朝鮮侵略戦争切迫と農地強奪を労農連帯の力で阻止しよう 10・9三里塚全国集会から11月へ

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週刊『前進』04頁(2781号04面01)(2016/09/19)


朝鮮侵略戦争切迫と農地強奪を労農連帯の力で阻止しよう
 10・9三里塚全国集会から11月へ

(写真 市東さんを先頭に最高裁に向けてデモ【9月7日 東京・千代田区】)


 三里塚芝山連合空港反対同盟の呼びかけに応え10・9三里塚全国総決起集会に全力で決起しよう。11月国際共同行動の歴史的成功に向け、これまでの延長線上にはない闘いの飛躍が求められている。労農連帯の力で農地を守り、第3滑走路を粉砕しよう。10月9日、三里塚現地に労働組合旗・自治会旗を林立させ、国家権力の度肝を抜く大結集をかちとろう!

軍事空港の完成を阻む50年の地平を全世界に

 1966年7月4日の三里塚への新国際空港閣議決定から50年。三里塚反対同盟は、「空港絶対反対・一切の話し合い拒否」「農地死守・実力闘争」の原則を貫き、成田軍事空港の完成を今なお阻み続けている。
 そして三里塚闘争は、反対同盟農民とともに、星野文昭さんを始め膨大な数の労働者・農民・学生・人民が逮捕・流血・解雇を辞さず全人生をかけて闘い、守り抜いてきた「反戦・反権力の砦(とりで)」であり、労農連帯・国際連帯の根拠地である。
 7・3東京集会で反対同盟は、50年の勝利的地平を確認し、さらなる闘いの継続・発展を宣言した。「戦争か革命か」の岐路に立つ時代、三里塚闘争は全人民の結集軸となり、全世界に打って出ようとしている。

朝鮮侵略戦争阻止の最前線

 東北アジア・朝鮮半島をめぐる核戦争の危機が切迫している。韓国へのサード配備決定、北朝鮮による核実験の強行という情勢のもと、9月13日には、核兵器を搭載できる米軍のB1B爆撃機が韓国上空を飛行した。10月10日〜15日には、米原子力空母ロナルドレーガンを黄海や韓国南部沖に展開させ米韓合同軍事演習を行おうとしている。
 これに対し、労働者が分断を打ち破り、民族・国籍・国境を越え一つになって闘おうと、民主労総ソウル地域本部と動労千葉・関西地区生コン支部・港合同が11月国際共同行動の歴史的呼びかけを発した。反対同盟もこれに断固応えることを決意している。自国政府打倒に立ち上がる労働者・農民の国際連帯こそが戦争を阻む道だ。
 成田空港は「作戦計画5027」で米軍30万人の空輸・兵站(へいたん)拠点と位置付けられている。この成田の拡張、軍事使用を許さない闘いは朝鮮戦争を阻む最先端攻防の一つだ。
 「空港機能の強化」と称して進められようとしている第3滑走路建設と 暫定滑走路の1千㍍北延伸計画は、明らかに戦争に向けた体制づくりの一環である。
 反対同盟は、空港周辺住民・空港労働者との連帯を求めて、3月集会を2年続けて成田市中心部で開催した。動労千葉、全学連など、ストを打ち抜く労働組合・学生自治会の登場は、成田市住民に新鮮な衝撃で受けとめられた。安全崩壊・雇用破壊と戦争・改憲の攻撃に対して労働組合を軸にストライキで反撃すること、成田をゼネストの拠点にすることこそ、三里塚闘争の新たな発展への第一級の課題である。

労農連帯で新自由主義と闘い打ち破ってきた

 反対同盟の故萩原進事務局次長は「三里塚を闘わない者は労働運動をやれない。動労千葉と連帯しない者は三里塚をやれない」(著書『農地強奪を阻む』)と述べた。「動労千葉は鉄路を武器に、反対同盟は農地を武器に闘う」を合言葉に、動労千葉と反対同盟は不抜の労農連帯を築いてきた。この偉大な地平は、国家権力と本気で闘う気概をもつ青年・学生を強力に引き付けている。
 反対同盟と動労千葉は、「今だけ、自分だけ、金だけを考えろ」という新自由主義的価値観をのりこえ、一切の代償を求めず世界の労働者・農民の未来のために闘い抜き、「現代のパリコミューン」とも評された新たな共同性を打ち立ててきた。
 他方、国家権力との非妥協の実力闘争の発展・拡大を恐れて人民に屈服を強いる日本共産党・スターリン主義を始めとした体制内指導部は、自らの特権的地位の確保に汲々としている。支配階級は天皇を持ち出し、階級対立を隠すことに必死だ。だが今日の激動情勢は、もはや階級闘争に中間的解決はないことを表している。動労千葉と反対同盟の労農連帯を基軸に、全人民の団結をつくりゼネストを実現しよう! 動労総連合の全国的建設と労働組合の拠点建設、ストライキを打ち抜く学生自治会建設と一体で、三里塚闘争の勝利に向け闘おう!

現地大結集が権力との力関係を決め勝利開く

 あらためて、市東さんの耕す権利、生きる権利を否定した一審千葉地裁・多見谷判決とそれを踏襲した東京高裁・小林判決を徹底弾劾しよう!
 この反動判決は「耕す者に権利あり」という農地法の精神を踏みにじり、「耕作者の同意なき底地の売買・転用」を認めた。NAA(成田空港会社)による対象農地の位置特定の誤りと証拠文書の偽造を不問に付し、市東さんに農地の明け渡しを命じた。「一切の強制的な手段は用いない」との確約をNAAがほごにしたことについて「話し合いがとん挫した場合は別」とし、強制収用にお墨付きを与えた。
 NAAは「離作補償」として市東さんに1億8千万円を支払うと言い、それは「千葉県内において同規模の農地を耕作した場合の、おおむね150年分だ」などとうそぶいた。この言い草は市東さんを激怒させた。「この金をつかみ、農業をやめて出て行け」ということだ。日々丹精込めて完全無農薬の有機野菜を育て消費者に届けている農民にとって、これほどの侮辱があるだろうか。判決はこのNAAの言い分を「正当」と認め、農地強奪の許可を出した。断じて許すことはできない。
 傲岸不遜(ごうがんふそん)な国・NAA・裁判所とは対照的に、「この地で1本百円の大根をつくる」市東さんの一途で謙虚で誠実な生き方に熱い共感が広がっている。金・暴力・法律に屈することなく、労働組合・学生自治会と共闘関係・信頼関係を築き、沖縄・福島の反基地、反原発の闘いに連帯してきた。正義がどちら側にあるかは明白だ。
 反対同盟パンフの学習会、「三里塚闘争不屈の50年」の上映会を職場・学園で組織し、農地取り上げに反対する最高裁5万人署名を集めよう。
 現地への大結集が国家権力との力関係を決める。40回を数える空港周辺地域一斉行動、50年にわたる闘いの継続が地域住民の信頼と共鳴をかちとり、空港労働者にも届き始めている。「反原発・反TPP・三里塚連帯」を掲げる全国農民会議、闘う労働組合を軸に、「市東さんの農地を守る会」の全国的発展をかちとろう。労組旗・自治会旗を押し立てて三里塚現地に大結集しよう!
〔土屋栄作〕

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最高裁の強制収用を許さない! 第3滑走路粉砕! 安倍政権打倒!
10・9三里塚全国総決起集会
 10月9日(日)正午 成田市東峰・反対同盟員の畑
 主催 三里塚芝山連合空港反対同盟

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