む運営費を受給していたことです。全国21カ所で保育園を運営する夢工房は今年6月にも兵庫県で勤務実態がない理事長親族の給料などを不正受給していたことが発覚、品川区も調査していました。
ところが、契約解除の理由は不正受給だけではありません。夢工房と公立保育所の保育の質の差も理由のひとつで、勤務する元公立保育園労働者と、ひろまち保育園の運営方針が衝突したようです。その根底には公的保育を担ってきた保育労働者の誇りがあります。
1987年、中曽根内閣による児童福祉法改悪で〝公立優先〟が廃止され、保育所民営化=金もうけの道具となって以来、徹底した新自由主義が保育士、看護師、栄養士、調理師らの人員削減、非正規職化、低賃金化を推し進めてきました。劣悪な労働環境で、労働者は自らが主体となって保育環境を維持し続けてきたのです。
その地平を根底から破壊する夢工房と保育の公的責任を放棄する品川区を断固糾弾しよう! 保育労働者、自治体労働者、保護者は団結し、労働組合を先頭にして闘おう!
少女像制作者の思いに応える国際連帯を
東京 佐々木舜
8月27日、都内で「〈ベトナムのピエタ〉と少女像〜自国の加害にどう向きあうか」と題してソウル・日本大使館前の「少女像」(「平和の碑」)の作家である韓国の民衆芸術家、キムソギョンさんとキムウンソンさんによるトークイベントが行われました。2人は学生運動出身で、これまでも光州蜂起やセウォル号事件をテーマとして作品を制作。この8月にも京都市の丹波マンガン記念館に、強制連行された朝鮮人労働者の像を建立したばかりです。
少女像は2011年12月、毎週水曜に日本大使館前で行われてきた集会が1000回目を迎えて建立されました。昨年の「日韓合意」をもって歴史の抹殺を図る安倍政権の撤去要求に抗し、建設運動が海を越えて全世界に広がっています。
2人は今、ベトナム戦争時の韓国軍による民間人虐殺を記憶する像「ベトナムのピエタ」制作とベトナムでの建立を計画しています。朴正熙政権は1964年から73年にかけ、米帝の要請に応じて延べ36万人余りの韓国軍をベトナムへ派兵。そこで約5千人もの民間人虐殺が行われたことが90年代末に明らかとなるや、歴史の隠蔽(いんぺい)を図る政府や元軍人らと対決しながら両国の人びとにより真相究明運動が行われてきました。
柔和な面持ちの少女像には、「国際的な連帯を通してこそ平和は実現できる」「サード配備や国定教科書問題などさまざまな問題があるが、一切は韓米日軍事同盟強化のためだ。改憲を絶対に阻止してほしい」という2人の強い思いが込められています。労働者の国際連帯こそ回答です。11月国際共同行動を出発点に、東アジアから革命の突破口を切り開こう!
(写真右が少女像、左が「ベトナムのピエタ」)
杉並で絵画展と集会来場375人の反響
東京西部ユニオン Y・S
8月18日から22日、星野絵画展の発祥の地、杉並・阿佐谷で「星野文昭・暁子/絵と詩展」が開かれ、21日には「今こそ星野さんをとり戻そう」と銘打った講演会が行われた。5日間の絵画展は、不安定な天候の中でも、阿佐谷の街ではすでに有名になっている星野さんと星野闘争・絵画展の存在を感じさせる反響があり、375人が来場。新たな参加も目立った。
集会は、文昭さんのいとこの星野誉夫さんの司会で、暁子さんが文昭さんの近況を伝えつつあいさつ。獄中42年の文昭さんは、労働を奪い返そう、それは1%を潤すために99%に犠牲を強いる資本・権力を打倒する中にあり、社会と人間そのものを奪い返すことだとアピールしている。思えば、文昭さんのアピールには一貫して「労働の奪還」論に至る思想が脈打っている。
関東学院大の宮本弘典教授と星野再審弁護団の藤田城治弁護士が講演を行った。証拠を開示させる闘いの重要性を強調した藤田弁護士は、星野さんのビデオ国賠訴訟の経緯を怒りをもって暴露した。いかに今日の司法がデタラメで危機的であるかがはっきりした。
宮本教授は、戦後司法の中に戦前からの権力中枢の意志が貫徹されてきたことを暴いた。最高裁を頂点にした司法権力には、戦後革命、60年、70年闘争への恐怖があっただろうことが浮き彫りにされた。今日の星野闘争が、世界と日本の戦争情勢、革命情勢の中でいかに決定的な位置にあるか鮮明になる講演だった。
その権力そのものの最高裁が、国鉄分割・民営の際の不当労働行為を認めたことの画期性と国鉄闘争の地平の大きさを実感した。
地元の西部ユニオンや労組交流センター、全国水平同盟、婦民全国協が発言し、徳島闘争と11月国際共同行動へ地域の団結を固めた。